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奇怪なペア




「だから、私はCランクだって言ってんだよ」

「な、なんでそんな高位な冒険者がこんな依頼受けてんだよ!?」

「あん?そんなの特に深い理由なんてねぇよ。この不思議なやつが気になったからついて来ただけだ」

『…確かに不可思議だ』


 おい、誰が不可思議なんて言ったんだ?

 フレカは不思議とは言ったけど、不可思議…怪しいヤツなんて言ってないよ?ちょっとお兄さんにお話聞かせてもらおうかなぁ?


「身長低いな…。何歳なんだ?」

「さあ?何歳だろうね?」

「バカかお前は。情報が命の冒険者が、こんな辺な仮面で顔隠してる奴が、身のこなしが普通じゃない奴が、聞いたからって答えてくれる訳ねぇだろうが」


 おお、口悪っ。

 身のこなしが普通じゃないって言うけどさ、新人の冒険者にわかる訳ないと思うんですが?


 外見が普通じゃないのは認めるし、背の低さからして普通じゃないのも認めるよ?

 でも、身のこなしについては普通にしてるつもりだったんだけどなぁ。冒険者って職種の人は凄まじい観察眼を持ってるんだね。


「それによぉ、歳なんざ関係ねぇだろ。ジジババになって身体的にガタが来て、若い連中よりも素早く動けないとか重いものが持てないとかある中で、経験でその差を埋める一流冒険者なんざゴロゴロいるぞ」


 それは同意するよ。

 日本でも、僕のひいじいちゃんとか普通じゃなかったし。

 ひいじいちゃんに手裏剣刺せたことなんて、一度も無かったもんなぁ…。


「ならその逆の、とんでもねぇガキが天性の才で頭角を現すなんざよくある事だろうが」

「そうなのか?」

「いや、俺に聞くなよ。俺は冒険者じゃないんだから」


 依頼主に聞いても分からないでしょ。


 と言うか、なんで初対面で少ししか、本当に少ししか一緒に居ないのにこんなに期待大なの?

 冒険者怖いなぁ…。


「じゃあ、フレカさんはクロの事を認めてるって事か?」

「あ?なんでそうなんだよ。まあそうなんだけどよぉ、認めてるって言うか…底知れねぇな」

「それはどう言う意味なんだい?」

「どうもこうもねぇだろ。お前の実力は私でも計り知れねぇんだって意味だよ」


 わお!いい意味でよかった。いや良く無いけどさあ。


 やっぱり戦いを仕事としてる人は勘が鋭いから困るね。

 勘は今までの経験に裏打ちされた動物の本能だから、コレまでの人生の濃度が高くて質が良いほど、勘が鋭くなるんだ。

 Cランクでコレならその上はどうなっちゃうんだろうか。


 正体見破られたら消さなきゃいけなくなっちゃうよ。


 嘘だよ?


「まあ取り敢えず、さっさと仕事しよ、仕事」

「…ああそうだな」


 日本人も人のこと言えないけどさ、戦闘民族の恐ろしさは計り知れないよね。

 切腹とかしちゃう民族なんて、普通に考えたら可笑しい気がするよ。


 それこそ、武士の直系がこんなこと言ったら切腹ものだろうね。打首かな?

 現代日本ならそこまで行かなくても、折檻は受けると思う。


 忍者は意地でも生きて帰って来て、任務を終えたら死んで良いって考えだから。

 敵に拷問を受けるくらいなら死んで?って考えもあるし。


 似たようなものか。



「大きいの投げるよー」

「おーう!…って、なんでそんな大きいの持ち上げられるんだよ!鉄の塊に見えるぞ!?」

「みたいじゃなくて、鉄の塊だね」

「そんなもん投げんな!」

「危ないじゃないのよ!」

「確かに、何か価値があるものを壊してしまうかも知れねぇしな…それは滑らせて降ろせ!」


 あ、そうですか?

 フレカの筋トレにもなると思ったんだけどなぁ。


 滑らせても重くて下のものが壊れちゃいそうだけどなぁ。

 まあ良いのかな?


「行くよー」


 ガラガラとすごい音を立てて滑り落ちていく…コレで良いの?


「まあなんか価値がある物が壊れたとしても、俺にはその価値なんかわからねぇから問題ねぇ」

「いやいや、歴史的価値って言うのはお金の問題じゃないからね?」

「そうなのか?」

「うん。例えば、1000年前の器とか武器が出て来たら驚くでしょ?誰も1000年前に戻って作り直すなんて事出来ないから、お金じゃどうしようもないんだよ。壊れちゃったらさ」

「なるほどなぁ…」


 この世界にも居るのか分からないけど…まあ居ると思うけど、トレジャーハンターって言う職業もあるわけで。

 そんな人たちからすれば、雑な扱いは怒り心頭に発する行為だよね。中には雑に扱う悪質なハンターも居るだろうけどさ。


 依頼主が別に良いって言っても、後日何か言ってくる可能性もあるしね。

 そんなのは相手にしないけど。


「まあここに目利きできる奴は居ないだろうし、壊れてしまっても価値なんかわからないから続けてくれ」

「私は専門家ほどじゃ無いが、基礎知識ならあるぞ?」

「そうなのか?」

「当たり前だろ。Cランクだぞ?価値の有る無しくらいならわかるに決まってんだろ」


 はい、実は僕も目利きできたりします。

 とは言っても、僕の場合は前世で鍛えられた審美眼なわけだから、この世界にも当てはまるとは考えにくいけどね。

 それに、価値の付け方って人によっても違うからさ、一概には言えないけどね。


「Cランクってのは上位ランクに位置するんだよ。だから色々と要求されることも多くなってくるし、指名依頼なら断るのにも金がかかるからな。知識がないから出来ませんなんて言ってたら金がなくなっちまう」

「へぇ…世知辛いね」

「ガキが使う言葉じゃねえだろ」

「僕の外見で子供だって判断しないでくれるかな?」


 合ってるけど合ってないし。


「ん?ああ、わりぃ」

「いいよ、こんな外見だからね」

「変な仮面かぶって小さい奴はたしかに異常だな」

「おぉい」


 誰が異常だ!

 変人って言ってほしいね!


 ん?




「ふぅ、取り敢えずこんなもんだろ!」

「お、おわりか?」

「疲れたぁ〜!!」


 途中で何回か休憩を挟みながら、現在の夕方まで片付けをしていた。

 んだけど、全然変わらないよ。山の天辺で2人用のテントが張れるくらいしか片付けが進まなかった。


 1番時間を割かれたのは、片づけじゃなくて要らないゴミの運び出しの方だったんだ。


「おう、お疲れさん」

「結構頑張ったのに、まだこんなにもあるの?」

「本当だよな…」

「おいおい、当分の仕事が見つかったと思えば運が良かったってなるだろうが」

『たしかに』


 下水道の見回りは1番人気が無い仕事なんだ。

 臭い、汚い、薄暗い。この3つがあるから人気が無いんだけど、その分貰える報酬は普通より高めの設定になってるんだ。


 中にはネズミや害虫などが居て、その変異種が襲ってくる事もあるから危険でもあるんだ。


 その点、この依頼は疲れるけど危険じゃ無いし汚れもそれほど無い。

 臭いはキツイけどね?


「よぉーし、メシでも食いに行くぞ!」

「フレカさんの奢りだぁー!」

「んな事一言も言ってねぇだろ」

「でも奢ってくれるんでしょ?」


 ほら、4人のキラキラとした目を見て!

 新人だからお金ないんだよ?


 ここは、成功してる先輩冒険者として器の大きさを示してくれても良いんじゃないかな?


「まぁな」

『やったぁ!!』

「その代わり、私が店を選ぶし、頼んだもんは全部食い切れよ?」

「もちろん。奢ってもらうのに文句なんて言えないでしょう?」

「お前に奢るとは一言も言ってねぇけどな」


 それは少し酷いんじゃないかな?

 確かに、本業?はご隠居様だし、他にも収入源はあるからお金には困ってないけど。

 他人のお金で食べるご飯って、味は同じだとしてもより美味しく感じるんだよね。


 仲のいい人に奢る時も楽しくて美味しく感じるけど。


「そんじゃ、私の行きつけの店に行くか」

『おぉー!!』

「どんなところなんだ?」

「かつとじとか言う料理があってな、これがめちゃくちゃ美味えんだよ!」

「かつとじ?聞いた事ないわね」

「新しい料理だからな」


 おやっさんの所の常連かい!

 C級に来てもらってるなら、それなりにいい評判なのかも…。




 お読み頂きありがとうございます!


 次回は15日の23時です!

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