正体というもの
めざましで今日は文章作成が捗ると占いで出たので、頑張りました。
「撃たせるかよ。蛇骨剣!」
蛇王が飛び上がると大剣が蛇の骨のようにうねり、みるみる大蛇へと変化した。
「シャー!」
大蛇は邪神と黒い雲の間を縫い、接続を斬っていく。しかし
【おそい!おそい!】
邪神ビームが発射されてしまった。蛇王の足が吹っ飛び、サポートに入って邪神に斬撃を繰り出していた団長の肩に当たり、肩当てが吹っ飛び鮮血が舞う。そして共にサポートに入っていた王子様の右手が吹っ飛んだ。王子様は左利きなので、剣は落とさない。
『全快!』
「ミコ様ありがとうございます!」
団長が肩押さえて礼を言う。王子様は礼どころじゃなさそうだ。蛇王は着地して恐る恐るジャンプしていた。
「くぅ。いてぇのに、まっさらだぜ。」
膝下が吹っ飛んだので、服も吹っ飛んだ。スネ毛がワイルドである。
「神力砲用意!撃て!」
大神官の号令が響き渡る。黒い雲に向かって神力ビームを束にした神力砲が放たれるが、雲を晴らすことは出来ない。
しかし邪神と雲に隙が出来たので、セイが邪神に一撃を放った。
【ぎゅおぉおお!はずれはずれ!】
効いてはいるが、核には当たらなかったようだ。
ぐぬぬ、中々な邪神である。まさしく消耗戦になりそうだ。
「神力砲、止めるな!邪神にビームを撃たせてはいけない!」
大神官の言葉にハッとする。悩んでも仕方がない。取り敢えず全快に全力を注がねば、人々が死んでしまう。
「キャン!」
「グギュ!」
突然、ライとユキが鳴いた。そして神輿を降りてしまう。
『ライ!ユキ!戻ってこい!』
しかし二匹は言うことを聞かず、ドンドン山を降りていってしまう。
『待って!』
わたしも降りようと、追いかけようとすると、腕に痛みが走った。
ボクっ子だった。
「ミコ様、神獣様にも何か考えがあるんだよ。でもミコ様は行っちゃダメ!」
『離せ、ボクっ子!二匹は家族だ!放っておけない!』
「えー…。」
ボクっ子の腕を掴む力が緩んだ隙に、わたしが神輿降りようとするといぶし銀マッチョダンディ達が降りやすいように神輿を下ろしてくれていた。
『ありがとう!』
「ミコ様、ボクの事ボクっ子って心の中で呼んでたの…。」
ぼやくボクっ子の声が聞こえるが、無視だ無視。
「猊下!ミコ様を止めて!」
リジーの悲痛な叫びが前から聞こえる。神力砲の一員になっていたようだ。
そして、わたしの前に大神官が現れた!
目をビカー!とさせて、立ちふさがる大神官。
「本当に行かれるのですか?」
しかし声は優しい。
『行かせてくれ、大神官。これはわたしと邪神の戦いなのだ。これ以上、人々を犠牲に…家族を犠牲にするわけにはいかない。』
ライとユキが何をするつもりなのか分からないが、噛みつこうとか考えてたら止めなくちゃならない。
目をゆっくりと閉じた大神官は半歩、横にズレた。
「「猊下!」」
ボクっ子やリジー、神官達の悲痛な声に申し訳ない気もするが、わたしは行かねばならぬ。
アレも試したいしな。
大神官の横を過ぎると、いぶし銀ダンディの中でも筋肉の張りが一際輝く、いぶし銀ダンディ長とでも名付けたい御仁がおんぶの格好でわたしを待っていた。
「ミコ様、このジィにお任せを。神獣様にも追いついてみせますぞ。」
『頼むぞ!』
わたしは長に乗り込んだ。
ひょいひょいと、下り坂とは思えない速度で長は下って行く。
米粒だった二匹がどんどん大きくなってくる。
もう少し、もう少しだ。
わたしたちの頭の上では神力砲がドンドン撃たれている。
「捉えた!」
長の言葉に二匹を見ると、あれ?かわいい子型犬と子猫ちゃんな筈が少し大きくなりすぎている。
みるみるぐんぐん大きくなっていく。そして…
ドロン!
「ケーン!」
「うにゃ~ん!」
二匹が変化した。
焦げ茶小型犬だったライは白い長い巨大な犬?に、耳の端と尻尾の先が焦げ茶なのがライの名残を残している。
白い子猫ちゃんだったユキはふくよかな鯖白に変化して、尻尾が二本に増えている。猫又だ!
「主を苦しめる者は許さん!吹きとばせ、かまいたち!」
ライがくるりと回ると突風が吹き、鋭い刃になって邪神の上の黒い雲を吹き飛ばす。
「主の為に我らはある!燃やせ、鬼火!」
ユキのカワイイお口から青白い火がゴオッと吐かれる。
【うぎゃぉおおおおおお!】
「唸れ、雷鳴!」
バリバリバリ!
ライから放たれた雷がユキの燃やした部分を吹き飛ばすと、邪神は一回り小さくなった気がした。
長は足を止めず、二匹を通り過ぎる。
【おのれ!のろわれたいぬがみと、こもののねこまため!】
振り返るとでっかい触手が二匹に直撃した。
「「ギャン!」」
『全快!』
「「主、我らは…」」
『例え何であろうと、我らは家族だ。油断するなよ、ライ!ユキ!』
「「はい!」」
びびびびびびっくりしたぁあああああ!
でも変身した二匹もカワイイから無問題。
しかも戦力になるという奇跡。
こうなったらミコ様も頑張っちゃうぞぉ。
そう思って到着した最前線で
「何で来たんですか!」
セイにクソデカボイスで怒られた。
「まあ、待て。セイルース。聞いていただろ。義姉上様にも考えがおありになるんだろう。」
そうだ。と、わたしは胸を張る。
「そんなカワ…あざとい…上目遣いで見てもダメですからね!武装神官もすぐ来るんで、極力後ろに下がっててください!」
え、ボクっ子追いかけて来てんの?
【わらしのにおいがつよくなった!】
【わらし!われだよ、わらし!】
て言われても、邪神の知り合いなんておらんがな。
「「我らの主をお前にはやらん」」
【うるさい、こばえ!】
邪神が二匹にまた触手を振り回すが、見事に避ける。
おい、プリティ家族を小バエ呼ばわりとはどういうつもりだ!
『許さん…』
「ミコ様!」
『ぶっつけ本番、喰らえ!ミコビーム!』
わたしは怒りに任せ、こっそり特訓していた腕をクロスにしてミコビームを放った。放てた!
七色の光が邪神を貫通した!不意を打てたのか、パリッと核にひびが入った音がした。
【うぎゃぉおおおおおお】
「「おおー!流石ミコ様!」」
「え…。」
なぜかショックを受けたセイと王子様の声が聞こえた。失礼な。
【わらし、わるいこ!わるいこ!】
あ、また寒気。嫌な予感。
『みんな、離れろ!』
ギン!と邪神がウニのようにトゲトゲになった!
逃げ遅れた何人かが刺さっている。
「抜け!ミコ様の全快が出来ない!」
「うぐぁあ!」
わたしは必死に血への恐怖を抑え、全員が抜けてから全快をかけた。
『くっ…。』
すまない、わたしの合図が遅かった為に…。
悔やむわたしの肩に長の手がおかれる。
「ミコ様、危機を知らせて頂いてありがとうございます。今度は我々の番ですな。」
「「先代将軍!」」
マッチョ隊から声がかかる。長はやはり長だったのだ。
「やるぞ、皆の衆!」
「「おう!」」
ダダダッとマッチョ隊が邪神を囲う。
「「術式!ラットスプレッド!」」
「展開!アブドミナル&サイ!」
にっ!長が白い歯で笑顔を決めると、魔法陣が邪神を覆う。金色の光は上に上がり、そこから巨大な爽やかイケメンマッチョメンが降臨した。長と同じポーズをしている。
マッチョ隊がヒュー!ヒュー!キレてる!など、マッチョメンに掛け声をかけると、マッチョメンの周りに七色のサーチライトが踊るように舞う。
にっ!
マッチョメンの渾身の笑顔で、何かダメージを受けたのか邪神が苦しそうに身体をくねらせている。
【ぎょおおおおおおおおお】
マッチョメンが消えると、また邪神がひと回り小さくなった。
【おのれおのれおのれ】
邪神は怒りでウニになったり、触手を振り回したり、大暴れだ。
「義姉上様、ミコビームは何発撃てます?全快は?」
真意は分からんが、王子様の問いに答える。
『全快は無限。ミコビームはあと1発だな。』
「セイルース、あと何発撃てる?」
ムッとした表情でセイが答える。
「2、3発だな。」
「2発か…。」
「おい!」
「義姉上様の前で多めに見積もるのはお見通しなんだよ。」
「ぐ。」
そんな話をしていると、荒ぶる邪神が言った。
【てしたふやすてした】
「うぉっ!トゲが飛んできた!」
多くの人々が避ける中、帝国軍で避けられない人がいたのか、蛇王がトゲに貫かれていた。
「陛下!」
【こいつのっとる】
『ほぉ。蛇王は邪神と相性がいいのか。』
「聖人!テメー、冗談でも面白くねーぞ!」
「ミコ様!」
長にもクソデカボイスで怒られた。古いけど、KYでゴメン。
【こいつのっとるのっとる】
「ぐああ、根を張ってきたぁあああ!クソ!邪神になるくらいなら自殺してやらぁ!」
「陛下!」
『任せろ、蛇王!少し痛いが我慢しろ。』
「任せたくねぇえええええええ!」
『結界!』
蛇王の周りをスキャンするように結界を張る。そして…
『弾け飛べ!』
「ぐぅうううう。いってぇえええ!」
『全快!』
悪いものが弾け飛んだのを確認してから、全快をかける。蛇王が文句言ってるが問題ない。文句言えるのは自我が蛇王だからだ。
「なんだ。蛇王乗っ取らせて核を移す時に、倒せるチャンスだったのに。」
小声だが聞こえるぞ王子様、お前手段選ばねーな。
「トゲ防止!猫だまし!」
パン!とカワイイお手々でユキが鳴らすと邪神の周りに煙の結界が出来た。
「これで時間稼ぎできるにゃ!」
『よくやったぞ、ユキ!ライも頑張ったな!」
「「主、大好き!」」
「オレだって。」
「こらこらこら、無駄撃ちしない。」
何故か秘剣に気合を入れ始めるセイとネコつかみで止める王子様。なんか分からんがコントか、君らは。
『しかし、なぜわらしと呼ぶのか…。』
「わらし?我々には不敬を承知でミコと聞こえますよ。」
と、セイ。そうなのか?
「義姉上様、邪神の言葉に耳を傾けないでください。奴は手数が多い。何を仕掛けてくるか、分かりません。」
と、王子様の言葉に頷いた瞬間、邪神の方を見たら煙の結界の隙間からギョロリと目がこちらを見ていた。注意を聞いたそばからぁあああああ。
しかし、わたしは他人の目は直視しないから大丈夫だ…しまった相手は邪神だったぁあああああ。
バチリと目が合った。
「ミコ様!」
何かぶつかる衝撃と胸部に痛み。
あ、死ぬかも。ちょっと思った。
1番書きたい場面が書けたので、満足です。
戦闘中は面白い事は書けないのが難点です。




