表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知識チートで目指せ独立国家〜王家とのご縁は遠慮します!〜  作者: 花日


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
85/88

85

 翌日には早速ロルフや共に来た薬師たちにより、ポーションの作り方が講座が開催されました。


 帝国側はまず、帝城に務める薬師たちに学ばせることにしたようです。


 ただ、帝城の薬師といえば貴族出身者が大半でしょう。対してカーハインドの薬師は平民がほとんどです。特にロルフは見た目が幼いこともあり、帝城の薬師に軽んじられないかと心配していましたが、その心配は杞憂に終わりました。


 帝国では陛下が内政改革を進めておられ、実力主義の風潮が根付いていました。そのため、権威を振りかざす者は少なく、自分たちにない知識や技術を持つ相手には素直に耳を傾ける者がほとんどだったのです。


 それに、陛下直々に「学ぶ立場でありながら相手を侮るような真似はするな」と釘を刺されたとも聞きます。


 おかげでロルフたちも、他国の薬師と意見を交わす貴重な機会を得られたと喜んでいました。


 今回は聖王国のレシピを伝えたそうですが、いずれはカーハインドの新しいレシピについても共有していく予定だそうです。


 どちらを帝国のポーションとして採用するのか。それとも、それらを基に帝国の薬師たちが新たなレシピを生み出すのか。それはまだわかりません。


 それでも、この日から帝国産ポーションの歴史が始まったのです。


 ーー     


 ポーション瓶の製造は帝国に一任することとなりました。


 すりガラスや細工を施したガラス、それに大きな板ガラスの製法は帝国にはまだないようですが、瓶の製造そのものは昔から行われており、それを担う職人には事欠きません。


 経験豊富な職人も大勢いるでしょうから、お任せして問題ないでしょう。


 しかし今回の事件を踏まえ、新しく作るポーション瓶には、開封が分かる仕組みを設ける必要があります。


 カーハインドの蒸留酒のように、瓶の口から胴体にかけて帝国の紋章を押した紙を貼り付けて封印紙とし、破らなければ開けられない仕組みにするのが良いのではないかと、話し合っているところです。


 ですが……今後これが一般的になれば、封印紙のない今までのポーションは安全性が担保されていないとして、売れなくなるかもしれません。


 ポーションを生み出した国が、その安全性への信頼を揺るがす。皮肉な話ですね。


 ◇


 一方、地方への支援部隊は一向に決まりません。

 どのような決め方をしても、どこかに角が立つ。


 頭を悩ませたレオ様は、希望する者を集めると一つの決断を告げました。


「部隊も経歴も関係なく、飛行艇から飛び降りられる奴だけ連れて行く!」


「はあああ!?」


 これには皆が大慌てです。しかし――


「飛行艇で向かうと行っても、現地の状況によっては着陸できないことも考えられる。

 そのときには空挺降下する必要があるかもしれない。

 そうなってから『出来ません』と言われても困るからな!」


 レオ様のおっしゃることも尤もでした。


 この時点で三分の一が、そして実際に飛行艇に乗り込み飛び降りる直前に、さらに半数近くが辞退を申し入れました。


 なんとかカーハインドの補助の元に飛び降りた者の中にも「二度とやりたくない」と言う者も居て、結果的に希望者は大きく絞られることとなったのです。


 レオ様は残った希望者を二つに分け、順に視察に連れて行くと決め準備を加速されました。


 大型の飛行艇には研究施設なども併設されており、私たちが滞在していることもあるので、視察にはロルフたちが乗ってきた小型の飛行艇を貸し出すことになります。


 帝都の復興もまだ半ばですから、それほど大人数を連れて行く訳にも行きませんからね。


 それに今回は物資が足りなくなれば帝都に戻れば良いので、燃費が良く小回りが効く小型艇の方が良いという判断もあります。


 ただ飛行艇を貸し出す以上、カーハインド側の責任者が乗らない訳にもいきません。


 そこで現地の状況を自分の目で確認したかった私は、カーハインド側の責任者として立候補してみたのですが、当然お兄様たちの大反対にあいました。


「なぜ未婚の令嬢を危険な場所へ連れて行く必要があるんだい?」

「視察なら文官を派遣すりゃいいだろ」


 反対されるのはわかっていましたが、まさに一刀両断。

 取り付く島もない様子に、さすがの私も諦めました。


 それに今回、カーハインドは後方支援ですから、行ったところで現地で出来ることもそうありません。


 それよりも帝都でポーション作りに関わる方が、有意義な時間を過ごせるでしょう。


 ちなみに責任者として派遣されるのは、ロルフお兄様に決まりました。


 当の本人はめんどくさそうな顔をされていましたが、なぜかお兄様は陛下の信も厚く、「倅が暴走したら殴ってでも止めてくれたら良いから」と頼まれたそうで、断れなかったようです。


 まあお兄様はいつの間にやらレオ様に敬語を使うことも丁寧に接することもやめてしまわれて、レオ様もそれを受け入れていらしたので、仲の良い友人関係なのかもしれませんね。


 地方支援部隊は、三日後に出発することが決まりました。


 私はそれまでにアルフお兄様が送ってくださった魔道具を確認して、使えそうな物があればマルクお兄様にお渡ししましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ