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【完結】知識チートで目指せ独立国家〜王家とのご縁は遠慮します!〜  作者: 花日


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 おじい様とおばあ様がお戻りになられることが決まった頃。


 お父様から、「まだ帰らないのか?」と連日連絡が入るようになりました。


「お父様ったら案外心配性なのね」


 と笑う私に、おばあ様とお母様が顔を見合わせて微笑まれます。


「仕方ないわね。そろそろ帰りましょうか」


 そう言いながら、お母様も満更ではなさそうです。


 私たちはポーション生産の人員を置いて、カーハインドに戻ることになりました。


「またすぐに来るわ!」


 お母様は笑顔で手を振ります。


 見送るポーネの皆さんも、またすぐに会えることがわかっているからでしょう。

 穏やかなお顔で手を振ってくださいました。


 ◇


「こりゃあすごいな……」


 飛行艇が離陸すると、おじい様は目を輝かせておっしゃいます。


「雲の上にいるなんて、信じられないわ」


 おばあ様も興味深げに、窓からの景色を眺めていらっしゃいます。


 お二人とも恐怖心がないようで安心しました。


「ローラ、これどこまで飛べるんだ?」


 私がほっとしていると、おじい様が問われます。


「そうですね……

 理論的には魔石の供給さえできれば、どこまでも?」


 私は首を傾げながら答えます。


 というのも、実際に実験をしたわけではないからです。


 他国にいきなり飛行艇で乗り付けるわけにもいきませんからね。

 今のところ、今回のポーネまでの飛行が最長距離です。


 そんなことを説明していると。


「もったいない……」


「もったいないですか?」


「ああ。これがあれば、まだ行ったことのない遠国にも行ける。なぜもっと活躍しない?」


「そうおっしゃられましても……あまり大っぴらに使って、他国を刺激するわけにもいきませんし……何より王都に気取られるわけにはいきませんから……」


 私は眉をさげます。


「はぁ? まだ王都の顔色なんざ気にしてんのか」


 おじい様は「呆れた」と言いながら首を振ります。


「これだけの技術力があるんだ。なにを気にすることがある」


「ですが、もし王都と争いになれば……」


「ならないな」


「え?」


「これだけの技術力を見せられて、あいつらがわざわざ争うわけがない」


 私は目を瞬かせました。


「領地の未来を預かっている以上、慎重なのはいいことだ。

 だが勝負どころで仕掛けんでは、いつまでも独立なんてできんぞ」


「それともなんだ? 確実に争いにならないと確証が得られるまで、動き出さないつもりか?」


 私としてはそのつもりでした。

 確実とは言えなくても、争いになる可能性を極力減らしてからと……


「そんな日が来るのか? いつ来る? それまで技術を隠して領地の繁栄を抑え続ける気か?」


 おじい様に問われて私は何も答えられませんでした。


 私は慎重になり過ぎるあまり、領地の未来を妨げていたのかもしれません……


「そんなこと言うなら、じいちゃんが指揮とってくたらいいじゃん」


 私が黙り込んでいると、アルフお兄様が口を出されました。


「ローラはずっと考えてきたんだよ。いろんな可能性を想定してさ。だけど王都の貴族との関わりなんてほとんどないんだ。向こうがどう動くかなんて、経験がなきゃ読めないじゃん」


「……それもそうか。悪かったな、ローラ」   


 おじい様は私の頭に優しく手を置かれます。


 ですが。


「いえ。おじい様のおっしゃることはごもっともです。そろそろ本格的に動き出すべきなのかもしれません」


 私は拳を握るとおじい様を見据えました。


「おじい様。協力よろしくお願いします」


 深々と頭を下げます。


「……うーん。協力はしてやりたいが……今の領主はカロルドだ。

 あまり俺が前面に出るのもな……」


 おじい様は言葉を濁されます。


「いいじゃないの。カロルドは守ることには向いているけれど、攻めることは苦手な子よ。あなたとは反対でね」


 今まで黙って成り行きを見守っていらしたおばあ様が、くすくすと笑われました。


「それにじいちゃんがローラを焚き付けたんだからね。責任取りなよ」


 アルフお兄様まで肩を持ってくださいます。


「……帰ってからカロルドと話してみるか」


「おじい様、ありがとうございます!」


 ◇


 領地に着くと、エントランスでお父様が待ち構えておられました。


 おじい様たちのお出迎えでしょうか。


 そう思っていたのですが――


 お父様は私たちには目もくれず、お母様を抱きしめました。


「無事に帰ってきてくれてよかった」


 心の底から安堵したようなお父様に、私は目を瞬かせます。


 お父様はいつも冷静で、滅多に感情を表に出されない方なのに。


「心配しすぎよ」


 お母様はくすりと笑われました。


「……相変わらずだな、お前は」


 おじい様に声を掛けられ、お父様はようやく我に返ったように姿勢を正されます。


「父上も母上も、ご無事で何よりです」


 深く頭を下げるお父様に、おじい様は呆れたように肩をすくめられました。


「アルフとローラもおかえり」


「ただいま帰りました、お父様。

 早速ですがお話がありますので、領地会議を開いていただけませんか?」


「……ローラ。まずは旅の疲れを癒してーー」


「いえ、できるだけ早く決めたいのです」


 私がお父様に言い募っていると、おじい様が苦笑しながら口を挟まれました。


「待て待てローラ。まずは俺からカロルドに話す。領地会議はそれからだ」


 お父様とおじい様は顔を見合わせて、呆れたようにため息をつかれました。



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