暗黒の魔虫との決着
蹴りは完全に俺の腹に命中した、人の手足ほどを大きさの脚から繰り出されるその威力は並みのガーディアンの装甲なら貫いただろう。
しかし此方が使っているのは最新で最高品質のガーディアン、正面からの蹴りを受け止めて俺はその脚の付け根に直刀を捩じ込み床に叩き落とした。
「ギィッ」
「弾の無い貴様なぞ、蚊ほどの脅威にもなりはしねぇ!」
俺はそう声を荒げながらダークネスローチを足で押さえ付け手に持った直刀で脚を力任せに引っこ抜いた。ダークネスローチが奇声を上げて脚をバタバタと忙しなく動かし、脚が取れた部分からは白い体液を撒き散らしている。
事実ディスプレイに表示される情報で今の俺に脅威になるものは電磁投射砲以外出てこなかった。
「んじゃ、今度はこっちの番だ」
直刀を振り上げ、思い切り振り下ろす、刃は少しも欠けることなくダークネスローチの腹を引き裂き背中まで貫通した。
「ギッ」
「ほぉらお前の不意討ちの分だ、まだまだあるんだから顎食いしばって耐えろよぉ」
それから何度も何度も直刀で体を貫き脚を全て引き抜いていった、その度に穴から白い液体が溢れてくる。キモい。
「なんか喋れよ報酬寄越せよこちとらガーディアンに穴開いて全身ゴキ濡れやぞ、割りに合わんのじゃい」
唾を吐き捨て動けないダークネスローチの頭に蹴りを叩き込んだ、頭がぐるんと一回転してポロッと外れ俺と目が合った。キモい。
「……確か触角が電磁投射砲だったっけか?」
直刀を近くの段ボールに突き刺し頭を拾い上げてどこがどうなっているかを確認する、しかし生物学や解剖学は一切知らないので何も分からない。そもそも片手では直刀を置いていくことになるので持って帰れない。
先に鞘を貰っておくべきだったかもしれないがどうせ体液まみれになっていただろうし持ってないのはむしろ正解かもしれない。
頭を放って直刀を持ち直し辺りを見渡す。
既に気付いていた事だがダークネスローチを解体している最中雑魚ローチを邪魔は一つもなかった、今は全て腹を上にして床を埋め尽くすほど落ちている。殆どは動かないが一部はまた動き出そうともがいている。
「ボス撃破で壊滅するのか、随分と呆気ないな」
しかし元々大量にいたせいか一部と言っても数百単位で動き出そうとしているのが見える。
「ラストスパート、いつまで掛かるんだこの依頼」
溜め息を吐きながら俺は直刀を振り下ろす。
害虫駆除は毒ガス安定だろとこの世界に愚痴りながら。
ご都合主義ですまない、次からはもっと努力したいと思っている。




