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人魚冒険譚  作者: マコト
7/22

図書館でお勉強

世界観説明回。長々しちゃったかな………?

最悪読み飛ばしても分かるはず?






ユーラは冒険者ギルドで教えて貰った図書館へと来ていた。


冒険者ギルドでの話で分からない事が多すぎたユーラはこの世界についてもう少し調べようと思ったのだ。場所は奥の壁の近くにあり、それに見合う豪華な作りとなっていた。入場料として銀貨1枚を払わなければいけないが、問題を起こさなければ半分は返してもらえる。


図書館の中は外観通り広いが閲覧スペースの奥には背の高い本棚がズラリと並んでおり、狭く感じる。壁際には個室もあり、予約するか空いている時に受け付けへ申し出れば使用可能だ。。本棚や机は華美な装飾がされており、蔵書量も圧巻だが、ユーラが1番驚いたことは本が宙に浮いて移動している事だった。


浮いた本は出入口近くのカウンターにいる司書の所へ飛んでいき、利用者に渡されていたり、利用者から渡された本が本棚に戻っていったりしている。貸し出しはされておらず、本を受け取った利用者はそのままテーブルへ行き読書をはじめている様子だった。


ユーラも多くの本棚から目当ての本を探しだす自信が無かったためとりあえずカウンターへ向かう。



「はい、こんにちは。なんの本をお探しでしょうか。」



「えー…と、ジョブについての本と、神様?についての本ってありますかね?」



「そうですねぇ…………..。ジョブ辞典と創世物語、という本がございますねぇ。題名の通り今までに発見、解明されているジョブが載っている辞典と、この世界の成り立ちを描いた御伽噺です。いかがですか?」



ユーラが「それでお願いします。」というと司書が集中するように目を閉じる。すると先程見たように本がフワフワと浮遊し、司書の前に積み上がる。本の題名を軽く確認すると司書はユーラに「どうぞ」と手渡す。おぉ〜と心の中で感心しながら受け取ったユーラはさっそく閲覧スペースへ向かい読書を始めた。



3時間程読み進めた結果分かった事として。



まず、この世界には創世神がおり、創世神が四方を守る神と1つの大きな大地を生み出した。その後、四方を守る神がそれぞれの眷族となる人類を生み出した。北の天使、南のドワーフ、西のエルフ、東の人魚。


それらの種族は元祖種と呼ばれ、交わりながら平和に暮らし、様々な種族が生まれて行った。そして全種族の特徴が平均的に現れた種族が人族なのだという。そのため人族へ至る種族が増えていき、現在では大陸のほとんどが人族で占められており、純粋な元祖種は徐々にその姿を見せなくなっていった。

こうして人間がうまれ、国を作っていったのだった。



と、話は締めくくられる。ユーラは、想像以上に人魚という種族が珍しい、というよりいまや現存していないものという扱いを受けている事に驚いていた。大人達はそこそこ遊びに来ているらしいし、地上に残っている人もいると聞いていたので前世のファンタジー物と同じような(捕まれば奴隷とかにされるかもしれないけど交流はある)存在だと思っていたのだ。


少し珍しいとは思っていたので種族はなんとなく隠していた事がファインプレーだったと知り冷や汗が流れるユーラ。「なんでみんな教えてくれなかったの?!」と内心パニックになっているが地上に興味を持たなかったユーラの自業自得である。知らない事に興味津々な子の反応が薄いなら既に誰かに教えてもらってると思うだろう。ともかく、自分が人魚だということは絶対にばれてはいけないという事が分かった。



ジョブ辞典では、最初にジョブについての解説ものっていた。


創世神は四方の神にそれぞれ権能を与えた。南は闘争心と武力を、北は執着心と商才を、西は探究心と魔力を、東は好奇心と芸才を。


ジョブとは人類に宿った四方の神の権能の欠片を活性化してくれるものである。


神殿では創世神に主に祈るため平均的で日常で役立つ一般ジョブにつき、冒険者ギルドでは南と西の神にも祈るため戦闘や探索に関わる冒険者ジョブにつける。そして、商業ギルドというものもあり、そちらでは北と東の神の神にも祈り、商売や、芸に関わる商業ジョブにつけるとの事だった。


また、ジョブはその人が身につけていく技能によって変化して行くこともあり、それは神に努力を認められた証なのだという事も書かれていた。


先程、司書の人が本を本棚から取り寄せていたのも、一般ジョブの読書家や、商業ジョブの書記などから派生する司書というジョブが使えるようになる技能だった。


ユーラは自分のジョブ、声楽家についても調べた。声楽家は仲間、敵へのバフ、デバフを主に行うジョブであり仲間作りが必須のジョブである、と書かれていた。が、ユーラは自分へバフをかければいいんじゃないのかな?と首を傾げる。


歌は歌う人自身よりも聴いた人の方が心を動かされる、つまり影響力が高いため、元々他人に向けて使うものだったのだ。そして、地上にある呪歌はユーラの使う呪唄(カースソング)の元となる歌で、ユーラが使っている歌は人魚達が呪歌をアレンジし効果を特化させたものである。呪歌よりも効率がいい事に加え、ユーラも熱心に練習していたことにより、高い効果が得られている。また、ユーラは人魚のため、東の神の権能に影響され、芸術が関係する技能やジョブはより強化されるのだ。


人魚は伝説の存在の一つのため、そのような豆知識は本には書いておらず、ユーラがその事を知るのはまだ先の事である。


ともあれ、知りたかった情報を概ね調べ終わったユーラは本を司書へと返却し、長時間の読書で凝り固まった体を「う〜〜ん!」と伸ばしながら図書館を後にした。

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