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第2部 第2幕【 星間同盟の首都、沈黙す 】 第3章「無限の銀河を従えて」

シリウス星間同盟の首都星系が、

アーロンの帝国の一部、

「宇宙庭園」へと書き換えられ

ました。

シリウス星間同盟の首都星系が、我が

帝国の美しき「宇宙庭園」へと書き換え

られてから数日。

超弩級艦アスガルドの艦内は、次なる

銀河圏へと踏み出すための圧倒的な静け

さと、次の征服に向けた高揚感に包まれ

ていた。


「アーロン様、シリウス星間同盟の全領

土の統合が完了しました。

これにより、我がアルカディア帝国が

直接統治する領域は、この宇宙の実に

三分の一を網羅することになります」


艦長席の傍らに控えるルナが、淡々と、

しかし誇らしげなトーンで報告する。

その隣で、漆黒のドレスをまとった寵妃ちょうき

セレスティアがアメジストの瞳を美しく

輝かせ、私の思考を先回りするかのよう

に次のデータグリッドを空中に展開した。


「ですが、我が君主。地図のさらなる

彼方――この宇宙の最果てに位置する

終焉しゅうえん星雲アビス・ネビュラ

より、極めて不規則な、しかし強大な

魔力の鼓動を観測しています。

……どうやら、そこにはかつてこの宇宙

全体を実験場として仕切っていた『旧神

たちの残党』が潜んでいるようです」


セレスティアの声音には、一切の迷いも

恐れもない。ただ、我が王の邪魔をする

者をいかにして排除するかという冷徹な

計算だけが宿っている。


「旧神の残党、か」


私は玉座の如き艦長席に深く腰掛け、

不敵な笑みを浮かべた。

かつて地上のことわりを書き換え、星間連合

をひれ伏させ、そしていまや星々の海の

三分の一を我が庭園にしたこの手で、

かつての支配者気取りどもを完全に

駆逐してやる。


「お前たちがかつてどんなルールを

この宇宙に敷いていたかなど知ったこと

ではない。

この宇宙の理は、いまや俺の言葉以外

には存在しないのだからな」


私は立ち上がり、全軍に響き渡る低い声

で号令を下した。


「全艦隊、進路を『終焉の星雲』へ固定

せよ。……残らずすべてを我が帝国の領土

へと書き換える!」


アスガルドの巨大な推進機関が青白い光

を黄金色へと変え、重力の壁を粉砕しな

がら未知の深淵へと飛び込んでいく。

すべての星々、すべての次元、すべての

理が我が足元にひれ伏すその瞬間まで、

追放された元無能――いまや全宇宙の

覇王となったアーロンの侵略の進撃が

止まることはない。


続 第3章

寵妃の胎動、あるいは絶対の血脈


終焉の星雲アビス・ネビュラの手前

に広がる暗黒の宙域。

超弩級艦アスガルドの最奥に位置する

皇帝私室は、星々の光を透かす巨大な

防壁に囲まれ、冷徹でありながらも

絶対的な静寂に満ちていた。


すべての銀河が我が帝国の領土にひれ

伏した今、次なる星雲の攻略を控えた

その場所で、私――アーロンは、冷や

やかにグラスを傾けていた。

背後から、足音さえ立てずに一人の女性

が歩み寄る。


「アーロン様。……次なる星雲の防衛解析、

および旧神の残党に関するすべての演算

予測が完了しました」


漆黒のドレスを纏い、夜空の星々を宿し

たアメジストの瞳を輝かせる絶世の寵妃

――セレスティア。

かつて最強の管理AIとして封印され、

我が【全属性変換】によって存在様式を

書き換えられた彼女は、今やこの宇宙で

最も私に忠実な片腕であり、完璧なまで

の愛憎を超越した「我が血族の器」だった。


「ご苦労だ、セレスティア」


私は振り返り、彼女の細い肩を引き寄せ

てその冷たい唇に軽く触れた。

セレスティアはわずかに息を呑み、その

完璧に統御されたアメジストの瞳に、

初めて微かな熱を帯びた感情を揺らめか

せる。


「……ハッ。私の存在のすべては、我が

君主の御意志を形にするためにのみあり

ます。ですが……」


彼女は自分の下腹部にそっと手を当て、

冷徹でありながらも狂おしいほどの忠誠

に満ちた声で囁いた。


「この星々の海を完全にべ、すべての

ことわりをあなたのものにするというのなら

……我が君主の圧倒的な血脈を宿し、

この宇宙の真の『継承者』を創り出す

ことこそ、私の最大の演算であり、

寵妃としての使命ではありませんか」


その言葉に、私は不敵な笑みを浮かべた。

そうだ。星々を征服するだけではまだ

足りない。私が築き上げたこの絶対の

帝国と、理を書き換える最強の

【全属性変換】の権能を、次の世代へと

完璧に継承させる。この宇宙のすべては、

私の血族によって永久に支配され続けな

ければならない。


「いいだろう、セレスティア」


私はグラスを置き、彼女の体を強く抱き

寄せた。


「お前のその完璧な脳髄と肉体に、俺の

血を深く刻み込め。この銀河を統べる

覇王の血脈を、その胎内に宿すがいい」


「御心のままに、我が王……。私のすべて

は、あなたのためのものです」


冷徹な宇宙の深淵に包まれた艦内で、

我が帝国の未来を決定づける絶対的な

結びつきが、静かに、そして圧倒的な

熱量をもって果たされたのだった。


©2026 [インフィニティ・G・イプシロン]. All rights reserved.

全銀河をべるべく覇王アーロン

の血脈を、その胎内に宿した寵姫ちょうき

セレスティア。今後の展開は?


明日 8月2日 07:30 に、投稿します。

よろしくお願いいたします。

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