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生者か死者か  作者: 近道メトロ
第二章:街へ
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二つ目の仕事

 俺は雑魚ローチ全てを黙らせたが時間は大分経った様だ、まぁローチと段ボールを一つ残らず切り刻んで残骸にして部屋の隅に押し込んだので仕方なかったことだ。

 それでも部屋は見違えるくらいには綺麗になった、床も体液に沈んだが排水溝があるようで液体が流れていく音がする、これなら少しすれば床が見えてくるだろう。


「疲れた」


 俺は段ボールの残骸に腰掛けそう呟く、ここまで頑張って仕事をしたことなんて前世含めて初めてだろう。

 排水の音を聞きながらぼーっとしているとギィっと金属の鈍い音が響きゆっくりと入り口の扉が開いた。


「殲滅の確認が取れました、うわっなんだこれ」


 聞き覚えのある声と共に黒い防護服の人間が入ってきた、相変わらず聞きづらい声だが俺を此処に案内した奴で間違いないだろう。


「やっとか、遅かったな」

「すいません、後排水を強化するのでもう少し待っててもらっても宜しいですか?」

「勝手にしろ」


 適当に返事をして体育座りをして何処かへ行った作業者の開けたままの扉を眺める。

 暫くして排水の勢いが増し扉から長いホースを持った作業者が現れた。作業者はホースに付いたスイッチを押す、するとホースから勢いよく水が飛び出しローチの体液を押し流していく。

 防護服でも此処をそのまま通るのは嫌らしい。


「ついでにこっちにもかけてもらえないか?」

「いいですよ、そのまま外を歩かれても困りますしね」


 立ちあがり装甲を通常状態に戻してフードから顔を出して作業者に頼んだ。体と装甲の内側にこびりついた体液が水に押し流され床を白く汚す。

 全身びしょ濡れになったが水とローチの体液と臓物ならどちらが嫌かなど比べるまでもない。


「次は、掃除だったか?」

「道具は持ってきたのでこれで床を磨いてください」


 通路に出てきた俺に対して作業者が指し示した物は金属製のデッキブラシだ、ブラシの部分も全て金属でできている謎のデッキブラシ。これっってデッキブラシなのか?

 作業者は既に部屋に入って行ってしまったし道具はこのデッキブラシだけだ、とりあえず床を磨けとのことなのでブラシ部分を床に擦り付けて片手で四苦八苦しながら磨いていく。

 すると擦り付けた場所が紫色に光、ゆっくりと光が消えて行った。


「また魔法の便利な道具か?」


 続けて磨いて行くと同じように紫色の光が現れては消えた。ローチとの戦いでフォークリフトをぶん回して壁とかを叩いた時の光りに似ているがあっちとは色が違うし点滅もしていない。


「使い方は合ってるだろうが、効果が分からんから不安になるな」


 多少ビクつきながらも床磨きを進ませていき問題なく終わらせられた。とは言っても何処までが依頼の範囲なのかは分かってないが。


「終わりましたか?」

「大体は出来たと思うがこれで合ってるのか?」

「そうですね、確か此処には訓練依頼で来たんでしたっけ?」

「そうだ」


 依頼が二つってことばかりに頭が行っていたが元々これは初級訓練依頼ってやつだった筈だ、つまりダークネスローチが居たのは仕組まれてるものだったと思う。しかしそうじゃないとしたらこの世界の冒険者は成り立てからあんなのを相手取っていることが当たり前ということになる。

 そうなるとあいつらでへばっているのでは舐められる所の話ではない、むしろ心配されてしまうだろう。


「ならこれで依頼は終了です、では依頼完了証明書です。これを冒険者ギルドの受付へ渡せば報酬が貰えるはずです」


 そう言って渡されたのは何かが書かれた紙だ、読めないので何が書かれているのかは分からないがこれを持っていけばいいらしい。


「分かった」

「出口まで案内します」

「あぁ」


 防壁の中は思ったより複雑でどうやって帰ろうかと思っていたところなのでこの言葉はとても助かった。

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