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TSした妖精幼女は異世界で家族が出来る  作者: えもぬえ


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第40話 話し合っちゃった(3回目)

「⋯⋯ふごっ?」


「あらお目覚め?」


 ここは⋯⋯⋯神界か。何回か来てもう驚きもないけど、女神の住まいを見慣れるなんて俺くらいだろうな。っていうかなんで膝枕されてんの?


「寝たままだったからよ。それより聞きたいことがあるんじゃないの?」


「あーそうそう。あの絵本ってなに?ガルディアと関係あるの?」


 体を起こしながら聞いてみる。別に知らなくてもいいかもだけど、なんか断片的に知識が入ってしまうと気持ちが悪い性分なのだ。


「あるわよ、概ねあの本のとおりに世界は流れていたわ。でもねー、最後がちょっと違う」


「最後?」


 誰かが意図的に改変したのか、永い時の中で失われたということなのか?


「神が怒りを収めたっていう所からがね。本当はそんなことはなかったのよねー、最後まで怒りに我を忘れて暴れ狂っていた創造神をなんとか他の神々が抑え込んで三つに分けたのよ」


「なにそれぇ⋯⋯っていうか怒った神様って創造神様だったの?よく無事だったね」


「無事じゃなかったわーマジで世界ボロボロで崩壊待ったナシって感じ。その時に神達も力を使い果たして均衡を保つことも出来ないくらいだったしね」


 そりゃあそうなるわな⋯⋯。創造神ってあれだろ、一番偉くて機嫌一つで世界ごとパーンって出来る超常的存在だ。それを抑え込んでどうこうなんて普通に考えたら出来っこない。


「そりゃその時に居た神全員が自らの消失も厭わない覚悟だったからね?世界が失われたら結局そこから信仰を得ていた自分達も消えるんだし、なら止める以外の選択肢はないっしょ」


「それはそうかも。人が生きてればまた復活できるかもだしね」


「そそ。そんでその時分けられた内の二つが女神の姉妹のわたし等ね。神としての格を下げてただの管理者としての力くらいしか残ってないけどー。あと一つは世界樹代わりにしてガルディアのコアになってんの」


「それってどういう⋯⋯まさか」


 この世界は一度


「そう、滅んでるわ。結局創造神の力が大きすぎて止められなかった。星の崩壊は防げたけど地上に居た生物はほぼ全て姿を消した。その前に残っていた者を集めて次元ごと隔離して難を逃れた。それがこのガルディアという世界の正体よ」


「ほ、他の神様たちは」


「消滅したわ。ガルディアにはもう彼らを覚えている人も信仰してる人も居ない。復活はできない。私と姉さんの二人体制でなんとか切り盛りしてるって状況よ。ホントにキツイのよ⋯⋯帰りたくない」


 それはまぁ同情出来るがこいつがいないとヤバそうだしなぁ、がんばって姉の方を叩き起こさないといけないらしいがもう一つの疑問を聞いてみるか。


「あの絵本を書いたのってだれ?」


「崩壊前に異世界から召喚された勇者ね。流石に神々の前では人間なんて力の足しにもならなかったけど、生み出された数多の魔獣から人々を守ってガルディアになる予定の場所までは辿り着いたみたいよ?たぶんそれらを記録した文献が伝わって絵本になったんじゃないかしらねー」


 ここで魔獣かぁ⋯あんなのが蔓延ってたなら勇者くらい呼びもするか。もしやその勇者が銭湯とか作ったのか?


「まぁそんなとこ。ところであなた随分面白いことになってるけど自覚ない感じ?」


「へ?」


「まだ気付いてないんだ、ぷふー!口調とかも違和感無くなるくらい馴染んでるってことよね、とってもグッドよ!」


 そう言ってこの邪⋯女神は親指を立ててきた。どういうこと⋯⋯だ、いやまて。さっきから視線が低い。


「ようやく分かった?」


「な、な、なんでえぇぇぇ!?」


 慌てて体を見回す。短い手足、イカ腹、長い白髪、高い声⋯この世界でも俺は幼女姿になっていた。いやマジでなんで?割とここにいるときだけ元に戻れるの心の支えになってたんだよ?俺が男だって自認出来た唯一の場所だったんだよ?


「いやぁがんばってキャラクリした甲斐があったわー。さっきも私の膝の上で寝てた時とか何回お持ち帰りしようか悩んだくらい」


「い、いやちょっと!どういうことなのこれぇ!?」


 説明を要求する!俺が妖精だからってこれは意味が分からんすぎる!このままじゃなんか不味い気がする!精神世界でも幼女になるってつまり⋯⋯ヤバい!


「よくわかんないけど神気も帯び始めてるっぽいよ?普通の妖精なら問題ないんだけどさ、その体って私お手製じゃん?魂も相当なモンだし、条件が揃えばこうもなるかー、って感じ。ウケる」


 ウケてんじゃねえ!条件って何!?もしかしてこのままだとちょっとずつ幼女になってくの俺!?


「どっかで信仰でもされてんじゃない?いやー私も腐っても創造神の分体って思えてちょっと誇らしいっすわ!」


「た、たすけてよぉ⋯⋯こんなのあんまりだよぉ⋯⋯⋯」


 もう俺にはどうしたらいいか分からん⋯頼れるのはこの自称女神くらいしかいないし、マジでどうにかしてくれ。俺は身も心も幼女になんてなりとうないんじゃ⋯⋯。


「ぐっ⋯中々の破壊力じゃんか。こっちおいで、お菓子あげるから」


 どうやら涙目(嘘泣き)で上目遣いをする媚びた仕草が効いたらしい。二度とやりたくねぇ。あ、頭ですか?撫でるって言うならどうぞご自由に。それくらいで精神の安全が保証されるなら許す。


「いいこいいこ⋯⋯まぁ信仰自体は止めらんないだろうけどね。私が思うにそっちは本命じゃなくて、家族の影響かもしんないわねー」


「お姉ちゃん達の?」


 貰ったお菓子を食べながら聞いてるけど家族の影響とは?少なくともクリスと誓約した段階ではまだ平気だったと思うんだが。いや、意識したのが今だからあんまり過信はできないか。これ美味しいっすね、どこのメーカーのクッキーなんです?


「んー、母親かな?クリスとティナはあなたが妖精だと完全に理解して付き合ってるでしょ?でもあの母親はねぇ、娘としてかなり溺愛してるから。誓約までしてかなり強めに引っ張られてるし」


 お母様⋯まさかのお母様!めちゃんこかわいがってくれるから、されるがままだった弊害がこれか。でも断るのもなぁ。あーんされたり抱っこされたり可愛い服着せてもらったりちょっと嬉しかったし。


 ⋯⋯思考が幼女寄りになってないか俺。いつからだ?これ本気であかんやつでは?


「そんなに心配しなくても、あの母親より甘やかす家族が増えなければ大丈夫なはず。直ちに精神に影響はない」


「それ下手したらヤバいやつじゃ⋯⋯」


「でーじょうぶでーじょうぶ!そんなことよりそろそろ朝だけど起きなくていいの?」


「えっ、ここだと時間が進まないんじゃないの?」


「それは教会で正式なパスを経由したらの話っすわ。寝てる間なんて普通なら神託降ろしてはいサヨナラってもんだしね」


 もう朝なのかー、精神的にめっちゃ疲れたから起きても頭が働く自信がない。体は二度寝を求めるだろうなこれは。


「あ、言い忘れてたけど私が居ないせいでそろそろ魔素の濃度が限界だから早めにダンジョン行ってね!じゃ!」


「えっ?」


 そうして俺は何度目かの白い光りに包まれた。最後になんか爆弾残していったけど魔素が限界ってどういうことだよオイ。ダンジョンに行けば解決するのか?今攻略中だから時間の問題ではあるんだけど、割とノールジュの担当してる部分は危険度高いっぽいしなぁ。とりあえず起きたらこの話を姉達にしてみるか。

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