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6-41

 遅めの昼食と片づけを済ませて一息吐いた後――


 ドロプウォートが改まった様子で、

「さぁて」

 チィックウィードを傍らに残して立ち上がり、イリスの下に歩み寄ると、

「イリィ、少々お話がありますの。ちょっとお付き合い願えます?」

 その真剣な眼差しに、


((((!!!))))


 ついに「その時が来た」と思う女子組と、そろそろ誘いが来ると思って居た素振りで、

「あぁ構わないさぁね」

 二言返事で立ち上がるイリス。


「ラディ、悪りぃが、ちょっと二人で席を外すよ」

「え?! う、うん……」


 ラディッシュが不安げな顔をすると、ドロプウォートがすかさず「心配するな」とでも言いたげに、


「二人だけではありませんわ」

「へ? そぅなのぉかぁい?」


 意外そうな顔をする彼女を横目に、

「ニプル、パスト、カディ、貴方たちも来て下さる?」

「「「…………」」」

 恋敵としての「決着の時」を感じた三人も無言で立ち上がると、当然、


『チィもぉ!』


 チィックウィードも手を挙げ立ち上がったが、ニプルウォートは皮肉を交えたからかい笑いで、


「もう少しぃ「チチとケツ」がデカくなったらなぁ~♪」

「むぅうぅ!」


 ムクレっ面する彼女をニッと笑い、


「ほいじゃぁ「大人の女同士」で行こうかねぇ~♪」


 軽口を叩いて森の奥へと歩き始めたが、その心の内では、

(悪りぃねぇ、チィ。女同士のケリのつけ合い。子供にゃぁ、ちょいと見せたく無いのさぁ)

 同じ気持ちの女子四人も無言で後に続き、残された男子二人と、仏頂面した幼子一人は、


「「「…………」」」


 訳も分からず、黙って見送るしかなかった。

 ただならぬ気配であるのは感じて。


「だ、大丈夫……だよねぇ?」


 自らに言い聞かせるような問いを漏らした一方で、ターナップはさほど心配していない口振りで、

「まぁ、腹が減ったら帰って来るんじゃないスかねぇ?」

(そんな犬、猫じゃあるまいし……)

 不安を募らせる彼を横目に「絶賛ヘソ曲げ中」のチィックウィードの傍らに屈むと、


「なぁチィ坊、ただ待ってるのヒマだろぅ? オレと何かして遊ぶかぁ♪」


 宥めすかして御機嫌取りをしていた頃、元居た場所から「十分な距離を確保出来た」と判断したニプルウォートは足を止め、

「…………」

 やおら振り返り、


「ここならどぅさ、ドロプ? これだけ離れて視界も木で遮られてりぁ?」


 余談許さぬ空気を纏った物言いに、ドロプウォートも硬い表情で足を止め、

「えぇ、良いですわ」

 改めて、真剣な眼差しでイリスを見据え、


「イリィ」

「おぅさ」


 彼女も動じる様子も無く、真っ直ぐ見返したが、腹の中では、

(あんなぁ飯しか取り柄の腰抜け勇者の、「何」が、「そんなに」イイのかねぇ?)

 この集まりに「茶番」を感じていた。

 しかし、その一方で、


「「「「…………」」」」


 決着の覚悟を以て、この場に立つ他の女子達。

 張り詰めた空気の中、ドロプウォートが凛とした表情で、


『フルールに着く前に、ハッキリさせておきたい事があるのですわ』


 女子会が緊張感に包まれていた頃、荷馬車では「ぬいぐるみ」を手にしたターナップが、


『チガウなぉ! タープぅは、ぜぇんぜぇんわかってナイなぉ!』


 チィックウィードから、何かしらの「厳しいお説教」を受ける真っ最中。

(オレぁ何でぇこんな事になっちまったんだぁ~?!)

 心の中で嘆く彼は事の起こりを思い返し、後悔と言う名の「困惑顔」をした。


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