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生者か死者か  作者: 近道メトロ
第一章:ダンジョン
11/43

休息


「訓練終わり!」


 俺は疲れ果ててそう叫ぶ、すると一号は水の入った瓶と綺麗なタオルを持ってきてくれる。


「いつもありがと」

「(何てことはないと言うように首を動かす)」


 左手騒動から三週間、毎日特訓しているが成果は芳しくない、体力が小学生から中学生くらいになっただけで剣術と武術は全く上達しなかった。


「散歩してくる」

「(頷いて武器の点検を始める)」


 体力が増えて剣での切り合いも始められる様になったが相変わらず全て弾かれて寸止めされるが十回に一回は一号の剣を弾くことが出来るようになった、だが必ず初撃は失敗しているので意味は殆どない。

 それに毎日特訓してれば精神的に疲れてくるので今日はこの28層を散歩する事にした。


「先ずはそうだな、かばんに会いに行くか」


 かばんは前にも言った服とか剣とかを持ってきてくれるスケルトンで背中に背負っている鞄は俺が三人は余裕で入れるほど大きさで常にパンパンになっている。

 普段はスケルトンの縄張りをうろうろしているが補充のためにスケルトンの鍛冶場や他の魔物の縄張りに居たりする。


「あ、いたいた」

「(リーシャに気付き手を振る)」


 かばんは鍛冶場の鉄製ベンチに座っていた、どうやら金属製品の完成待ちの様だ。


「今日は何を持ってる?」

「(頷いて鞄の蓋を開け中身を見せる)」


 かばんは持ってるものを他の魔物でも無償で配っているのでこの階層では最も知名度が高い、俺もかばんと一緒に散歩してたらいつの間にか攻撃も威嚇もされなくなった。

 今回は瓶類多めだ、瓶はリザードマンがよく持って基本的に遠出するときに飲んだり頭から被ったりするための水を容れてるのをよく見る。

 俺が鞄を物色しているとかばんは俺の後ろに回って頭を撫でてくる、撫で心地が良いのかいつも撫でてくるが最初は大変だった。

 手をワキワキさせながら鞄から取り出した制服やら獣耳を着せてこようとするのだ、一号の助けがなければ俺の頭と尻には物理的に獣耳と尻尾が生えていただろう。


「これ貰って良い?」

「(頭を撫でながら頷く)」


 俺は試験管型の瓶を二本と蓋用のゴム栓を貰った、理由は特になく一号のお土産として一本、もう一本は拠点の棚に飾っておこうと思う。


「それじゃまた」

「(惜しむように撫でていた手を離しリーシャに手を振る)」


 俺は次は何処へ行こうか悩んだ、しかしよく考えてみたら袋も何も持ってないのでこれ以上物を持てないことに気が付いた。

 俺は拠点に戻ることにして歩き始めた。


 爆発音が聞こえたのはそのすぐ後だ。

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