↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
124/156

第8話「漆黒の迎撃態勢」

第7部 vs EL GORDO 編

「ITα部、

 S-オムニスを介して

 敵の重力収束波の

 チャージ軸を

 完全に特定せよ。

 ASα部には、

 シルヴィア軍の

『超弩級戦艦アスガルドε』

 および

『ITS ε』との回線を開かせよ。

 敵が砲撃の引き金を

 引くその瞬間、

 そのエネルギーを逆流させる。」


「了解いたしました!」



同刻、


側衛宙域に展開する

シルヴィア軍。


『超弩級戦艦アスガルドε』の

司令室にて、

凛(りん)とした佇(たたず)まいの

女性司令官シルヴィアは、

報告を聞きながら

静かな

威厳を湛(たた)えた声を響かせた。


「敵の要塞化と

 大質量砲撃の企て……

 吾郎軍の動きと

 完全に同期する。

 参謀部(ASε部・ITε部)、

 および『ITS ε』の

 全エネルギー回線を

 吾郎軍の

『ITS α』へ直結しなさい。」


「了解。

 S-オムニス経由の

 超量子リンク、完全同期完了」


シルヴィア軍の

銀白の艦群から放たれる

高精度な

位相制御パラメータが、

吾郎軍の青い防衛網と

美しく重なり合う。


二大軍勢が一体となった

強靭な包囲網は、

El Gordoが築こうとする

巨大要塞の周囲を、

まるで

不可視の罠(わな)のように静かに、

かつ確実に締め上げていった。


その頃、

総旗艦に座す覇王レグナは、

静まり返ったブリッジで

二機のAI副官から

差し出される最新の

作戦ログを見下ろしていた。


「……レグナ様。

 吾郎軍ならびに

 シルヴィア軍より、

 敵の新陣形に対する

 逆迎撃作戦の

 立案データが届いております。」


左副官役のAI・rℓが

立体ログを提示した。


「両軍の『ITS α』および

『ITS ε』は完全同調。

 敵の重力収束砲の

 チャージ完了と同時に、

 内部からの

 位相逆流爆破を

 執行する構えです。」


覇王レグナは

重厚な声音で短く頷いた。


「よし。

 吾郎とシルヴィアに

 任せておけば間違いはない。

 敵が

 どのようなあがきを

 見せようとも、

 我が聖国の

 秩序の前には

 只の烏合(うごう)の衆に過ぎぬ。」


前線のレグナ総帥、

そして両軍の

司令官たちが仕掛ける

次なる一撃は、

El Gordoの命運を

完全に断つための

静かなる処刑の

カウントダウンを始めていた——。



セクター・アルファ-9。


覇王レグナ総帥(そうすい)の怒号と

2万隻の駆逐艦による

一斉射撃が残した衝撃の余波は、

El Gordo(エル・ゴルド)の

中央本陣へ

絶望的な沈黙をもたらしていた。


旧王国の残党が

文字通り宇宙の塵(ちり)と消えた光景は、

数のみを頼みに進撃してきた

敵軍の士気を完全に砕(くだ)いていた。


「……敵本陣、

 全面的な

 全方位後退行動を停止。

 各宙域において、

 防衛陣形の再構築

 および重力砲の

 充填(じゅうてん)シークエンスを確認」



吾郎軍・統合参謀本部。


超量子情報演算参謀部の

『ITα-1』が合成音声で

敵の微小な挙動の変化を

拾い上げる。


実務運用参謀部長の

『ASα-1』は光彩センサを

一定の周期で点滅させ、

実務ラインの分析結果を出力した。


「敵は

 個別の突撃による

 力押しを断念。

 今度は

 セクター全域を要塞化し、

 超長距離の

 重力収束砲による

 一斉飽和攻撃へ

 移行する構え。……

 ただちに

 予測迎撃データを

 吾郎司令官へ送信。」



吾郎軍・

『超弩級戦艦アスガルドα』

司令室。


「司令官。

 参謀本部

(ASα部・ITα部)より

 緊急の

 分析データが届きました。」


専属副官が

ホログラム空間に展開された

敵の要塞化陣形を指し示す。


「El Gordo本隊は、

 セクター・アルファ- 9 の

 全外縁に

 重力固定アンカーを打設。

 全艦艇を連結し、

 恒星級に匹敵する

 超巨大重力収束砲の

 構築に入っております。

 発射までの猶予、

 およそ12標準時。」


吾郎が

重みのある声で応じた。


「数で押せぬと見るや、

 今度は

 宙域そのものを

 要塞に変えて

 大質量砲撃で

 焼き払う算段か。……

 だが、

 どれほど巨大な砲であろうと、

 充填プロセスにおける

 エネルギーの歪みは隠せない。」


吾郎は

落ち着いた眼差しを

戦術図に向け、

明確な下命を下した。


「ITα部、

 S-オムニスを介して

 敵の重力収束波の

 チャージ軸を

 完全に特定せよ。

 ASα部には、

 シルヴィア軍の

『超弩級戦艦アスガルドε』

 および

『ITS ε』との回線を開かせよ。

 敵が砲撃の引き金を

 引くその瞬間、

 そのエネルギーを逆流させる。」


「了解いたしました!」



同刻、


側衛宙域に展開する

シルヴィア軍。


『超弩級戦艦アスガルドε』の

司令室にて、

司令官シルヴィアは、

報告を聞きながら

声を響かせた。


「敵の要塞化と

 大質量砲撃の企て……

 吾郎軍の動きと

 完全に同期する。

 参謀部(ASε部・ITε部)、

 および『ITS ε』の

 全エネルギー回線を

 吾郎軍の

『ITS α』へ直結しなさい。」

明朝 7:30 に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。