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天気大荒れクッキング




ビュゴォオオオオオ!!!

ガタガタガタ!!



 え?なにこれ?何でこんなに天気荒れてるの?


「全ての窓の補強終わりましたよ!」

「ありがとうユック!」

「いやぁ、凄まじいですねぇ」

「だねぇ…。昨日まで何もなかったのに、今日になっていきなりだもんね」


 梅雨が来るには早いし、台風が来るにはもっと早い。

 まあでも、天気は人間にはどうすることもできないからこういう事もあるよ。


「スヲが水魔法で軽減してくれてたんで、何とか植物達の保護措置は取れました」

「属性魔法スキルってそんなことも出来るんだ」

「ええ」


 そういうのを聞くと、僕も属性魔法スキルを使ってみたかったって思うけど…仕方ないよね。

 隣の芝は青いって事だよね。


「こういう日は大人しくしてるしか無いよね」

「紅茶をお持ちしましたよ」

「ありがとう、ウィー」


 ドスドスと窓を小突いてくる大粒の雨を見ながら、最近流行りのチョコレートを食べる。


 はい、僕が開発案を提出しました。


「雨の日は決まって外を見てますが、何かあるのですか?」

「んー?僕は雨が好きなんだよ。何と言うか…落ち着くんだよね。雨音ってさ」

「ああ…そのお気持ちは分かります。でも、買い物とか行く時は困りますね。濡れてしまいますから」

「ははは!確かにそうだね!」


 そう言えば、カッパを着てる人が多いや。昔から、雨の日にはなんか違和感があったんだけど、ようやく気がついた。


 でも、この世界のカッパ…レインコートって言った方がいいね。とにかく、この世界じゃ魔物の皮を加工して作られたレインコートが有能なんだよね。

 付与魔法スキルで、撥水・防風・除湿機能も備わってるから中が蒸れないんだ。

 忍者からしたら傘って言うのは、雨の日に堂々と持ち歩ける仕込み刀って認識なんだ。隠密任務とかなら傘使わないんだよ。持ってても邪魔だし目立つし…。


「こんだけ雨風強ければ、外に出ないのが1番だよね」

「さすがのモンスター達も大人しくしていることと思いますし、冒険者の人も休業でしょう」


 冒険者ねぇ…。

 多分、僕のスキルなら冒険者として大成出来たかもしれないけど、実力は伴わなかったと思う。

 収集クエストなら、一つ手に入れてしまえばスキルでイカサマできるし、討伐クエストでも証明部位を量産してイカサマできちゃう。

 結果、ランクだけ上がって実力がついていかないなんて事もあるだろうね。


 僕の忍者スキルは対人、対情報戦向きだから、モンスター討伐とかには向かないんだ。

 陰陽師の仕事だったからさ、そう言うの。


「雨は色んなところに恵みを齎すけど、その反面、暴れるとすごい被害を被るんだよね。人の心と天気だけは読めないよ」

「ふふふっ、面白い言い方をしますね」

「そ?」


 普通の雨の日ならじゃじゃ馬娘さんが来るんだけど、今日は流石に大荒れだから来れないよね。

 と言うか来ないで?風邪引かれても困るし。


「ひま」

「何故貴女様は此処に?」

「ん?来た」

「雨の中を?」

「ふっふー。実は、私のお城の部屋から此処の部屋まで隠し通路を作ったのだー」

「いや、なにしてんのさ」


 と言うか、それを言っちゃ隠し通路の意味ないでしょ。本来の使い方されてないし。

 されない方がいいけどさぁ。


「通路と言っても、通路じゃないけど」

「なにそれ、とんち?」

「ん?ひとんち?」

「いやいや、なぞなぞ?って意味」

「ん。一緒にくるべし」


 あ、そうですか。

 ま、百聞は一見にしかずって言いますし、見せてくれるならその方がいいから行きますけど。

 僕、王族じゃないんだけどなぁ…。


 顔が見えてないから何とも言えないけど、多分ドゥ達みたいな裏の人間は渋面してると思うな。

 まぁ、王城のある同じ敷地内に建ってるわけだから此処に逃げてくる事なんて意味が無いんだけどね。

 だから、ルミルさんからのストップが掛からなかったんだろうし。


「これ」

「これって……なに?」


 え?これってアレ?魔法陣?って言う事は転移って事!?

 うわぁああ!!凄い!存在は知ってたけど初めて見るや!全忍者の憧れのものだよ!


「転移魔法陣」

「だよね!!」

「うっ。びっくりした」

「いやぁあ!感激だよ!」

「ん?魔法陣が?」

「と言うより転移魔法が!」


 本で読んで、この世界に転移魔法が実在する事は前から知ってたんだ。でも、500万人に1人くらいの割合だって書いてあってさ、見たり体験したりするのは諦めてたんだよね。


「転移魔法のスキルは滅多に居ない。だから、国で保護する」

「物は言いようだね」

「その力を悪用されるよりマシ」


 確かにね。実際に過去に事件があったらしいんだよね、転移のスキルを使った。

 国王暗殺とか貴族誘拐、窃盗とか。便利だもんね。

 便利って言っちゃいけないんだけど、そう言う力を手にした人が考えることはわかるんだよね。


「確かにそうだね。そこは僕も賛成」


 悪用されて困るなら、飼い殺しにしちゃえばいいんだよ。簡単な事さ。


 話は少し変わるけど、動物園とかの象が暴れない理由って知ってる?

 例えば、鎖か何かで繋がれてたとしても、子供の頃に調教されてると暴れないんだってさ。と言うよりも、子供の頃に暴れて逃げようとしても無駄だったからと諦めてるんだよね。

 簡単に言えば刷り込み。トラウマとも言えるけどね。


 だから、人間も早いうちから囲ってしまえば良いんだ。極端な話だと思うかもしれないけど、よく言えば育成…だね。

 国家に従順になる様に。そこに、空気がパンパンに詰まって今にも割れそうな風船を扱う様な対応をするのか、むしゃくしゃして蹴飛ばされる様な小石の如き扱いをするか…って言う違いはあるけど。

 前時代の忍び養育は後者だったみたい。

 我が家は関係ないけど。


「使う?」

「えぇ!?いや、それは流石に遠慮しとく」

「なんで?」

「いや、なんでって…。秘密にするものだよ?」


 この姫様はやっぱり型破りすぎるよ。

 まあ僕も、姫というより幼馴染とかと接する様な態度だし、僕も大概型破りかな。


「それより、もう直ぐお昼だし一緒に食べる?」

「ん。良きに計らえ」



 はい!と言うわけでやって参りました、ダンシャクキッチンのお時間です!


 ご用意いただくのは玉ねぎ、鶏もも肉、卵。

 調味料は砂糖、酒、味醂、醤油、出汁。


 まず初めに、玉ねぎを切っています。


「玉ねぎをこのくらいの大きさに切っていって」

「はい」


 次にもも肉を一口大に切ります。この時、皮が苦手な人は削いでしまいましょう。


「これを一口大にお願いね」

「はい」


 主婦の皆さんは、まず玉ねぎを切ってから鶏肉を切りましょう。

 出ないと、生肉の菌が他の食材に移ってしまいます。お肉を切ったまな板と包丁は、必ず漂白をしてくださいね?

 漂白がなければ、煮沸消毒でも良いです。


 フライパンに油を入れて、中火でもも肉を焼いていきましょう。


 お肉にある程度火が通ったら、切った玉ねぎを投入します。

 玉ねぎがしんなりするまでの間に、ボールやお椀などに卵を割り入れて溶きましょう。


 玉ねぎがしんなりしてきたら、砂糖、酒、味醂を入れて軽く混ぜ合わせましょう。


「んー…いいね。醤油も入れよう」


 良い感じに玉ねぎの水分が出てきたら、醤油と出汁も加えます。

 この時に、お好みでチーズや揚げ玉を入れても美味しくできます!


 汁気が半分ほどになったら、溶いた卵液の6割ほどを入れましょう。


「おぉ!これはうまそうですね!」


 ある程度卵液に火が入ったら、残りの卵液も投入してください。

 半熟や半生が嫌いな人は、2回に分けずにいっぺんに入れてしまいましょう。


 味付けや火の入り具合はお好みで、トッピングに一味や小口万能ネギを乗せても良いですよ!

 では。


「頂きます!」

『頂いきます!』

「はふはふ…うん、美味しい!」

「はふはふ…うまうま」


 ご飯の進む、親子丼の完成です!

 美味い…。


 つゆの甘さと玉ねぎの甘さがいい!醤油を多めに入れてるから濃いめの味付けだけど、それが卵と鶏肉に絡みついてご飯が進む!

 鶏肉()()を同時に食すなんて罪深い料理だけど、これを知ったら食べないなんて選択肢は無いよね!


「あ」

「ん?…あーあ」


 何かと思ったら、ルーが一味をドバッと掛けちゃったみたい。あるあるだよね。


「やめなさい」

「良いじゃないか」

「責任もって貴女が食べなさい」

「ぶー、ケチ」


 姫様が『ぶー』とかやりますか?いいえ。

 と言うか、僕の丼と交換しようとしないでもらっても良いかな?はしたない。


 もうちょっとつゆ多めにすればよかったかな?

 んー…まあでも良いか、美味しいし。


 お読みいただきありがとうございます!


 昨日、PVが10,000を超えました!

 今後もコツコツやっていくので、楽しくお読みいただければ幸いです!


 次回は18日の23時です!



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