4.失態
登録所の内部は外よりずっと賑やかだった。
ホール中央の待合エリアには、およそ四十人の小学生が座っていた。四十人。この数字は尋夢の大まかな見積もりだ――四列のプラスチック椅子、各列に十人ほど、誤差は二人以内。
四十人の子供たちが四十脚の銃床椅子に座っている。その光景だけでも十分に衝撃的だったが、本当に尋夢のこめかみをピクピクさせたのは、彼らの声だった。
「お前も撃発許可証を取りに来たのか?」「ママが言ってた、今日は人出が少ないって! 嘘つき! 」「先生先生先生先生――」「俺の弾鏈を引っ張るな! 」「お前の口径、いくつだ?」「俺の尻尾を踏んだ! 」「踏んでない! あと―― 」「踏んだ! 」「踏んでない! 」「踏んだ! 」「踏んでない! 」「踏んだ―― 」「お前たち二人、離れて座りなさい。今すぐ」
最後の一言は、濃い青色の作業着を着た女性からだった。彼女は二列の椅子の間の通路に立っていた。左手に弾倉の形をしたブリーフケースを提げ、右手には胸にぶら下げた銅製の笛を摘まんでいた――まだ吹いていない、ただ摘まんでいるだけだった。彼女の表情は「忍耐」と「もうすぐ忍耐しなくなる」の間にあった。
カックリーと尋夢は顔を見合わせた。整理券を取れ、急げ。
整理券発行機は入口の右側に立っていた。旧式の金属製の機械で、外観は縦にした弾倉のようだった。押すと澄んだ「カチッ」という音がした。弾丸の形をした番号紙が発券口から吐き出された。
A042。待ち人数 17 人。
「十七人」カックリーは番号紙を裏返して見た――裏は白紙だった。「全部あのクラスだ」
彼女は待合エリアの方へ顎をしゃくった。四十人の子供たちに、既に手続きを終えた子と手続き中の子も含めて。
二人は二つの空き席を見つけて座った。待合エリアの最も右側、壁際、小学生たちから五列ほど離れた位置。尋夢は壁側、カックリーはその左。座ってから、尋夢はこの距離が十分ではないと気づいた。
「――パパが言ってた、撃発許可証は所持許可証 より難しいって―― 」
「――お父さんはあなたを騙してるの。私のお母さんは撃発許可証が一番簡単って言ってた―― 」
「――お前の母ちゃんが嘘つきだ―― 」
「――お父さん―― 」
「――お前たち二人、四回目だ。もう一回言ったら笛を吹くからな」
カックリーは番号紙を二つ折りにし、さらに二つ折りにして、小さな四角に折りたたみ、白いニットのポケットに詰め込んだ。それから彼女は銃形スマホを取り出し、親指で画面を一撫でしてロックを解除した。画面の光が彼女の顔を照らし、あの赤い同心円の瞳に淡い青色の薄光を映した。彼女の親指は画面の上を高速で滑り、口元が時々ピクリと上がった。
尋夢はしばらく彼女を見て、それから視線をそらした。
待合エリアのプラスチック椅子はとても普通だった。座面は濃い灰色の防火板で、表面には細かい滑り止めの溝があった。背もたれの曲線は弾倉壁の曲線に作られており、極めて微妙だった。彼は目を閉じ、数分間休もうとした。そしてそれができないと気づいた。椅子が不快だからではない、あの小学生たちのせいだ。
「――先生、彼が私の弾丸貨を取りました―― 」
「――取ってない! 見てただけだ! 見るのは犯罪か―― 」
「――見るのは犯罪じゃないけど、無断で他人の財物に触れるのは校則第七条違反です―― 」
「――黙れ―― 」
「――お前が黙れ―― 」
「――お前たち二人、五回目だ。笛はもう口に当てた」
尋夢は目を開け、立ち上がり、ホールの左側へ歩いていった。左側の壁には埋め込み式の本棚が一列あり、床から天井まで続いていた。表面には繊細な古典的木目があり、数羽のハーピーが刻まれていた。
とても整然としていたが、種類は雑多だった。何度も読まれて背表紙が毛羽立った大衆小説――表紙の金箔タイトルは磨り減ってわずかな線画だけが残る;分厚い、濃い茶色の革表紙の法律典籍――背表紙には金色の腔線模様が押されている;薄っぺらな、表紙がカラフルな児童絵本。
指が『弾頭兎』の絵本の背表紙に一秒止まり、そして外れた(「これは子供が見るものだ…… 」)。視線を本棚の上で二往復させ、最後に三段目の一番右にある一冊のハードカバーに止まった。『ガントピア行政区画と区域計画総覧』、ガントピア測量局編纂、ガントピア暦132年改訂版。
彼はその本を持って席に戻り、最初のページを開いた。
カックリーの親指はまだ画面の上を滑っていた。ただ、意図的かどうか、彼女は全身を右に傾け、左肩を尋夢の右肩に寄せていた。灰白色の逆立った髪が彼のワイシャツの袖を擦る。多くの細部が接触点から伝わってくる――呼吸はとても遅く、とても均一で、胸郭の上下は白いニットと灰色のプリーツスカートのウェストラインを隔てて伝わってくる。尋夢は少し気になったが、相手がカックリーなので、まあいいかと思った。
「何読んでるんだ? 」突然彼女は顔を向け、顎を尋夢の肩にぶつけた。灰白色の逆立った髪が彼の首を擦り、痒い。
「区域計画」尋夢は本を左側に傾け、彼女も見えるようにした。
「本の虫」
尋夢の指は目次ページで一瞬止まった。ガントピア全土は十二の行政区に分かれ、撞針市は首都(同時にガントピア最大の都市)として、その内部は十八の区に区分されている。各区の機能定位、建築密度、口径等級、人口構造はすべて異なる。
そして第三章へ直接飛ばした:撞針市功能区划詳細。
撞針市の十八区は、上空から俯瞰すると螺旋状に分布している――規則的な螺旋ではない。中心から外側へ徐々に拡散する、引き伸ばされた腔線模様だ。中心部は建築が最も密集し、口径等級は最も低い。外側へ行くほど建築は疎らになり、口径は大きくなる。この配置の論理はこうだ:弾丸は銃口を出た後、遠くへ飛ぶほど散布界が広がる。ガントピアの計画者はこの言葉を逆に使った――都市の核心は最も緊密で、最も制御可能な部分であるべきであり、外側は徐々に解放される、制御不能な力であるべきだ。
第一区は第十八区の東側境界に緊密に接している。超高級商業区。
面積は第十八区の三倍、建築の平均高さは四十階以上、口径等級は7.62ミリ級が主体で、12.7ミリ級の商業複合施設が少数混ざっている。ガントピア最大のデパート「満倉商城」、最大の銃器小売集散地「ゴブリン市場」、最大の娯楽複合施設「ルシフィット不夜城」――すべて第一区にある。
カックリーは白いニットのポケットから親指大の弾頭人形――薬莢の胴体、弾頭の頭――を取り出した。これはさっき弾倉ママで食べたお子様ランチの一つに付いていたおまけのおもちゃだ。彼女はその人形を膝の上に立てて、指で転がして遊んだ。四回目に転がしたとき、膝から転げ落ち、灰色のプリーツスカートのひだの中に落ちた。彼女はスカートのひだの中に手を突っ込んで探したが、見つからなかった。
第二区は第十八区の西側にあり、第一区とは一つの行政中心を挟んで遠くに向かい合っている。オフィス区。ガントピアのほとんど全ての大企業の本社が第二区に設置されている。
二人の男の子がプラスチック椅子から立ち上がった。一人はドワーフ、髭はまだ生えていない(早い)、しかし眉骨の輪郭は既に父親の原型を備えていた。もう一人はエルフ、耳は成体のエルフより短く、耳の先はまだ幼少期特有の丸みを帯びていた。うつむき、耳の先は真っ赤だった。
第三、第四、第五区は大学区。
三つの完全な行政区が高等教育に割り当てられている。これは普通のことだった。第三区は銃器類の大学の集積地――撃槌射撃学院、腔線工学院、弾道研究院、銃器設計センター。第四区は科学と魔法類の大学――ガントピア理工大学、撞針市医科大学、魔素応用学院、撃発物理研究所。第五区は人文と社会科学類の大学――ガントピア経済大学、腔線文学院、薬莢法学院、底火商学院、ガントピア調理学院。尋夢は自分の中間テストを思い出した。
あの濃い青色の作業着を着た女性がついに銅笛を吹いた。四十人の小学生が同時に静かになった、その状態が約三秒続き、そして極めて細かい声で破られた:「先生、彼が私の尻尾を踏みました」「踏んでない! 」「踏んだ! 」「踏んでない! 」「踏んだ! 」「踏んでない! 」「踏んだ―― 」「お前たち二人、私について来なさい。今すぐ」
第六、第七、第八区は交通ハブ。
第六区と第七区の東半分は鉄道と海運の中心――撞針市中央駅、ガントピア鉄道統括管理局、腔線運河港口管理局。第七区の西半分と第八区全体は航空中心――撞針市国際空港は第八区のほぼ半分の土地面積を占め、滑走路は四本の平行に敷かれた直線で、上空から俯瞰すると四本の並んだ撃針のように見える。尋夢は一つの細部に気づいた:空港の滑走路の方向と都市螺旋の接線方向が完全に一致している。偶然ではない。計画者は都市全体の交通動線と銃器の排莢軌跡を同じ方向にしたのだ。
カックリーの真正面に一人の女の子が立っていた。七歳くらい。撞針市弾倉小学校の濃い緑色の制服を着ており、小ジャケットの胸にはあのマークが刺繍されていた「小さい頃から銃を構え、大きくなって国に報いる」。濃い茶色の髪は二本の三つ編みにされ、編みの先は小口径弾丸の薬莢二つで固定されていた。彼女の顔は丸く、目は丸く、鼻孔まで丸かった。その丸い目が一瞬も瞬かずにカックリーを見つめていた。右手はカックリーの灰色のプリーツスカートの裾を掴み、引っ張った。
「おばさん……あの、あの……あなたはこのお兄ちゃんのお母さん ですか? 」
第九から第十三区は森林と農業区。
五つの区。尋夢はこの行を二度読み返し、見間違いではないことを確認した。ガントピアの首都は五つの完全な行政区を使って農業をし、木を植え、豚を飼い、鶏を飼い、薬莢海鮮スープの中の蛤や蝦を育てている。第九区は食糧主産区――麦、稲、玉米。第十区は畜産業――様々な牛、様々な羊、様々な鶏。第十一区は漁業と水産――様々な蛤、様々な蝦、様々な魚。第十二区は林業。第十三区は生態保護区、一般公開されていない。
「はあ? 違う、違うに決まってるでしょ」
「じゃあ、あなたたちはカップル ですか? 」
第十四、十五、十六区は軍区。
三つの完全な行政区。一切の詳細な紹介はない。第十四区:撞針市第一軍事基地。第十五区:ガントピア陸軍装備研究開発センター。第十六区:軍事禁區、許可なく立ち入り禁止。
「そういうことがどうしても知りたいなら、仕方なく教えてあげるけど、実は私の隣にいるこの人は未来から来た、私を守るため、ついでに世界を救うロボット なの。便利だから連れてきて身分登録 させてるだけ。すごいでしょ? 」
女の子の口は完璧なO型に開いた。カックリーを見、次に尋夢を見た。
「絶対に誰にも言っちゃダメだよ~~~~** 」
第十七区は皇族区域。
第十八区と第一区と不発区に隣接している。それだけ。他に情報はない。
第十八区は螺旋の最も内側の輪に位置する。総合行政センター。撞針市人口登録所、腔線省行政許可ホール、ガントピア市民サービス総局、弾道文書管理中心――「身分」「許可」「文書」という三つの言葉に関係する全ての機関が、この面積十二平方キロメートルにも満たない区域に押し込められている。
三時間後、カックリーの家のリビング。
「自分を中心に……半径〇・五メートル……魔素は胸腔から始まる……胸腔じゃない、鎖骨の下の真ん中 。胸骨柄 の位置。魔素は胸骨柄から始まり、二つの経路に分かれる。一路は上へ、鎖骨を通過し、肩甲棘を回り、上腕骨に沿って橈骨茎状突起まで下りる。一路は下へ、腹白線に沿って恥骨結合まで行き、分岐し、腸骨稜に沿って大転子まで行き、脛骨内踝まで下りる」
「何やってるんだ?** 」
「標準防弾魔法の符文 トポロジー構造を学習 して暗記 してるところ」
「一回循環するのにどれくらいかかる? 」
「慣れれば〇・三秒」
「約一秒、その間に弾丸は三百メートル 飛んでるぞ。それに体力があるなら、まだ敵と死に物狂いでやった方がいい。こんな防弾魔法を使うのは臆病者と無能の特権だ」
「好きに言え。たとえ俺が全ての魔素を弾丸に注ぎ込んでも、その弾丸はどこへ飛ぶか分からない。敵は避ける必要すらない。俺と魔素の消耗戦をする必要もない。俺の弾倉が空になるのを待って、歩いてきて、銃口を俺の後頭部に当てればいいだけだ**」
逆時計回りに第四圈を描いた――極小の第四圈、ほとんど同じ点の上に三層重ねた。ようやく光ったが、効果はなかった。
「……お前にとっては確かにそうだろうな…… 」
「うるさい! もう好きにしろ!」
カックリーは首を振り、裏庭へ歩いていった。
彼女は銃形スマホを取り出した。画面が光ったとき、通知バーの中の未着信通知は厚く重なった束になっていた――全て同じ番号から、全て同じ名前が付いていた。
マグシン・クウソウカケキ。
最も古いのは三時間半前、最も新しいのは七分前。その間に約二十件が均等に分布しており、間隔は十分から二分、後半になるほど密集していた。
親指が画面の上で〇・五秒止まり、そして左へスワイプされた。全ての未着信通知が一括归档され、画面はきれいなホーム画面に戻った。そして彼女はマグシンの名前の上を押した。
すぐに繋がった。
「射撃適性検査の結果は? 」
「最低級。どの銃もそうだった。拳銃、最低級。ライフル、最低級。散弾銃、最低級。狙撃銃、最低級。機関銃――彼は機関銃は測らなかった。狙撃銃のとき、教官はもう測るのをやめさせた。『これ以上測っても弾丸の無駄だ』って」
「…………」
「マグシン?」
ドン。ドン。ドン。ドン。
「……マグシン? 」
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とある部屋。
面積はおよそ六畳。ベッドが壁際に置かれ、シーツは薄い灰色で、洗濯で白くなり、端の隅には小さなインクの染みがあった――それはある夜、詩を書いていたときに万年筆を倒してできたものだ。枕元には十数冊の本が歪に積まれている。枕の横には予備の眼鏡が置いてあり、テンプルにある微型弾倉のレリーフは塗装が剥げ、その下の黄銅の地色が露出していた。
今、ベッドの上の寝具は麻の花のようにねじれていた。
マグシンは仰向けに、掛け布団が絡まった繭の中に横たわっていた。黒炭色の長い髪は枕の上に広がり、数筋が口元に張り付いていた。胸は激しく上下している。眼鏡は鼻梁に歪に掛かり、左のレンズには細かい汗の跡があった。
彼女の手はまだ震えていた。
「……同じだ……」
仰向けになって、両手で顔を覆った。指の隙間から一匹の薄い灰色の目が覗き、瞳孔は拡散し、まるで焦点の合っていない照準器のようだった。眼球はゆっくりと回転し、天井の隙間を見、また戻ってきて、空気中のある存在しない点を見つめた。
「……尋夢……」
またベッドの上で寝返りを打った。彼女は弾鏈の掛け布団にうつ伏せになり、腰は沈み、臀部の曲線が濃い灰色の掛け布団の上に丸みを帯びた弧を描いた。仰向けになったとき、寝間着の裾が絶壁の腹に沿って一節捲れ上がり、腰と腹の間の白い肌が露出した。
笑った。病的に笑った。節度のある微笑から次第に変化し、歪んだ。潮紅が顔に広がり、空想が脳内で絶え間なく咲き乱れた。
手を下の方へ伸ばした。
そして掛け布団で頭を覆い、狂ったように転げ続けた。
転げる。
転げる。
転げる。
そして夜は更けた。
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その頃、撞針市第十八区人口登録所の最後の蛍光灯が消えてから約四十分後、正面入口のシリンダー錠から極めて軽い金属の噛み合う音が聞こえた。
彼女がドアを押して入ったとき、ホールには非常口指示灯のあの薄暗い緑色の微光だけが残っていた。その光が彼女の蒼灰色の狼耳を照らし、耳の先の小さな白い毛をミント色に染めた。
彼女はまっすぐに待合エリアを通り抜け、三列目で一番壁際のあの位置の前に立ち止まった。
一腳のプラスチック椅子。座面は濃い灰色の防火板、背もたれの曲線はちょうど一人の少年の後腰を支えていただろう。
彼女は腰をかがめ、左手で背もたれを支え、右手で座面の底を支え、椅子を持ち上げた。動作はとても軽く、とても安定していた――まるで証拠台から壊れやすい重要な証拠品を取り出すかのようだった。
椅子をひっくり返し、座面の底の左よりの位置に一枚のラベルを貼った。ラベルには手書きで日付、時間帯、位置番号が書かれていた。そして彼女は椅子を抱えて登録所を出た。尻尾は彼女の後ろで静かなS字形に垂れていた。




