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上から数えた方が早いランクでも、対人技術はそんなに…





「はぁ。なんて言うか、少しがっかりした」


 唐突でなんのことかわからないと思う。


 僕たちはフレカに奢ってもらってご飯を食べた後、その場で解散になったんだ。

 依頼に関しては、継続して受ける場合は依頼主が了承していれば完了報告は必要がないんだって。


 で、まあ当然だけど僕は帰る事にしたんだ。

 他の4人は安い宿に2部屋借りてるとか…。


「いや、バレバレの尾行なんだけど?どうしたらいいんだろう。わざと?」


 そう、僕はフレカに跡をつけられてるんだ。


 僕の正体を知るためなのか理由はわからないけど、正直にいい気持ちはしないよね。

 ってか、Cランクの高位冒険者なのに、尾行が下手くそってなんなんだろうか。


 外見は脳筋タイプに見えたから、対人戦は苦手なのかもしれないね。

 しかも自覚してない。

 まぁ撒く以外にないんだけど。


「盗賊の尾行したり、その逆程度ならこのくらいの実力でも十分なのかな?だとしたら、対人のスキルが磨かれてなくても不思議じゃない…のかなぁ…」


 それとも、僕の年齢をある程度予想してて、そこから来る油断とか?

 だとしたらもっとガッカリだけど。


 冒険者ギルド…だもんね。

 これが傭兵ギルドとかバウンティーハンターみたいな人たちなら、また別だったんだろうけど。


「正体を知られるのも、住居を知られるのも面白くないし…とっとと撒いちゃうかな」


 ありきたりな方法だけど、裏路地に入って視線を外し、一瞬で浮浪者の格好に変装する。

 体育座りで俯き、体を揺すりながらぶつぶつと意味不明な言葉を吐き続ける。


「……。なぁあんた、変な仮面をした小せえ奴がここ通ったろ。どこいった?」

「羽が生えた犬が穴掘って喧嘩してる…。熊に似た生き物が木とダンスを踊りながら弓を使って鳥を生き返らせた…」

「ちっ…。情報料だ」


 銅貨5枚かあ。安いなぁ。

 まぁ、貰いますけど。


「あっちだな?そうか」


 いいえ、ここに居ます。

 まあ、身長も体型も変わってるように見えてるだろうから、分からなくても無理はないけど。


 ここで厄介なのが、『勘』と言う感覚ね。

 言語化するのが難しいけど、そう感じたから行動する。それが勘なんだ。


 だから、背中を見せてる間に立ち去る。

 勿論、フレカに悟られない様に気配を消して。


「よしよし、撒いた」


 実力がある人って、いくつかのタイプに分かれると僕は思ってるんだ。

 その中で、フレカはフィジカルと直感で生き抜いて来たって感じがするタイプ。


 分かりやすく言えば『脳筋』。


 良くも悪くも、パワーだけでC級まで上がって来た気がする。

 人よりモンスター相手の尾行の方が大変だと思うけど、どうなんだろう。




 さて、今日もお片付け頑張りますか!


「よう、早えな」

「おはよう、サバさん」

「おう、おはよう」

「他の人は来てないね」

「アンタが1番乗りだよ」


 と言うわけで、みんなが来るまでは2人で片付けですね。


 昨日は結構片付いたなぁ…とか思ったけど、多分錯覚だったよ。

 そんな事ないはずなんだけど、増えてる気さえしてくる。


 だって、このゴミとか昨日なかったよ?



 ん?なんで?


「ねぇ、ゴミ増えてるんだけど」

「ゴミ言うな、間違いじゃないけど」

「いや、本当のゴミ、ほら」

「…確かにゴミだな。昨日は無かったのか?」

「もちろん」


 増えてたのは、麻袋に入れられた汚れた服。

 ボロボロだったりケチャップ(比喩)が付いてたり。


 血じゃないよ?ケチャップでも無いけど、何か分からない。


 誰かがここをゴミ捨て場として利用してるのは間違いないみたい。

 それを捕まえないと、いつまで経っても状況は変わらないと思う。


「おーっす」

「あ、おはよう」

「おう、おはよう。どうした?」

「ゴミが増えてたんだ」

「はあ?」


 そりゃそうなるよね。

 ここが不法投棄の場所になってたんだから。


「昨日、倉庫の鍵閉めてたよな?」

「もちろん」

「僕も見てたよ」

「どっかに出入りできる隙間があるのか?」


 それはないと思うな。

 そこから物が流出してないみたいだし、物が詰まって出てないだけだとしても、臭いは漏れ出る筈なのに外では異臭はしない。

 なら、誰かが鍵を開けて入ってる事になる。


 そこまでしてこの倉庫に捨てる意味が分からないけど、嫌がらせなら…まあ分かる。


「鍵ってサバさんの持ってる一つだけ?」

「どうだろうな。そうだと思うが、確証はない」

「まあ入られてるしな」

「ああ」


 さぁーて、どうしようかな。

 多分、この依頼を受けてる中だったら僕が見張の適役なんだろうけど、僕の場合は外泊は無理だろうし、フレカは対人スキルはあまり高くなさそう。

 新人パーティーは以ての外だし。


 罠を仕掛けるだけしか出来ないかな。


「どこから入ったのか分からないけど、人の出入り用扉と仮定して罠を仕掛けようか」

「罠?」

「うん。少し早めに片付けを切り上げて、出入り用の扉と荷物運搬用の大扉の前に、落とし穴を作ろうと思う」


 それと、倉庫の周りを一周してみて、入れそうな場所があるのかも確認しなくちゃね。


 単純な罠だけど、人も動物も意外と引っかかるんだよ。

 プロなら気がつく人が多いと思うけど、戦闘経験やそれに類似した経験がない人は、地面の違いになんて気がつかないでしょ?


 フレカがどう言う狩猟方法をしてるのかは予想がつきやすいけど、落とし穴を作れないとは決まったわけじゃないからね。

 僕以外の新人組に、お手本として披露してもらおうかな。


「侵入ルートが分からねぇならそれがいいか」


 僕でも痕跡を見つけられないなんて、相当な手練だと思うんだよね。

 鍵穴が変に傷ついてることもないし。


 この世界にはスキルが存在するわけだから、盗賊専用!みたいなスキルがあってもおかしくないんだよね。

 何にしたって、まずはトラップを仕掛けて見て様子をみよう。


「罠はフレカが作って。新人たちのお手本として、Cランクのハンターの手際とかみて見たいなぁ」

「おぅ、任せろ」


 落とし穴って言っても、対象によって大きさや深さ、すり鉢状にするのかその逆か、穴の擬装とかも違ってくるんだよね。

 今回は人を想定してるから、そこそこ深くてそこそこ狭い、そんな穴になると思ってる。


「おはよう」

「仕事仕事!」

「1日経つと慣れるのもなんだ」

「…まだ慣れない」


 さて、新人さんたちも来たことだし、片付けを進めていくとしましょうか。




 お読みいただきありがとうございます!


 ストックが切れてしまったので、しばらく更新を停止させて頂きます。


 

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