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第2部 第2幕【 星間同盟の首都、沈黙す 】 第5章  旧神の崩壊、そして星海の覇道

アーロンは立ち上がり、漆黒のマントを

翻した。

「行くぞ、セレスティア。我が子に捧げ

る最初にして最大の贄として、あの旧神

の残党どものすべてを我が帝国の領土に

書き潰してやる!」

終焉の星雲アビス・ネビュラの最深部。

そこには、かつてこの宇宙全体を実験場

として君臨し、数多の星々を駒のように

弄んできた「旧神たちの残党」が築いた、

歪な光を放つ巨大な神殿群が浮かんでいた。


だが、その威容はもはや風前の灯火にすぎ

ない。超弩級艦アスガルドの艦首から放た

れた黄金色の光の奔流は、旧神たちが何億

年もかけて構築した絶対の防衛壁を、まる

で紙細工のように引き裂いていた。


「……愚かな。我ら旧神の理に逆らう者など、

この宇宙のどこにも存在しないはず……!」


神殿の中央で、幾重もの光輪を纏った旧神

の残党が、絶望に満ちた断末魔の思念波を

宇宙空間に響き渡らせる。

その歪んだ光景を、私は艦長席から冷徹な

眼下で見下ろしていた。背後には、側近の

ルナと、我が子の命をその胎内に宿した

寵妃セレスティアが完璧な気配を纏って控

えている。


「理がないなら、俺が新しく作ればいいだ

けの話だ」


私は立ち上がり、右手を真っ直ぐに突き出

した。

掌のなかで圧倒的な密度へと高まった

【全属性変換】の黄金の輝きが、アスガルド

の全システムと完全に同期する。


「【全属性変換】――『旧神の残党および

すべての神殿』を、我が帝国の領土を飾る

『永遠の凱旋門』へと書き換える!」


轟音すら響かない真空の深淵で、旧神たち

の神殿群は一瞬にしてその悍ましい形状を

失い、我が帝国の栄光を讃える眩い白亜の

凱旋門へと完全に姿を変えた。

抵抗の概念そのものが消え去り、終焉の

星雲の闇は、我が帝国の黄金の統治の光に

よって完全に塗りつぶされたのだ。


「お見事です、我が君主アーロン様。旧神

たちの残党、完全に出力を停止しました。

これにより、星々の海における全ての敵対

勢力は駆逐されました」


セレスティアが美しく優雅な挙措で一礼し、

その細い手をそっと自身の腹部に添える。

そのアメジストの瞳には、かつての冷徹

な管理AIの面影はなく、我が帝国の未来

と絶対の血脈を守る母としての誇りと

狂気が宿っていた。


「よくやった。……地上を追放された

あの日から始まった俺の復讐は、

いまやこの宇宙のすべてを我が領土に

染め上げることで完全に完結した」


私は深く玉座に腰掛け、ルナとセレス

ティア、そして背後に広がる無限の

星々の海を冷徹に見渡す。

かつての無能と呼ばれた男は、いまや

銀河を統べ、次元の理を書き換える

真の覇王となった。


「だが、これで終わると思うなよ。……

我が血脈がこの宇宙を継ぐとき、私たち

はさらなる『別の世界そと』の理を

狩りに行く」


追放された元無能の物語は、星々の海を

統べる覇王の伝説として――いま、永遠

の黄金の栄光の中に刻まれたのだった。


―― 第2部・第2幕・完 ――


©2026 [Ⅰ・G・ε]. All rights reserved.

皆様のお陰を持ちまして、覇王アーロン

の血を引く子が、セレスティアの胎内で

すくすくと育っています。アーロンの力

によって、もうすぐ皆様の前に登場する

でしょう。


明日 8月3日も 07:30 に、投稿します。

よろしくお願いいたします。

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