第24話「第7部 vs EL GORDO編 へ」
第6部
「責めるつもりなど毛頭ない。
ギガルの重力レンズと
空間歪曲は、
既存の概念や
個別の演算処理では
防ぎきれぬものだ。……
ゆえに、我は来たりた。
我が至高の権能をもって、
そなたたちの力を
神域へと引き上げるためにな」
アーロンが
静かに右手を掲げると、
その掌から
果てしない光の波動が
解放された。
【全属性変換】——。
万物の組成、質量、エネルギー、
そして
宇宙の物理法則そのものを
再構築する聖王の神威が、
フェニックス銀河団全体を
包み込んでいく。
アーロンの光は、
三人が率いる双艦
『アスガルド α(アルファ)』
『アスガルド ε(イプシロン)』
『アスガルド ∞(インフィニティ)』
の基幹システムへと
直接滑り込んだ。
そして、
各艦に搭載されていた
最高司令 AI を、
瞬時に神域の超知能へと
昇華させていく。
『——超量子知能
S-オムニス(S-Omnis)、
各双艦への移植・同期完了。
時空歪曲補正プログラム、作動』
重厚で透き通るような合成音声が、
三人のブリッジに響き渡った。
「これが……
『超量子知能 S-オムニス』……!」
吾郎は手元のITS α の画面を見て、
息を呑んだ。
先ほどまで
10万分の1単位で
狂い続けていた
空間座標のノイズが、
S-オムニスの起動と同時に、
完璧な精度で
リアルタイム補正されていく。
ギガルがどれほど
空間を捻じ曲げようと、
S-オムニスが
瞬時にその歪みを解析し、
正しい「事実」の座標を
弾き出してみせるのだ。
「さらに、
そなたたちの双艦に従う、
新たなる手足を与えよう」
アーロンが再び
【全属性変換】の
御手を振るうと、
三人の双艦の周囲に、
凄まじい光の粒子が
収束を開始した。
暗黒物質と
星間ガスが
素粒子レベルで再構成され、
姿を現したのは、
それぞれの双艦に付き従う
数十万隻の『神威級超戦艦』。
そして、
その巨艦群を取り囲むように、
無限の星屑のごとく展開される
数億隻の
『フェンリル級無人駆逐艦』
であった。
その全ての末端艦に至るまで、
超AI・S-オムニスの端末が
宿されている。
数億の駆逐艦と数十万の戦艦、
そして司令塔である双艦が、
超量子通信によって
完全に一つの思考を共有する。
戦略立案、戦術転換、作戦遂行、
そして
ギガルの重力レンズを相殺する
多次元連携——それら全てが、
思考のラグすら無く
自動完結する、完璧な
『不滅網』
がここに完成したのである。
「なんという……
なんという圧倒的な軍事体系……!
全ての駆逐艦に至るまで、
S-オムニスで直結されている
というのですか……!」
ジュエダンが
その黄金のオーラを震わせて
感嘆の声を漏らし、
シルヴィアもまた、
輝く艦隊の群れに瞳を潤ませた。
「これならば……
ギガルが
いかなる不気味な歪みを
持ち込もうと、
私たちは決して屈しません!」
アーロンは
弟子たちの成長と
決意を頼もしく見つめると、
全宙域へ向けて、
威厳に満ちた大命を発した。
「重厚なる
フェニックス銀河団の民、
そして
我が誇り高き兵たちよ、
聞くが良い!」
アーロンの力強い声が、
数千億の艦艇、
そして
銀河団のあらゆる星系へと
響き渡る。
「この広大な
フェニックス銀河団は、
俺が守る。
これより、
覇王レグナを
全軍の総司令官と仰ぎ、
全軍、
寸分の隙もなき
臨戦体制を固めよ!」
『ハッ……!!』
吾郎、
シルヴィア、
ジュエダンの声が重なり、
そして
新造された数億の
艦隊から発せられる
S-オムニスの応答光が、
フェニックス銀河団の暗闇を
完璧な希望の光で押し返した。
後顧の憂いを絶つべく、
帝都を守護するセレティア。
至高の武意と
S-オムニスを携え、
全軍の総司令官として
君臨する覇王レグナ。
そして、
神臨した聖王アーロンと、
新たな鉄壁の翼を得た
三人の弟子たち。
聖国ルネサンスの全威光と
至高の軍事体系が、
ついにここに完成した。
「来い、El Gordoの怪物ども。
我が聖国の
理と美しき秩序の前に、
その歪みを破砕してやる」
アーロンの静かな呟きとともに、
物語はついに
新たなる激闘の章——
第7部「vs EL GORDO編」へと、
静かな突入を果たすのだった。
読んでくださってます方々に篤くお礼申し上げます。
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只今、第7部を構想しております。
10/15 7:30 に、第7部 第1話を
投稿予定です。
よろしくお願いいたします。




