8.片鉄銃騎
そして「ピン」という音とともに、会場全体が光明を取り戻した。
尋夢、尋夢はどこに。
マグシンは慌ててあちこちを見回し、横目がふと自分の肩越しに、振り返ってその影を見た。
その目測でカックリーよりまる二つ頭分高い、まるで天井から垂れ下がってきたかのような黒い影は、逆光の中で一本のまっすぐな輪郭を切り出していた。革製の黒いジャケットは新しい光源の波長のほとんどを吸収し、肩線だけが刃のように鋭かった。下半身は同色のタイトな皮パンツ、裾は黒い戦闘ブーツの筒に収められ、靴底は厚く、しかし音もなく展示エリアの床のガラス片を踏みしめていた。全覆式のサングラスが彼女の上半分の顔を覆い、レンズは不発の銃腔のように漆黒で、フレームの下に覗く下顎の線はナイフの背のようにシャープで、灰色の長い髪とつながっていた。
どうやら非常に不機嫌そうだった。
彼女の右手は体側に垂れ、指は微かに曲がり、何も持っていなかった。
左手――マグシンの視線はその腕を追って下へ移動した――左手の五指は小さな子猫を掴むように、自分の襟と後襟の間の布地をつまんでいた。
そして少女の身体は空中に緩やかな放物線を描いた。花壇に落ち、花壇の枝が彼女の下で細かな折れる音を立て、花びらと砕けた葉が彼女の身体の両側から飛び散った――まるで一発の散弾が花壇に命中したときに炸裂する粉のように。
彼女の脚はスカートの裾から高く伸びていた。
黒いストッキングに包まれたふくらはぎが灯りの中で弧を描き、足先はピンと伸び、かかとは天を向いていた。スカートの裾は風に吹かれた傘布のように捲れ上がり、腿の中ほどから下の部分――そして腿の付け根のあの小さな一片の、白い、細かいレースの縁取りが施された布地を露出させた。レースは薬莢の断面の模様、一圈一圈の同心円、中央に小さな丸点――雷管。
「お前には一切の興味はない。だから邪魔をするな」
しかし彼女の右手が一発の撃発された弾丸のように飛び出し、五指がスカートの裾の縁を掴み、膝の方向へ一気に引っ張り、あの小さな一片の白いレースをしっかりと覆い隠したことから、特に問題はないようだった。
あの蒼灰色の狼耳が微かに角度を変え、カックリーの方へ向けられた。サングラスの奥の視線は捉えられなかった。
そしてカックリーは……彼女は後退しなかった。だらりと立っていた、ただだらりと立っていた:首を傾げて、目の前のこの自分より二つ頭も高い黒い服の女を見つめていた――しかし目つきはだらりとしていなかった! 赤い同心円の瞳孔は強い光の中で極細の二本の環に収縮していた!
そして彼女の視線は約二十センチ下へ移動し、あの黒い服の女が皮ジャケットの襟元から覗かせる、黒いタートルネックの下の鎖骨の位置に止まった。一秒。
また約十五センチ下へ移動した。ルシフィットほどではないが、それでも二つの風船だった。
「その皮ジャケット」カックリーの口元がほんのり上がり、セクハラじみた口笛を吹いた。「ボタン、はち切れそうじゃない! 」
二人はほとんど同時に、〇・〇一秒内に、後方宙返りし、勢いよく隣の破損した展示ケースから適当に銃を一丁取り、距離を取った!
不発! 腔線詩篇!
そしてカックリーはそのとき思い出した。
「不発」には照準器がない。
(「Holy,shit! 」)
向かい側、女殺し屋は眉をひそめた。明らかにこの銃は少し脆すぎる。しかし堅固魔法をかければ何とかなるだろう。
(うん、まあそんなところだ。)
非常灯帯の惨白い光がドームから切り落とされ、二人の間の地面を明暗交互の縞模様に変えた。
彼女たちの距離は約十五メートル。十五メートルは拳銃の交火の尺度では曖昧な数字だった――近すぎる、近すぎてどちらにも反応時間がないほど;遠すぎる、遠すぎて拳銃の散布が精密な射撃を困難にするほど。
しかしこの二人にとって、十五メートルの意味は距離ではなく、最初の一発が薬室を出る前に相手を読むための最後の時間だった。
まあ、なんとか、こんなもんで行こう。
そして再び同時に緊急制動:各自の後方と側方へ跳び散った、まるで二発の同時に撃発された弾丸が同じ薬室から反対方向へ飛び出したかのようだった。
第一発を誰が撃ったのか、誰にも特定できない。二人の銃声はほとんど重なっていた。
暗青色の光が闇の中で拳大の冷たい火を炸裂させ、すぐに銃身のコーティングに飲み込まれた。
オレンジ色の、捏ねられた火の玉が渦巻いてほとばしった。
弾丸は彼女たちの間のある点で交差し、衝突せず、それぞれの目標へ飛んでいった!
もちろんどちらも当たらなかった。理解できる、これはあくまで「探り」に過ぎない。次が本番だ。
不発が掌の中で九十度回転し、握把が虎口に嵌った瞬間、彼女の人差し指はもう引き金に乗っていた。照準器はない、しかし彼女には照準器も必要ない。
「――Geschoss」
一語の詠唱が彼女の歯の間から絞り出され、撃発。弾丸が薬室を離れる「ブーン」という音がドイツ語の語尾に飲み込まれ、暗青色の銃口焰は闇の中で〇・〇五秒も瞬かず、彼女のもう一方の手で捏ねた不完全な法陣を通過し、焰の形はまるで引き伸ばされた弾頭のように、黒い服の女が立っていた位置へ一直線に向かった。
黒い服の女は事前に調査済みだった。これがカックリー自身が生み出した特殊な戦闘様式だ:不完全な法陣を構築し、同時に長い詠唱の単一音節と不完全な法陣が共鳴補完し合う。これにより体力を節約し、継続的に敵と交火対決できる、面白いが非常に愚かな技術だった。
身体はその位置に〇・一秒まるごと留まった――そして弾丸が彼女の左胸を命中する直前の瞬間、足の裏が地面で半回転し、全身はまるで押し開けられた扉のように垂直軸を中心に三十度回転した。弾丸は彼女の左脇の下と上腕の間の隙間を通り抜けた。
「――Spur」
単語の母音がさらに狭く、舌先が上歯茎に当たり、気流が歯の間から押し出されるときに鋭い嘶き声を帯びていた。弾丸の弾道は薬室を離れた瞬間から変形し始めた――折れ線だ。飛行する一メートルごとに方向を変える。
黒い服の女の瞳孔はサングラスの後ろで、ほとんど見えない縦線に収縮した。左手が上がり、人差し指が空中に極小さな円を描いた。その円の軌跡は空気中に淡い金色の、半透明の光の痕跡を残した。三角が中央で乱れて広がり、弾丸が突然止まり、その主へ向かって真っ直ぐ飛んだ。
カックリーは左側へ頭を傾け、弾丸は彼女の右耳の耳介をかすめて飛び、彼女の背後で爆発した。
「法陣構築、手を使ったが、〇・三秒以内。あなたは一般人じゃない」
黒い服の女は応えず、左手を再び体側に垂らした。あの淡い金色の光の輪は空気中に〇・数秒留まり、まるで冷めていく星のように、そして消えた。
カックリーの身体は左側へ傾き、滑り出した。
白いニットの裾が地面を砕けたガラスの上を掃く、細かい、紙やすりが金属を磨くような音を立てながら、滑走中に連続して撃発した。一発一発の弾丸が薬室を離れるたびに極短い詠唱音節を伴った:「Ge―― 」、「Sp―― 」。
黒い服の女の黒い皮ジャケットは上げた両腕に伴って暗色の傘布のように膨らみ、両手を重ねて捻り、まるで開いた花のように、二本の金色の発光する糸が中央から咲き、交わり、身の前で奇妙な二重螺旋構造の盾にねじれた。
第一発目の弾丸がその二重螺旋構造の下端を撃ち、運動エネルギーが螺旋線に剥ぎ取られていき、まるで渦に落ちた小石のように、回転し、減速し、最後に螺旋構造の中心で停滞し、〇・一秒浮遊し、そして音もなく地面に落ち、爆発し、煙塵は螺旋に巻き去られた。第二発目は上端を撃ち、結果は全く同じだった。
二つの弾頭が黒い服の女の足先の前の水磨石の床に並んで置かれ、黄銅色の薬莢と鉛芯が灯りの中でくっつき合っていた。
カックリーはこの様子を見て滑走を止め、片手で地面を支え、全身を貼り付いた姿勢から弾き上げた。
「竜巻対戦車弾魔法、徒手構築、〇・五秒以内に完成、かなり古いタイプだけど、あなたは近衛騎士団の人間か、国王直属の暗桩のどちらかね」
黒い服の女がようやく口を開いた。四文字、頭をわずかに上げ、語調は標的紙の環数を読み上げるように平坦だった。
「片鉄銃騎」
カックリーの目が細められた――近衛騎士団第七席「凶騎」。
「第七席、大物じゃないか。それでお前は扳機市場に何をしに来たんだ?国王の年賀状を買いに? 」
片鉄銃騎はこの話題を引き継がなかった。右手が上がり、五指を広げ、掌をカックリーに向けた――掌の皮膚の上で、淡い金色の光紋が指先から手首関節へ向かって広がり、転がり、まるで薬莢の腔線模様が弾頭から雷管へ回転していくようだった。
カックリーの左手も白いニットのポケットから抜き出された。彼女の左手の人差し指の先には、極細の、暗赤色の光点が瞬いていた――それは彼女がさっきまで断続的に詠唱して組み合わせた法陣、彼女の本当の目的だった。
その暗赤色の光点が音もなく広がった。
同心円の光輪、赤紅色の、一圈また一圈……彼女の指先から離脱し、波紋のように三次元空間で拡張し、残像を残した。
「鎮暴制圧領域」
カックリーは誇らしげに笑った。
「私が自分で開発した」
しかしどうやら、何の効果もないようだった……否! 効果は観測しにくいのだ!
鋭い鉄騎はすぐに気づいた。カックリーの身体四周の煙塵は明らかにどんどん遅くなっている、ついには動かなくなった……そう! 通過した空間が減速させられている!
しかし彼女は後退しなかった。
右手は依然として五指を広げたまま、掌の淡い金色の光紋は指先から手首関節まで広がった後、さらに前腕方向へ這い上がり、高襟の黒いシャツの布地の下にかすかに暗金色の光を透かしていた。まるで溶けた金属を骨格の型に流し込んだかのよう。光紋が指節を這い、手の甲を這った。
堅毅で剛毅、無言のうちに冷たい鋼のような気場を発散していた。
カックリーは汗をかき、笑いながら下唇を噛み、八重歯が皮膚を刺した。
理由は以下の通り:
鉄騎は近衛騎士として、装備は間違いなく優れているはずなのに、それでも弾丸への付魔ではなく、身体への付魔という敵千人自損八百の方法を選んだ。これはこの魔法が強力な付着体を必要とするか、制御不能性が極めて大きいことを意味している。
尋夢でさえも感じ取れる――向かい側が大量の高純度魔素を注ぎ込んでいる――空気が震え、景色が歪む。このような代償の大きな魔法は必ず強力だ。
この鎮暴制圧領域は実戦で使用されるのは初めてであり、このような身体付魔系の魔法に効くかどうかは分からない。
明らかに、さっきまで片鉄は本気を出していなかった。今日は単なる探りなのか、それともこれから現れる魔法が全てを決することができるのか。
カックリーは歯を食いしばり、集中して、最初の赤い線が盾に接触するその瞬間を待った:〇・五メートル、〇・二五メートル、〇・一メートル――
そして側面から、巨大な黒い影が飛び込み、地面に落下し、鈍い巨大な音を立てた。
そう、一枚の天井板が落ちてきたのだ。さっきまで尋夢と戦っていた殺し屋を直撃した。




