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第10話「絶対平定と次なる影」

第7部 vs EL DORDO編

セクター・アルファ- 9


かつて

El Gordo(エル・ゴルド)

本隊が

展開していた巨大な艦列や、

異次元要塞砲の残骸は

跡形もなく消滅し、

静寂を取り戻した宙域には

ただ冷たい星々が輝いていた。


「セクター・アルファ- 9

 全域における

 敵動体反応の皆無を確認。

 残存艦艇の

 散乱信号、完全に途絶。」


吾郎軍・統合参謀本部。


超量子情報演算参謀部の

『ITα-1』が、

無機質かつ正確なシード値を

0.0001秒単位で更新し、

戦域の平定ログを出力する。


実務運用参謀部長の

『ASα-1』は、

光彩センサを

規則正しく明滅させ、

静かな音声で

指示をまとめた。


「全戦域の索敵網を

 維持。……

『ITS α』による

 空間格子スキャンを

『掃討・維持モード』へ

 移行。

 可視化された平定データを

 吾郎司令官へ送信せよ。」


吾郎軍・

『超弩級戦艦アスガルド α 』

司令室。


「司令官。

 セクター・アルファ- 9 に

 おける敵本隊の

 完全平定が完了いたしました。

 全宙域の空間構造、

 正常値へと回復しております。」


専属副官が静歩で

吾郎に歩み寄り、

ホログラム端末に

青く澄み渡る宙域図を提示した。


吾郎は腕を組み、

眼差しを戦術図に向けたまま、

落ち着いた声で応じた。


「セクター・アルファ- 9 の圧迫は

 これで完全に排除されたな。

 シルヴィア軍との重層連携、

 ならびに『ITS α』『ITS ε』の

 精度向上……成果は十分だ。」


吾郎は一度言葉を切り、

戦術図の

さらに深遠なる外縁部へと

視線を移した。


「……だが、El Gordoが

 何ゆえこれほどの

 巨万の数を集約しえたのか。

 旧王国残党の介入を含め、

 後方に蠢く真の供給源(ソース)についての

 解析を急がせなさい。」


「了解いたしました。

 ITα部にて

 敵の残存空間通信の

 深層解析を進めます。」



同刻、


全軍統率の要たる

覇王レグナの総旗艦。


「……レグナ様。

 吾郎軍より

 セクター・アルファ- 9 の

 完全平定、ならびに

 戦力再編完了の

 即時ログが入りました。」


左副官役のAI・rℓが、

S-オムニス経由の

美しい最新戦果ログを

空中へ可視化し、

右副官役のAI・rrが

続いて

厳粛な音律で言葉を重ねる。


「前線の安全は

 完全に確保されました。

 敵残党の再集結の

 兆候、現在ゼロです。」


思索の座から

戦術図を見下ろす覇王レグナは、

重みと静かな威厳を湛(たた)えた声音で

呟(つぶ)いた。


「見事だ。

 吾郎とシルヴィアの手腕、

 そして前線全軍の

 機能美に揺らぎなし。」


レグナの眼光が

わずかに鋭さを増す。


「……だが、

 父上を追放した

 亡者どもが頼りとした

 El Gordoの深部に、

 いまだ開かれぬ

『未知の空間歪曲領域』が

 存在するとの報告がある。

 後顧の憂いが絶たれている今、

 我らが退く理由などどこにもない。」


「御意。

 超量子索敵ネットワーク、

 さらに深遠宙域へ向けて

 展開いたします。」


rℓとrrの光彩が

静かに明滅する。


後方絶対拠点

「フェニックス銀河団」にて

厳(おごそ)かな威厳をもって

見守る聖王アーロン。


アルカディア本国の

「聖宮」にて

澄んだ声をもって

国の絶対なる守護を固める

総司令官セレスティア。


2大絶対拠点の

完璧な守護のもと、

前線のレグナ総帥と

吾郎・シルヴィア・

ジュエダンら3軍は、

El Gordoの背後に潜(ひそ)む

「真なる深淵」を平定すべく、

新たなる作戦シークエンスへと

歩みを進めるのだった——。




【 宇宙小話 】


「タイムトラベル——

 時空をかける宇宙の抜け道」


昔からSF小説や映画で大人気の

「タイムトラベル」。


過去に戻ったり

未来へ行ったりする

夢のような話だが、

アインシュタインの

「相対性理論」によれば、

未来へ行くタイムトラベルは

科学的にすでに

可能なことが

分かっているという。


物体のスピードが

光の速さに近づくほど、

また

重力が強くなるほど、

その場所の

「時間の進み方」は

遅くなるらしい。


例えば、

ブラックホールの近くや

光速に近い宇宙船の中で

しばらく過ごして

地球へ戻ってくると、

自分は数年しか

歳をとっていないのに、

地球では数百年が

過ぎている……

という現象が起きるという。


つまり、事実上の

「未来へのタイムトラベル」だ。


では、

「過去」へ戻ることは

できるのだろうか。


理論上、

時空が歪んで

宇宙の2つの場所を

近道でつなぐ

「ワームホール」という

抜け道が存在すれば、

過去へ渡れる可能性が

あると考えられている。


ただし、

過去を変えると

歴史が矛盾してしまう

「タイムパラドックス」の

問題など、

解決すべき壁は山積みだ。


時間は

一方通行で流れる

川のように見えて、

実は伸び縮みする

不思議な存在。


今この瞬間も、私たちは

地球という宇宙船に乗って、

1秒ずつ

「未来」という

未知の旅先へ

向かっているのかもしれない。

明朝 7:30 に投稿します。


【星屑と覇道の叙事詩】


「追放の過去と全属性変換

      (不屈の覚醒)」


「役立たず」の烙印を押され、


王都を追われたあの日


絶望の底、


死の静寂が包む荒野で


胸に宿した誓い


理不尽な世界を絶望ごと覆し、


無から有を生む


真の王としての覚醒――


荒野(あれの)往(い)く 

孤独の果てに見出(みい)だせし

汝(なんじ)の微笑(ほほえ)み

我が救いなり



冷たく凍てついた漆黒の闇を、


黄金の光が塗り替えていく


あざ笑う者たちの


愚かな野望を粉砕し、


世界の理をこの手に引き寄せた


【全属性変換】の


奇跡が織りなすのは、


誰も追いつけぬ絶対の軌跡――



金色の 奇跡に抱かれ 生きとしの

命のすべて 君に捧げん



復讐の悲哀など


疾うに超え、


ただ愛する者たちのための


理想郷を築く


セレスティアの深い愛と


仲間たちの絆が、


荒野に命の樹を咲かせた


無敵の力は今、


ただ一つの尊き日常を


守るために振るわれる――



「マルチバースの円環と伏線(次なる神話の序曲)」


完成された平和の裏側で、


静かに同期を始める二つの光の粒子


次元の壁を穿(うが)ち、


数千光年の果てで重なり合う


「量子もつれ」の真実


完結を迎えた理想郷は、


更なる多次元宇宙(マルチバース)への


新たなる扉――



量子もつれ 遠く離れて 結ばれし

この心音を 君に届けん



無限に分岐する未来の果て、


まだ見ぬ平行世界で蠢く


もう一つの可能性


もしも異なる選択をした「敵」が、


次元の狭間(はざま)から現れようとも


レグナの掲げる刃と父の権能に、


一切の躊躇(ためら)いなど存在しない――



届き来る 汝の鼓動を聞くたびに

世界(よ)の理(ことわり)は 我が心なり



どれほど果てしない


次元の海が広がろうと、


終着点はいつだって


「ここ」にある


絆の糸に導かれ、


新たな運命の歯車が


静かに音を立てて動き出す


幕を閉じた神話の向こう側へ、


私たちは迷わず歩みを進めていく――



新しい 扉の向こう 響く歌

君と共鳴す 未来の調べ

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