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ローカル航路エプリオン線の嗟嘆  作者: 紫 和春


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第79話 検査

 現在のドレイクの扱いは戦傷者状態である。

 それに伴い、第219巡航艦隊が母港に入港している場合は、艦隊旗艦を居住区にして通院することが決められた。

 もちろん、第219巡航艦隊が出撃などの準備に入った場合、早急に艦を降りなければならない。

 ドレイクにとっては負担のかかる状態であるが、これも軍の規定に則った療養の一つなのである。一番いいのは入院することであるが。

 初診から1週間が経過し、再び総合病院を訪れたドレイク。


「ドレイクさん、あれから調子の方はいかがですか?」

「すこし、気分が楽になった感じはします」

「なるほど。その他、何か変わったこととかあります?」

「そうですね……。今は艦隊旗艦の士官室に居住しているんですが、狭苦しい場所なんですね。なので以前先生が言っていた閉所恐怖症は考えにくいような気がするんです」

「そうですか。それってどれくらいのもの何です?」

「もう、ベッドと天井が50cmくらいしかないです」

「そのくらいの閉塞感では恐怖心が出ないって感じですか」

「はい、そうです」


 こうして、数分ほど会話をする。


「それじゃあ次回の診察なんですが、ちょっと検査が入ります。2回に分けて検査しますね」

「はい」

「ではこの日とこの日は空けといてください」


 次の予約を取り、薬を貰ってドレイクは病院を後にする。

 旗艦に戻ったドレイク。

 基地の入口では、警備隊の隊員がドレイクの事を出迎える。


「どうも、ドレイクさん」

「ん、お疲れさん」


 そういって、ドレイクは身分証を提示する。


「毎度すいませんね。顔パスで入ってもいいんですが……」

「いや、いいんだ。これも規則だからな」


 そういってカードをスキャンし、情報を照らし合わせる。


「……はい、問題ないです」

「どうも」


 そういって、ドレイクは基地の中に入っていく。

 現在の基地は、旗艦に積み込む物資の補給を行っている所だ。

 主に物理弾頭や食料、その他消耗品が対象である。

 そのため、基地内をトラックがあちこちを走り回っていた。

 安全第一を心がけながら、ドレイクは旗艦へと戻る。

 そして自室に戻り、今回貰った薬の確認をした。

 まだ通院から数回ということもあり、薬は2種類しか出ていない。どちらも抗うつ剤で、不安などの気分を楽にするようなものだ。


「これからは薬漬けの日々……か」


 そういって、薬を飲むのであった。

 数日後、検査の日の当日になる。

 病院に向かったドレイクは、受付を済ませると、いつもの診察室とは別の場所に案内される。

 検査室と書かれたそこには、心理カウンセラーがいた。


「本日の検査を担当します。よろしくお願いします」

「どうも」


 そういって検査が開始する。

 まずは基本的なIQを測定する検査を行う。

 模様の描かれた立方体を組み合わせて指定の模様を作ったり、計算問題を聞いて答えるなど、ドレイクにとっては比較的簡単な問題である。


「スラスラ解きますね」

「そうですか?そんなに難しいことではないので」

「それでもすごいですよ」


 あまり褒められ慣れていないドレイクは、どのように受け止めていいか分からず、少し混乱する。

 検査をすること数時間。この日行う検査は全て終了した。


「……では、今日の検査は以上になります。また数日後に検査しますので忘れずに来てください」

「分かりました」


 それから数日後。再び病院を訪れたドレイクは、同じ検査室に通される。


「では、今から樹木を書いてもらいます。どんなものでも構いません」


 そういって、ドレイクの目の前には白紙の紙と鉛筆が置かれた。


「自分の思うように樹木を描いてください」


 ドレイクは鉛筆を持ち、木の絵を描く。

 描く前は、どのような木を描くか悩んでいたが、いざ筆を走らせると面白いようにスラスラと描ける。

 ものの5分程度で木を描き終えた。


「これで大丈夫ですか?」

「えぇ、大丈夫です」


 そういって絵は回収された。


「では、次はこのテストを行いましょう」


 そういって差し出されたものは、シチュエーションごとに、自分の考えを記入していくものだ。


「これに正解はありません。自分の思った通りの答えを、そのまま書いてください」


 そう言われ、ドレイクはシチュエーションごとの様子や立場を考え、フキダシ内に回答を埋めていく。

 こうして、2日間に分けて行われた心理テストは、無事に終了した。


「それでは、結果が出るまでに1ヶ月、長い場合は数ヶ月ほど時間を頂きます。よろしいですか?」

「わかりました」

「結果が出次第、主治医の先生と話をしてください。もしかすれば、担当の主治医が直接話をしてくれるかもしれません」

「はい。本日はありがとうございました」


 そういってドレイクは旗艦へと戻る。

 あの検査は一体何だったのか、という事を考えながら、帰路に着くドレイクであった。

本日も読んで頂きありがとうございます。

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