† 独房生活 : 二十四日目 ~半解除~ †
二十四日目
「さて・・・・・・さすがにあなたをここに閉じ込めておくのは限界かと・・・・・・」
「は・・・・・・あ・・・・・・???」
なんだかお久し振りな感じのヒョロ助てんて~。笑みは変わらず穏やかだけど、なにか今までとは違うお話が・・・・・・なんだろにゃ~?
「さ、出ましょうか。行きましょう」
「へ?・・・・・・はあ・・・・・・」
促されるまま一緒にロビーへ。並んでロビーを見渡しながらヒョロ助が口を開いた。
「措置のままなので、完全とはいかないのですが・・・・・・あなたの隔離を半解除します。ここ、ロビーと言ってもそんなに広くはないのですが・・・・・・自由に出歩いて貰って構いません」
マジで?! ビックリです!!! サプライズです!!! 声も出ません!!!
ヒョロ助を見上げると相変わらずの笑顔。
くっ・・・・・・! 子リスちゃん・・・・・・可愛いじゃね~か♪
「え~~~・・・・・・内庭はまだダメです。外・・・・・・もまだダメですが・・・・・・」
内庭。ヒョロ助が指差した方を見た。
大浴場に行くときと、ドライヤーをかけさせていただく時に見ていた内庭。
たくさんの大きな窓の向こうに見える小さなグラウンド。
外。外。外。外。外。外。外。外。外。外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外外・・・・・・・・・・・・・・。
出たいな。うん・・・・・・出たい。出たい。出たい。出たい。出たい。出たい。出たい。出たい! 出たい! 出たい! 出たい! 出たい! 出たい! 出たい!出たい! 出たい! 出たい! 出たい! 出たい! 出たい! 出たい!!!
出たいよーーーーーーーーーーーー!!!
出たーーーーーーーーーーいっっっ!!!
「約束してください。危ない事と、脱走・・・・・・まあ無理でしょうが。脱走しないと。・・・・・・約束してくださいね?」
「・・・・・・・はい」
私の返事を聞くと満足そうに微笑んで去って行きました。
少し。少しだけ・・・・・・自由になった。
嬉しい・・・・・・・。
脱走? ・・・・・・正直・・・・・・・・・・出来ることならしたいです!!! わたくし、ここに用はないですから!
しかーし! 地理が・・・・・・さっっっぱり!!! まっっったく!!! 全っっっっ然!!!
分から~~~~~~~ん!!!!!!
ここ何処?!?!?!?!?!
ここはいったい何処なんだー?!?!
しかーも! 逃走経路もまっっったくもって! 分かりません!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・脱走しないでくださいね? とか・・・・・・・言われる日が来ようとは・・・・・・わたくし三十五歳です。しかも年下に・・・・・・。
L字型のロビー。強化ガラス張りの看護師たちの詰所。どこの窓にも白い鉄格子。ロビーが突き当たる所全てに大きく分厚い鉄の扉。勿論全て施錠されています。
・・・・・・その扉押してみましたから私。勿論全ての扉。ロビーに放たれてまず一番始めにやったのが鉄の扉押し。
だって出たかったんだもの★
ヒョロ助とのお約束? うん・・・・・・瞬時に忘れたわ♪ 更年期障害だわ!
「はい。そんな事してもムダ~」
看護師が笑う。ええ分かっていますとも。開くわけない! と。
でもね。電子化しているとは言え、人が管理しているのですから・・・・・・もしかしたら~♪ 万が一~♪ ・・・・・・億が一~♪ ・・・・・・・なんて、ね☆
ロビーの端っこで逃走経路観察&人間観察。
ロビーの一角に30㌢くらいかな? 高い段差の場所があり、そこは四畳くらいの畳敷きにテーブルとテレビが置かれている。
所々に長椅子。食堂。観察室。私物庫。診察室。面会室。喫煙室。病室。
たいして広くはない。が、この県に来て自由だったのは僅かに二日だけだった私にとっては、この広くはないロビーを自由に歩けるようになっただけでも嬉しかった。
それにトイレ・・・・・・そう! トイレ! 保護室の和式ではなく洋式に自由に行けるのが今は凄く嬉しい!!
たかがそんな事までが嬉しいなんて・・・・・・なに時代だよ?!
でも帰る場所は詰所に続いている保護室です☆ 独房です★
朝食から夕食までの時間限定自由です★ その間は保護室の私の部屋の鉄の扉は開放していただいております♪ 勿論保護室ゾーンへの扉の鍵も開けっぱです☆
紙とペンと本と眼鏡の許可がヒョロ助からゲットしました!
就寝時間には看護師に預ける決まりですが、全然OK~~~♪
本は・・・・・・『完全●●マニュアル』しかない ・・・・・・勿論それはNG!
「れい~れな~れいな~・・・・・・おいで~・・・・・・」
?!?!?!?!?! マジで?! 久しぶりです!!! 懐かしい呼び声と言葉が聞こえて来たよ! 独房の右隣から☆
女子高生『UH』保護室に出戻りです★
相変わらずずーーーーーっと喋り続けています。
独り言。大きな大きな独り言です。
夕食を終えて歯磨きしたら独房へ・・・・・・保護室施錠。夕方六時半頃。今まで通りだったら暇だ~~! って、なってたけど・・・・・・今日からはペンがある! 紙がある! 紙とペンと言っても私物のパンフレットですが・・・・・・。この県の。あの日詣った神社・仏閣の。・・・・・・懐かしいわ~~~。
外を救急車が通る。
「右に曲がりますご注意下さい」
「はい。注意します」
救急車の音声が聞こえる度に『UH』が返事をする。
「右に曲がりますご注意下さい」
「はい。注意します」
「右に曲がりますご注意下さい」
「はい。注意します」
「右に曲がりますご注意下さい」
「はい。注意します」
「右に曲がりますご注意下さい」
「はい。注意します」
律儀に応え続ける。




