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5月

【5月】


 服部君、今日はお城のプラモデルを熱心に組み立てている。

 文芸部なのに。


 「このお城は何かな?」

 「赤瓦と言ったら鶴ヶ城じゃないですか。」

 「そうなんだ。」

 常識だったのか。


 「♪ 鶴ヶ城〜、鶴ヶ城〜。蒲生92万石〜。」

 謎の歌まで歌い始めたぞ。


 「君は、本は読まないのかな?」

 「昨日先輩の前で読みましたよ?」


 ああ、魚の図鑑ね。

 名前、体長、生息域•水深、等々、を延々と聞かされた。

 お陰で深海魚に詳しくなったが、そうじゃない。



 うーむ。…ちょっと歩み寄ってみようか。


 「…ねえ。それ、その模型。もう少し綺麗にしてみない?

 枠から部品を外したときの切れ端、綺麗にするの手伝おっか?」 

 「バリですか。」

 「バリっていうんだそれ?

 君、部品を手で『むしる』じゃない?それを、ニッパー? でキレイに取ったら、もっと綺麗に仕上がると思うの。貸して……こんな感じで。」

 「おー綺麗。先輩上手いですね。プロですか?」


 職業に出来るの模型製作?



 それから、私たちの城製作はぐんぐん捗った。

 いや違う、そうじゃない。




 芝生を生やす作業は楽しかった。

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