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第七話

「大阪?」

「うん。明日からで一泊だって」

四季さんにメールを返す。大学の用事で、先輩達全員で行くらしい。

「……大丈夫……?」

サラちゃんに上目遣いで見られる。可愛く年下チックでわたしが男なら好きになっているかもしれない。

「今考えれば、今までは私達のみで戦ってきましたことよ」

「まーな。二日だろ?大丈夫じゃねーの」

「一応ね。心配してくれてるみたいでふたりくらい残ってくれるって言ってるけど、どうしよっか」

わたしもチカちゃんと同意見で二日間くらいなら大丈夫だと思うけど。

「いいんじゃないですの?」

「いらねーよな」

「……みんなが……」

「僕は、うん、みんなそう言うなら!」

ほぼ満場一致。次のメールで返そう。

「あと今日どうするかって。どうしよっか」

教室の窓から見る外は雨。襲来はないでしょうとかいうメールでも年下後輩なわたしよりも丁寧な四季さんのお言葉だ。

「つーか最近お世話になりすぎなんだよね。家にも行きすぎだし」

「先輩方が良いとおっしゃってらっしゃいますしずかずか行けばいいんじゃないですの」

ずかずかは失礼な副詞だがわかって言っているのだろうか。

「うまい飯も食えるしな」

失礼組どうにかならないかな。

「ね!先輩といると楽しいし!」

「……うん」

そういう意味では頷ける。先輩達は面倒見がいいからただ家にいるだけでもご飯出してくれたり楽しく話してくれたり、それがあるから頷けるのかもしれないが。

「まあでも、先輩達にも予定とかやることとかあるだろうし」

「じゃ、行きたい奴だけ行こうぜ。あたし行くわ」

「私も行きますわ」

「僕もー!」

「……ナギ……」

昼休みの教室、談笑であふれる中四人が手を上げる。いや、わたしだって行きたいけど。でもたまには先輩達にわたし達の相手しない日があってもいいんじゃないかと思っていた。

「みんな、カラオケ行かない?休みだろうし、久しぶりにさ」

「おー、いいなナギ、ナイス案」

「先輩達も誘う?」

「それはいいんじゃない?五人で行こうよ」

先輩達のために今日は行きませんと言うのもあざといので単純にカラオケ行きます何かあったら出動しますとメールしておいた。


カラオケ屋を出る。時間は九時前。普通の女子中学生は毎日こんな感じなんだろうか。友達とカラオケに行って買い物に行って部活に勤しんで、たまに恋とかしちゃって。部活を巫女としての活動に置き換えればあとは普通に、回数は少なくてもやっていることになるのか。

「じゃ、また明日なー」

「僕もこっちだからー!」

「……ばいばい……」

三人と別れキョウちゃんと歩く。雨はもう止んでいた。

「キョウちゃん、休みの日って何してる?」

急にこんな話を振ってみた。わたし以外の巫女はどう中学生しているのだろうか。いやほとんど一緒にいるからわかるっちゃわかるけど。

「華麗に優雅にバラエティ番組ですわ」

「あー、テレビね。テレビなら巫女関係ないか」

「巫女?」

「いや、こっちの話。わたし達巫女は普通の女子中学生とは程遠いでしょ?どうなのかなって」

「確かに、私は選ばれた特別な存在でございますわね」

意味履き違えていた。

「ナギさんは何してらっしゃるのですか?」

「基本的にみんなといるよね。土日も。最近は先輩達とも。だけど。朝学校、終わって先輩の家、戦って、先輩の家、少しゆっくりして家でご飯。あとは自主練してみたり、メールしたり電話したり本読んだり。あれ普通の中学生っぽいかも」

巫女ってことがおかしいだけか、やっぱり。

「そもそも巫女ってどうなんよ。日本にどんくらいいんの」

「先輩方が五年前。他にはいないんでしてよね」

ナナの返事を少し待ったが寝ているようだった。

「って言ってた気がするよ。少なくともこの周辺の学校にはいないかな」

「面接でも言えませんことよ。放課後は巫女として霊力駆使して雑魚ブッ殺しファイトで世界平和に勤しんでおりましたわ。あれ言えます?」

「絶対無理。落ちる」

携帯が震える。四季さんから電話だった。

「もしもし」

『ナギちゃん、今大丈夫ですか?』

「はい。カラオケの帰りです」

『以前からお話があったチームとしての動きの改善点ですが、こちらで考えるものになってしまいますがいくつか案を出してノートにまとめて明後日お渡ししようと思っていますが、どうしましょうか?』

個人的に何度か先輩に聞いていたことで、ある程度は自分達で見つけられますよの言葉通りアドバイスを受けつつ成長できていったが、伸び悩みを感じていた。それを相談すると笑顔でこちらであげましょうか、とのことだった。

「あ、ありがとうございます。わざわざいいんですか?」

『おせっかいかもわからないんですけどね。皆さんの成長を邪魔しているようで、申し訳なさもあるんですが』

「是非お願いしたいです。でも、やっぱり四季さんはそうやってノートにまとめて、凄いです」

「何の話ですの?私?」

違う。

『もう癖なんですよね。何でもデータ化データ化、印象は少し悪いと思います』

「そんなことないですよ!凄いです」

きっと細かい記載がされているんだろう。先輩達の動きのパターン、個々の能力の応用併用、短所のカバーなどを考えるに、きっと四季さんの頭脳によるところがあるんだろう。わたし達も近づけるのだろうか。なんだか少しわくわくしていた。

「ありがとうございます。よろしくお願いします。おやすみなさい、明日、お気をつけて」

『はい、それでは』

電話を切る。

「四季さんから。なんかね、わたし達のために傾向対策ノート作ってくれるって話でね。その電話」

「私の?」

全然話聞いてない。普段はいい子なのに、いやいい子じゃないのかもしれない。

「全員分。大阪から帰ったらくれるって」

「感の謝ですわね。シェフを呼んでくださいまし」

バカだった。




「今頃先輩達大阪だよね!大阪やねーん!」

「土産頼んだか?ナギ」

「そんなこと言えるわけないでしょ。きっと気使って買ってきてくれるよ」

「皆さん次の授業が始まりますわよ」

「……移動……教室……」

理科室に向かう。さっき四季さんから改めてよろしくおねがいしますねのメールが来ていた。律儀な先輩で、こういうところを見習えばモテるのかもしれない。さぞかしさぞかしなんだろう。顔がいい女の人は性格悪いとか頭が悪いとかそういうところでバランス取ってくれてもいいのに、随分と高水準にできていて羨ましい限りだ。その点うちのメンバーはきちんと性格に難あり、いやますみちゃんは多少突っ走るところがあるが普通、サラちゃんは人見知り、わたしもまあ少しその気があるか、だとしても廊下を先行くあの二人はちゃんとしっかりしていない。

「それに比べて」

「……?」

「いや、なんでもないよ」

リセさんとひかりさんは普通っぽいけど、優しいし、料理も上手だし。楯さんは天真爛漫、可愛らしいも含んで魅力的。桐子さんは少し怖いところもあるかもしれないがさばさばしてきっと同性にも人気がありそう。四季さんは完璧超人、正直怒ったら桐子さんより怖そうだけど巫女に対する意識、一秒一秒をわたしよりはるかに有益に使っていることだろう。

「わたしも敬語使ってみるとか」

「敬語?なになに?」

「ますみさん、いや、呼び捨てか。ますみ、えーと、なんでもないですよ?」

「えー、四季さんの真似かな?」

すぐバレた。

「恥ずかしいなこれ、できないや」

「何の話ですの?」

思い出したウチにも敬語というか丁寧な言葉遣いのキャラがいた。わたし達が追いつくのを待っていたキョウちゃんは聞いていたのかいないのか歩幅をあわせる。

「ナギにゃんが四季さんになりたいんだって」

「違う違う」

「あら、大胆不敵ですわね。彼女はお高いですわよ」

「おーおー、いいんじゃねーの?せいぜい頑張れよ、四季さんよ」

肩に腕を回してくるチカちゃん。畜生この二人に聞かれたのはまずった。そりゃあバカにされるにやにや見られる。

「違う。そのものになりたいじゃなくて、ああいう人になりたいって言うか、その」

「格好いいもんね!僕は無理だけどなあ」

「格好か、それこそ外から入ってみるってなどうだ?」

「外から?」

「髪型真似てみろよ」

「長さ足りないし、ゴム持って無いし」

「あるんですわこれが」

理科室のドアを開けポケットから出したヘアゴムを自慢げに見せるキョウちゃん。こういうときだけ何で気が利くのさ。

「ほらほら、座って座ってー!」

「まず二つに縛って。ゆるめな感じだよな?」

「私がやりますわ。四季さんに比べ短いですので少し物足りませんが、まあ十分でしょう」

されるがままわたしの後ろ髪はふたつにまとまり前へと垂れた。下を眺める。

「後は前髪の感じ?どんな分け方してたっけあの人」

「えーとね、こーんな!」

ますみちゃんが楽しそうに分け目を作る。可愛いが似ていなかった。

「なにそれ、四対一くらいになってるけど」

「もっとナチュラルなイメージでしたけど、忘れてしまいましたわ」

腕を組むキョウちゃん。あたしもわかんねーとチカちゃんは首をひねっていた。そして周りに見られているわたし。笑われている。

「……こう」

サラちゃんがわたしの髪を整えている。綺麗な目が上を見つめ接近した顔に少しドキっとした。かわいいなぁもう。

「おー、これだこれだ」

「キョウにゃんピン持ってない?これ崩すのもったいないよ!」

「女のたしなみ常備ですわ」

「……かして」

またクソ可愛い顔が近づいてきた。





--------------------




「ふふっ」

「どうしたの?」

「これ、見てください」

携帯に送られた画像をリセに見せる。用事のある大学に挨拶を済ませ午後からお願いするから少し早いけど昼食でもいってらっしゃいとのことで話し合いベタだがお好み焼きを楽しんだ。

「ナギちゃんだ」

「わたしの髪真似ているみたいですよ」

休み時間に皆さんにいじられたとのことで、照れ顔でカメラに映る後輩はとても愛らしかった。

「可愛い、なにこれ」

「なになにー?」

鉄板を囲み対面に座る楯に携帯を渡す。

「おーこれは」

「似てるね」

「かわいー」

携帯を返され好評でしたよと返信。似ているようだ。

「可愛いよねっ、あの子達」

「ん、そうだね。妹がいたらあんな感じなのかも」

「妹かぁ。いるのはひかちゃんだけだもんね。どう?」

「うちのはまだちっちゃいからねー」

「りっちゃん元気?」

「ん。元気だよー」

「今日に関しては、遅くても八時までとのことですね、休憩を挟みつつでお手伝い。終わったらとっていただいたホテルへ。普通のビジネスホテルですから食事済ませてから帰りましょう」

晩御飯の候補考えておいてくださいと付け足す。大阪大阪したご飯ってなんだろう。

「翌日昼まで引き続きお手伝い、新幹線で帰って後輩達と合流、という流れですね。っと」

携帯の震えを止める。わたし以外も携帯を開いている。

「これは」

「早く帰りたくなっちゃったね!」

「ん。わたしもそう思ってた」

「……嬉しい、かな」

「いいものを買って帰りましょうね」

お土産お願いしますの本文とともに笑顔の五人集合写真が添付されていた。





--------------------




出かける前の先輩達が家を勝手に使ってくれてかまわないと鍵渡そうとしてくれたが、さすがにそれはということで断り喫茶店で五時を待つわたし達。

「つーか、じゃお言葉に甘えてーじゃないよ。いくらなんでも家にいるのはまずいでしょ」

「先輩方自らおっしゃってましてよ。ご自由にどうぞって」

わたし達が自由に使ったら帰ってくるまでに片付かない。綺麗にしようとする人間より汚くしようとする人間の方が多そうなので駄目だ。

「ま、先輩ん家にゃ紅茶クッキーも置いてねーしな」

「……おいしい」

紅茶クッキーをリス食いするサラちゃんはあざといわけではなくただただ可愛らしかった。まねしてみようか、いやわたしには似合わないだろうな。

「ね!僕最後の晩餐が紅茶クッキーでもいいかもだよ!」

「最後が?そりゃ、うまいけどよ」

「チカにゃんは何がいいの?最後の晩餐」

「あー、なんだろな。今なら確かに甘いものとか肉とか、そういうのだろうけど、普通に死ぬとして、ばーさんになった時なら、普通の和食とか食いたくなんじゃねーかな」

実に大人びたチカちゃんの言葉にわたしは少し驚いていた。同時に羨ましくもあり、気軽にわたしも同意見とは言いがたい。

「私も同意見ですわ!」

この子は本当にコメディだ。

「サラにゃんは?」

「……パンケーキ」

「パンケーキすきなの?」

「すき」

こっち方面もきついだろう。

「ナギさんはどうなんですの?」

「食べない、かな。最後の晩餐ってわかってるなら、何食べてもわたしは後悔しそうかなって。あれ食べとけばよかったみたいな。だから食べない」

チカちゃんに勝ちたかったのか、そんなことを言っていた。みんなの反応はぽかんのみ。母親の作ったご飯という意見で一人勝ちできそうだったがどうにも後味が悪そうでやめておいた。

「大人こいてやがんな、ナギは」

「強がっているんですわよ」

「いや、単純にわたしブレブレな性格だし」

「性格なー。お前はどんな性格って言ったらいいんだろな。頭はいい方だし、性格も難無い」

「難無いって」

「強いて言えば少し内気、なのか?」

「そんなことないんじゃないですの?ナギさんはバンバン毒舌飛ばしてきますわよ?」

「あたしらん時だけだろ。他の奴に対してはそんな感じがあるぜ」

あれ今日のチカちゃんが鋭い。どうしてだろう。

「そうだね、なんかそうかな、わたしは。チカちゃんは?今日はやけに大人っぽいけど」

「あたしゃ見ての通りだろ。荒っぽくて口悪い」

「勉強は得意なんだよね、チカにゃんは」

「ひたすらに意外ですわよチカさん」

「別に勉強はしてねーよ?普通だよ普通」

「この中で一番勉強できるのって誰?ナギにゃん?サラにゃん?」

「……ナギ」

「おんなじくらいじゃないかな?この前のテストもほとんど一緒だったし」

「サラは?そのままか。あたしらのチーム以外とはつるまねーし」

わたしもその節が少しあるからわからないでもないが、サラちゃんのそれはとてもで、長所と見えるだろう。

「サラさんは人気でしてよ?クラスの方が言ってました」

わたし達はアクが強く、それが男受けするベクトルで働いているのがサラちゃんだ。サラちゃんになりたいとは思わないが、サラちゃんの魅力はそのへんの男子よりもわかっているつもりだ。

「帰りカレーでも食べて帰ろうぜ。お、もう回ってんな五時」

「ナナ、反応は?」

周りにもお客さんはいたが気にされていないはずだ。

「今のところはないよ。もう少し待っててね」





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「まだかかってこない?」

「ええ」

五時五十分を過ぎたところだが、わたしたちの後輩から連絡はまだだった。一応襲来の対処が終わったら一報をと伝えてあるので、遅くてもあと十分ほどで来るはずだ。

「少し休憩しましょうか。桐子達にも連絡しておきます」

「私行ってくるよ」

別部屋で作業をしている桐子達の元へ行こうとリセが立ち上がる。

「メールで大丈夫ですよ」

「うん、わかった」

そのままん、ん、とひとつ伸びをしまた席に着く。タイピングの手を止め作成していたファイルを一度保存しておく。携帯電話を開くが着信は無い。メールボックスまで行き全員の顔を見る。可愛らしい後輩達が笑顔を向けてくれている。

「ふふ」

笑顔が漏れていた。

「どうしたの?」

連絡をしてくれたリセがわたしを見ていた。他人に見られたら恥ずかしいが、リセなら。

「いえ、愛らしい後輩を持ったなと」

「そうだね。私としては、結構驚きもあるんだけど」

「驚き、ですか」

「私の中ではね。四季って面倒見いいんだなーって」

面倒見の意味を思い浮かべる。面倒見、そんなこと考えたことがなかった。

「巫女として人を守ることは別としてもね。あれでもこれ失礼だねごめん」

「いえ、事実ですよきっと。失礼でもなんでもないです」

リセは幼稚園の頃からわたしを知っていて、わたしの知っているリセが言うことだからそれは正しいことなんだろう。

「私達に対しての感じとも違う、ま、年下なんだし違くて当然なんだけどさ」

「正解が見つからなかったんですけどね。ああいった接し方で大丈夫だったんでしょうか」

「正解とかないと思うけどね、でもいいんじゃない?」

「楯や桐子は、上手く接していますよね」

「わかる。社交的」

「ひかりもそうですかね」

「私達に比べたらきっとそう」

わたし達。卒園式のビデオで『せっちゃんとずっといっしょにいるの』とか笑う小さいわたしの宣言通りリセとは一緒にいて、というよりみんなと仲良くなるまでまともな友人はリセしかいなかった。十年後もよくも悪くもこうだろうか。

「あれ、いま自分友達少ないなとか考えてる?」

「顔に出てましたか」

「顔ってか、雰囲気?」

わたしを超える空間認識の持ち主だ、というのは冗談で幼馴染ができる技。

「リセには嘘はつけませんね」

「付かないじゃん。でも、そうだね。聞けることなら話してね。話して楽になることもあるってこと、あるよ」

「巷で有名な説ですね。本当にそうなんでしょうかね」

「友達がいない悩みを私と喋る前と後で、どう?」

「そもそも悩んでいないかも知れません」

「そっか、そうだね」

リセがいて、楯がいて桐子がいてひかりがいて、ナナがいて、あの子達がいて、家族がいて。なんだか十分で、これ以上求めるのは欲張りなのかもしれないと思えた。

「多分、今はもう戻れないよ」

「二人だった頃にですか。そうですね」

「ありがとうなんて、改めて言うのは恥ずかしいけどね」

ドアが開く。

「わーい!何の話ー?ジュース買ってきたよん!」

「どんな感じ?こっち予定より早く終わりそう。ひかり貸そうか?」

「私貸されようか?貸されようって変だねー」

やはりリセは空間認識者で、そして正しかった。わたしはみんながいないなんてもう無理だ。

「ね?」

「はい。あ」

携帯が震えていた。ナギちゃんから。

「可愛い後輩からです」

「おー、終わったのかな?」

「みたいですかね。はい、もしもし?」




「はい、それではまた明日。お土産買って帰りますね」

電話を切る。後輩たちはきっちり仕事をして帰りにカレーでも食べて帰ろうかとのこと。少し心配していたがこれで一安心だ。

「さて、わたし達ももう少し作業進めて、食事に出かけましょうか」

「オッケ、また後で」

三人が出て行く。わたしは目薬を点し作業を続けた。

「不安だった?」

何がは無くても後輩たちのことだった。

「そうですね。勿論通常時ならあの皆さんなら敵ではありませんが、もしもということがありますので。杞憂でよかった」

「怪我はあるけど、全員無事」

「怪我をしたということは、多少なり敵も強かったということ。通常の敵でそうということは、敵サイドも力を入れてきたということ」

「大丈夫かな?」

「あの子達には強くなってもらわないといけません。酷なことですが、わたし達は敵の本拠地にいけないのですから」

「そうだね。強くなって、一人でも欠けちゃ駄目だね」

「そのためにも。おいしいお土産を買って帰りましょう」

「いいお姉さんしてるよ、四季」






荷物を家に置き学校帰りの後輩達と待ち合わせする。一度大学に戻らないといけないのでお土産を渡すだけだ。

「わざわざごめんなさいね、後でも良かったんですけど」

「いえ、こらこそ。ありがとうございます」

ナギちゃんは笑顔で頭を下げた。礼儀正しい子だ。

「はい、まず皆さんへの分です。おうちでどうぞ」

全員分に袋を配る。それぞれ喜んでくれていた。

「それと、ノートですね。皆さんでの戦い方をわたしなりにまとめてみました。どうぞ」

「すみませんわざわざ。襲来前にみんなで読んでおきます」

丁重に受け取られる。

「あとは、襲来が終わったら皆さんで食べられるものも買ってきたので、それもお土産です」

「すみませんなんだか、何から何からで」

「昨日はお疲れ様でした。何事もなくてよかったですよ」

「ご心配をおかけしました。ありがとうございます。これからも頑張りますね」

にこにこと笑っている後輩達。楽しそうだった。





「わたしたち四人で」


「ええ、頑張りましょうね」




第七話 この願いは叶えられないの おわり

     to be continued……


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