↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別れてくれないからと殺されたので別れを告げたら溺愛されました  作者: 西園寺百合子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/8

07 バレてしまいました

主人公 シャルロッテ・グランチェスター(ロッテ)

夫   リュシアン・クロイツェル

女   リリアーヌ・ヴァルハイト

便利屋 ガイゼル・シュバルツシルト

侍女  エレノア

「…が、この3日の動きですね」

ガイゼルがそう言って、書面を渡してくれた。

心配していたけど、ガイゼルはちゃんと仕事をしてくれていた。


3日間でわかったのは。

リリアーヌは下町生まれ、下町育ちであること。

幼い頃から犯罪に手を染めていること。

付き合っている男性はいないが、『男友達』は多いこと。

その男友達から生活の援助も受けていること。


「家は、ないんですね」

「そうみたいですね。男のところを転々としているみたいですよ」

ガイゼルはさらっとそう言った。

ますます、どうしてこんな女性をリュシアンが好きになったのかわからない。

いや、こういう自由奔放なところに魅力を感じた可能性もある。


「とりあえず、3日分です。引き続き、よろしくお願いします」

そう言って封筒を差し出すと、拒絶された。

「いやいや、さすがにもらいすぎなんで。手付金もしっかりもらってますから。後は1か月おきにいただければ」

そう言われた。

そういうものなのか。


それから食堂で働いて、3日おきにガイゼルからリリアーヌの報告を受けた。

屋敷に帰ると、リュシアンに抱きしめられて。

自分が何をしているのかわからなくなってくる。


それから数週間後。

いつものように、リュシアンが仕事に出かけると、屋敷を抜け出す。

今日は食堂に行く前に、ガイゼルから報告をもらうことになっている。

実は最近、リリアーヌがリュシアンらしき男と会っていたと報告を受けていたから。

そのことを、もっと調べてほしいとお願いしていたのだ。


深い関係になっていたらどうしよう。

そう思いながら、ガイゼルとの待ち合わせ場所に向かう。

「ああ、ロッテさん」

そう、ガイゼルが手を振った。

私も手を振り返そうとして、ガイゼルが変な顔をする。


「お待たせしましたか?すみません」

そう言うと、肩を掴まれた。

なんだろうと振り返って、青ざめる。

「え?…ど、どうして?」


そこに立っていたのは、リュシアンだった。

仕事に行ったはずでは?

いや、それより、どうしてこんなところに?

ガイゼルは、自分が追っていた男が目の前にいるから驚いたんだろう。

「どういうこと?」

リュシアンにそう尋ねられて、唾を飲み込む。


いや、ごまかせる。

だって貴族のご婦人が、こんなところに、こんな姿でいるはずないもん。

「誰かと、お間違えでは?…その、貴族の知り合いなどおりませんので…」

こういうとき、なんて言うのが正解なのかわからない。


「俺のこと、試してる?シャルロッテのことは、誰よりも俺がわかってるの。どんな姿でも、すぐわかるんだからね」

そう言われて、顔が熱くなる。

どうしたらいいんだろう。

ごめんなさいって、バラす?


すると、ガイゼルが私の肩を掴んで引き寄せた。

「どこの貴族様か知らないが、彼女は俺のツレだ。人違いだって言ってるんだから、人違いなんだよ」

そう言って、私の顔を隠すように抱きしめてくれた。

おそらく、私が困っていたから助けてくれたんだろう。

いい人だ。


ただ、この国で貴族様にたてつくのはよくない。

ガイゼルは本当にいい人みたいだし、傷つけたくない。

「…ありがとう、ガイゼル。いいの。本当に、知り合いだから」

そう言って体をはなした。

ガイゼルは驚きもしないで「大丈夫?」と尋ねてくれた。


どうやら、ガイゼルには私が貴族だとバレていたようだ。

考えてみれば、リュシアンのことを調べただろうから。

その婦人である、私のことを知らないはずがない。

「ええ。ごめんなさい。とりあえず、今日はこれで…」

そう言って封筒を渡そうとしたら、リュシアンが私の手を掴む。


「君は、こんな男に、貢いでいるのか?!」

そう言われて、きょとんとした。

貢ぐ。

そうか、お金を渡しているから、私がガイゼルに貢いでいると思ったのか。

ガイゼルも困った顔をしている。

「なんか、話がややこしくなりそうなんで。今日はこれで。あ、これだけ渡しときます」

ガイゼルは私に書類を渡すと頭を下げる。

「ええ。ごめんなさい。このお詫びは必ず…」


そう言うと、リュシアンが私の前に立つ。

「2人だけの雰囲気、出さないでくれる?お、おれ…俺、いるんだけど?」

リュシアンの声が裏返っている。

困ったけれど。

リュシアンに話すタイミングなのかもしれないと思った。


たぶん、ガイゼルが調べてくれたこの書類に。

リュシアンとリリアーヌのことが書かれているから。

「お仕事が終わったら、お話ししましょう」

そう言ったのだけれど、すぐに話したいと言われたので屋敷に戻ることになった。

食堂にはお詫びをして帰る。


「…?」

食堂にもリュシアンはついてきたのだけれど、何も言われない。

そう言えば、私のこの姿についても、何も尋ねてこない。

どういうことだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。