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僕の考える、かっこいいオセロ!


 昨日は結局、みんなでワイワイと楽しい時間を過ごしたあと、お昼寝して起きたら夕方だったからオセロはまだ作れてないんだよなぁ。

 1日でできるなんて思ってはないし、そもそもの話として材料がない。


 盤は何が良いかなぁ。木?ガラス?それとも石材?うむむ……。


「何をお悩みになられてるのですか?」

「実は、おもちゃを作ろうと思ってるんだけど、その材料を何にしようかなぁって」

「おもちゃ…それはどんなものですか?」

「簡単に言えば、8×8の64マスの盤上に、表と裏が白と黒で分かれてる石を置いて遊ぶんだ」

「それだけですか?」

「必要なのはそれだけ。最初に白黒二つずつを真ん中に交差させて置いて、あとは自分の色で相手の色を挟むだけ。挟んだ石は、裏表を反転させて自分の色になる」


 オセロ…リバーシとも言うけど、これの良いところは簡単なところ。

 チェスや将棋みたいに駒に役割がない分、この世界の一般庶民でも絶対にできる!

 それに、どこにでも置いて良い囲碁と違って、必ず自色で挟んでひっくり返せるところじゃなきゃ置けないって、ルールも明確だし!


 それに、トランプとかのカードゲームと違って土地ルールみたいなのが無いのが良いところ!

 殴り合いで勝ったらそのまま…とか、角を三方から囲んだらひっくり返る…みたいなの無いよね?


 ん?意外と角をひっくり返すのはありなんじゃないのかな?

 おそらく、そう簡単にできないからこそ、できた時のメリットも大きいと思うし、揺さぶりにも使えそう…。


 でも、ただ作るだけなのはつまらない…。

 どうせやるのは僕とこの屋敷の人たちだけだろうし。


 家族?ダメダメ。

 簡単に作れて今までに無い新しいゲームを知ったら、確実に商品化して売り出すに決まってるからね。見せないし知らせない。


「やっぱり、ガラス材質のチェス盤ってのはかっこいいんだよなぁ」

「傷が目立ちませんか?」

「うっ」


 確かに。

 オセロは石のひっくり返す動きが多いから、その分傷もつきやすいかも。

 やっぱり木材?

 そしたら石は如何しよう。


 石も木で作ろう!白黒にする必要は無いし、彫り物をして表裏を分ければ良いや!

 石も木で作ろうって……文字にしたら訳わかんなくなりそうだなぁ。


 何を彫ろう…対立するものがいいな。


 呉と越?犬と猿?うさぎと亀なんか良さそう。

 でもなぁ……ああ!龍虎にしよう!

 よくアニメとかでも、対立する時の背景に使われる描写だし、戦国時代の『甲斐の虎』と『越後の龍』は有名だし!


 在り来たりで面白味に欠けるかも知れないけど、この世界じゃ知ってるのは僕1人だけだから良いよね?


「ウィー、今度良い木材を買ってくれるように手配してくれる?」

「どの程度の量がご入用なのでしょう?」

「チェス盤と同じくらいの大きさが良いなぁ。あと、別に石用に、黒い木材も少し欲しい。盤用のは白でお願い」


 白の盤上に、黒の木を彫って金を塗った龍虎の石…絶対に映えるだろうなぁ!わくわく!


「わかりました、手配しておきます」


 地球にいた時も含めて、僕は彫り物なんてやった事ないから多分失敗する。

 でも大丈夫!僕には『量産』があるから!


 あまり使いすぎると、経済が回らなくなるから自分に律してるんだけどね…。


 とまあ、それは置いといて…ついでだから将棋も作ろうかな。僕将棋好きだし。

 オセロと違って複雑だけど、チェスがあるんだから平気なはず。そう思いたい。


「そう言えば、サックスが試食をお願いしたいと言っておりました」

「わかった!じゃあウィーも一緒に試食しよ?」

「ご相伴に預からせていただきます」


 使用人さんたちの口調が硬いのは、本来なら城内で権力者たちに使えるから。俺の方が偉いんだぞ!とか俺を誰だと思ってる!みたいな人はいないみたいだけど、やっぱり地位が違うから明確な差別を作ってるんだって。

 みんな平等に、分け隔てなく…なんてものは長くは続かないもの。生まれた時点で男女で区別されてるんだから、雌雄一体でも無い限りそれはあり得ないんじゃ無いのかな?


 そんなわけで口調が硬い。

 けど、休日とか休憩中なら口調を砕けても良いよーってしてる。疲れちゃうじゃん?

 癖で…とか、その方が楽…って言うのなら強制はしないけどね。


「シヴィ様のおっしゃられていた味噌を入手することができました」

「おお!」


 王都に店を構えていたとは言え、商家としては中級程度だった僕の家では探しきれなかった食材の一つがお味噌だったんだよ。

 大豆はあったし豆腐もあった、醤油もあったから味噌が無いはずがなかったんだ。やっぱりあった!


「それじゃあ、出汁に溶いてみて!」


 出汁の取り方は教えてあるから、あとは味噌を溶いて飲むだけ!

 やはり日本人にはお米とお味噌汁は必須で、それらの元となる削節と昆布の出汁は欠かせないものだって事が改めてわかった10年だったなぁ。

 お米も、インディカ米じゃなくてジャポニカ米がベスト。


「ははは!既に出来てます!こちらを」


 出汁の取り方を教えた時に、一緒にその用途の一部として伝えた事が良かった!

 うん、すごい良い香り。味噌汁の色からして赤味噌を手に入れたのかなぁ?


「ずずず……うみゃい!」

「仕入れの際に、商人に発祥国ではどんな風にして食べるのか聞きましたが、シヴィ様がおっしゃられていたのとほとんど変わりない答えでした」


 と言う事は、その地には日本人が居るのかな?

 若しくはその子孫とか?


「製法も聞きましたので、今後は色々と試作していきます」

「うん!お願い!」


 元商人の息子としては、製法を聞かれるのが1番嫌なんだけどね。


「しかし、醤油も豆腐も味噌も、同じ原材料から造られるなんて思いもしませんでした」

「醤油と豆腐は受け入れられてるけど、味噌はこの国じゃ流通して無いと思うんだよね」

「それはそうでしょう。俺も、シヴィ様のご要望が無ければ見向きもしませんでした。寧ろ、好んで遠ざけていたでしょう」


 そりゃそうだ。

 日本人からしたら赤味噌に白味噌、合わせ味噌や八丁味噌などなどは慣れ親しんだソウルフードといっても過言じゃ無いけど、他国の人からしたら不浄物に見えるだろうし…。

 ジャパニーズカレーも同じ事が言えると思う。


 食べ物はまず見た目から良し悪しが分かれるから、日本国内でも好き嫌いはあると思う。

 例えば、昆虫食とか完璧なまでの豚食とか…。

 僕個人としては、魚の目玉は食べたいと思わないし、昆虫も遠慮したい。

 みんな大好き中華では、鶏の足を紅葉と言って食べたりするし、わんちゃんを食べたりもするらしい…。それは日本の文化にもあったけど。


 要するに、文明文化の違いや、同国でも地方によって食習慣は異なるって事が言いたくて…この国で味噌が受け入れられない食べ物だって事は十分に理解してるつもり……つもり。


「味見するのに相当な勇気が必要だったんじゃない?」

「はは……小一時間はスプーンと睨めっこしてましたね。ですが、料理人としては未知の食材に興味を惹かれまして、もしこれが…アレだったとしても、それはそれで良い経験になると自分を説き伏せました」


 僕には出来ないや。

 僕はそれがどんなものか知ってるから忌避感なく口に出来るけど、例えば…ダイオウグソクムシの姿造りとかを出されたら、絶対に食べない自信がある!

 動画で、Gと称される虫を食べる人を見た事があるけど、僕は死んでも無理だなぁ。


「僕の思ってる通りなら、味噌を作った国が海に面しているのなら多分、毒魚も食べると思うよ」

「はい?いや、流石にそれは…。死にますよ?」

「正確に言うなら、その魚の毒を含む部位を取り除いて調理する技術があるってことだね」


 日本人には言わずもがなのお魚さん、河豚さんです。

 いやはや、日本人の食に対する追求と言うのは恐ろしいね。処理を間違えたり甘かったりしたら死人が出る物を、わざわざ食べようって言うんだからさぁ。そりゃ変態って言われるわけだ。


 美味しいから大好きなんだけどね?


 確か……フランスだった気がするけど、そこではカラスが高級食材として食べられてるとか…。

 その国によって食文化は違うし、国の中でも食文化は違う。

 それを好き嫌いっていうのは良いけど、否定するのは違うと思う。その国や祖先、歴史を否定するのと同じだし。


 日本人はお米ばかり食べるから黄色なんだって言われたら、多分日本人だけじゃなくてアジア圏の人は怒ったり不服に思うんじゃ無いかな?

 稲は黄色じゃなくて黄金色だぁ!って。


「この新しい発見は、俺の腕をさらに磨いてくれると思います。今後も新しい知識を下さいね?」

「もちろん!僕も美味しいものが食べられるのは願っても無い事だし、それはここに住む人みんなの願いでもあるからね!」


 うんうんとウィーも頷いているし、食は人を豊かにするって言うのは、どの国でも、どの世界でも同じなんだなぁって感じたね。


 人は『衣食住』が最も必要なのは言うまでも無い事だけど、それが揃ったら今度は『医職獣』が必要になってくるはず。

 病気もするし怪我もするから医者や医療が必要だし、生きるためには職につかなければダメ。

 家畜がいればお肉が手に入るし、骨や皮、羽なんかも使える上に、農耕や害虫駆除もしてくれる種も居る。ペットなんかは愛玩としても良いし、狩猟犬とかも最高のパートナーとなり得るから。


 あとは、趣味とか教養…芸術とか…まあ言い出したらキリがないかな。


 この娯楽が少ない世界では、地球よりも食事の娯楽性が高いと思う。

 その結果、色々開発されていくんだろうなぁ。


 地球と違って魔物が居る。僕は生きてるのに遭遇した事はないけど、死んで解体された肉の状態なら見た事があるし食べたこともある。

 3歳の頃に一度だけだけどね?


 確か……なんとかボアって言ってたような。

 全身が角で覆われてる猪だって言ってたのは覚えてるけど、3歳の頃の記憶だしなぁ。

 美味しかったのは確かだった!うん!


 どうやってそれだけの角を維持できる、カルシウムを摂取しているのかは甚だ疑問だけどね。


「ご馳走様!」

「お粗末さまです」


 はぁ、お腹がぽちゃぽちゃするぅ…。


 少し寝ようかな?お昼寝…。


「食べてすぐに寝られますと、ワイルドカウになられてしまいますよ?」

「横になるだけー…」


 自然種の牛が魔物化したって言うアレね…。

 アレはもう牛じゃなくてバイソンだよ…。


 むにゃむにゃ。

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