決闘
「ふむ?ウキョウからの手紙だと?」
「はい 陛下」
「読んでみせよ」
「現人神の御使いとして認定されたシャーリーは国に仕える事ができません。諦めてください。もし どーしても望むというなら神敵としてクライス王国を討伐する事になるでしょう。」
「はあ?なんだそれ!陛下そんなのシカトだよな?」
「そうですねぇ。ウキョウは少し調子に乗っているのではぁ?陛下 こちらから攻めるのもいいですよぉ 私とエリスがいればウキョウ如きすぐですよぉ」
「続きは?」
「もし諦めることが出来ないのなら剣聖エリス 大魔導師カーヤとの決闘を望みます。そちらが負けた場合はそれ相応の覚悟をしてもらいます。あなた方が勝った場合好きにすればいいでしょう。もちろん シャーリーを求めているという事なので 契約者として渡すつもりはありませんのでこちらも本気でやらせていただきます」
「は?おいおいウキョウ 舐めすぎじゃねぇか?」
「私達に勝てると思っているのかしらぁ」
「ふむ お主ら 勝算は?」
「あんな回復しかできねぇような女 ザコ過ぎるぜ?」
「はっはっ いい余興ではないか ウキョウも妃として手に入れる事が出来れば神の仕える国として我が国は世界最強になるであろう」
「へへっ 死なねぇ程度に痛めつけてやるよ」
「そうですねぇ その後は陛下のお好きにしたらいいですよぉ」
クライス王はウキョウとの決闘をクライス国全土に発表し 神殿関係者は激怒した。それだけではない。クライス国以外の全部の国の王もだ。
ウキョウはアイネス神自ら認定した現人神である。そのウキョウを一国の王如きが妃にするというのだ。これは神への侮辱である。
その決闘はワールドヴィジョンによって 世界中に見られることになった。
開催場所はクライス王国 闘技場
王はこれは祭りだと大勢の観客を招いた。
剣聖と大魔導師を国に仕えさせている。
そして新たに聖女と現人神まで手中に出来るのだから他の国に対する切り札として使えるのだ。
戦争などに負けるはずはない。いずれは世界征服も夢ではないだろう。
『さて 今この決闘は世界中の人々が見ています。なぜこのような事になったのでしょう?』
『我が国に所属する現人神ウキョウ そして聖女シャーリーは我が国の貴重な人材であり 我に仕える義務がある。それを拒否する事は大罪である。』
『私は神殿の所属なので クライス王国には縛られることはありませんよ』
『私もウキョウ様の御使いなので 私に命令出来るのはウキョウ様だけなのです!』
設定としてシャーリーはウキョウの御使いと言う事になっているので 公式の場ではウキョウに様をつけているようだ。もちろんプライベートでは仲良しなのでタメ口と呼び捨てだ。
『ええ 神の御使いを奪おうと言う そして私までもクライス王国に仕えよと言いますか。これは神に対する反逆ですよ?』
『何ねむてぇこと言ってんだ!お前はタダのヒーラーだろうが』
『ええ 私達に勝てると思っているのですかぁ?』
『まず あなた方に負けるって言うのが想像できませんね』
『私でもあなた達には勝てますよ!』
『はぁ?!何言ってるのコイツ!』
『虚勢を張るのはいい加減にしたらいかがですかぁ?』
『あなた方は自分の欲の為に 私のお友達を手に入れようとしましたね?』
『聖女と現人神は我が国に所属する以上は 士官するのは当然である!』
『それ以上は求めないと?』
『もちろんだ!そなたらがクライス王国に仕えれば 他の国とも連携して素晴らしい世界になるであろう!世界平和の為に協力するのが神なのではないか?』
『面倒ですねぇ。まぁ いいでしょう・・・ まずは決闘でもしましょうか。』
『ははっ!勇者パーティー時代にろくに攻撃もしなかったヘタレに何が出来るっての!』
『あなたの回復は確かに見事ですがぁ 戦闘力はないのですよぉ?』
『はぁ・・ こんな戦い無意味なんですけどねー。好きにかかってきたらいいですよ』
『まずはぁ 私からいきますよぉ』
『というか 2連戦とか卑怯じゃないですかー?!』
『シャーリーは座ってていいですよ。』
『おやぁ?その聖女に助けをもとめなくてよいのですかぁ?』
『ええ あなたとエリスくらいシャーリーが動くまでもありません』
『減らず口をぅ!』
大魔導師カーヤの全力が見れるとあって世界中の魔法使いは空に投影される二人の姿を目に焼き付けようとした。
カーヤが詠唱する魔法は レベル4000を超える世界最強の魔導師カーヤの最も強い火属性魔法『ヘルドラゴン』だ。
対象が燃え尽きるまでは決して消える事もない。
『はっはぁー!燃え尽きなさいぃー!』
30mはあるような巨大な蛇のような龍の形の灼熱の炎が空を舞う。
観客は大興奮だ。カーヤの全力はこれほどの物なのかと恐れおののくばかりである
ウキョウは 『はぁ・・・』とため息をつき
『アンチマジック』
と一つの魔法を唱える。
襲い掛かるヘルドラゴンがウキョウの前に届く寸前に『パァーンッ』と言う音と共に消え失せたのだった。
『な なにをしたんですかあああああ!』
『魔法を無効化出来る魔法ですね。』
『そんな魔法あるわけがないですよぉ!!ヘルドラゴンx30!!行きなさい!』
『ムダですよ・・・』
ヘルドラゴンが大量にウキョウの前で消されていく。
『ば ばかな・・・ なんなんですかぁ・・・それぇ・・・』
『次は私の番ですね ホーリーグレイプニル』
ウキョウの魔法と共に現れたのは 無数の光の鎖だ。
カーヤの身体に絡みつき手足に光の鎖で空中に宙釣りにされる。
『な なんですかぁこんなものぉ』
必死にもがくカーヤだったが力も出せない。魔法も何もかも発動しないのだ。
『それは ホーリーグレイプニル 私が解除しない限り あなたのMPを吸い続け 魔法もスキルも完全に封印します。』
『そ そんなぁ・・・』
『これ 一度発動したら MPも消費する事なく拘束し続けるのであなたは一般人になりますね』
『ひ ひぅ・・・』
『ついでに パージ』
解除魔法 パージを使いカーヤの装備を次々と解除していく。ローブ 杖 帽子 シャツ 靴 残っているのはブラとパンツだけの状態になった。
『ひぃ キャアアアアアアアアアアアアア』
『何を今さら恥ずかしがっているのですか。その身体で勇者と毎日ベッドの上で楽しんでいたじゃないですか?私が必死に仕事している間にあなたとエリスは仕事もろくにしないで毎日勇者とイチャイチャと・・・』
『なああああ』
『雑用はすべて地味女にやらせればいいんですよぉー あいつをこきつかって召使にしましょう~ でしたっけ?あの勇者もろくでもなかったですが あなたとエリスも相当有害でしたね』
『ご ごめんなさぁい・・・・!』
『て てめえええええ 地味女!カーヤを離せ!!!』
『いいですよ?その代わり負けた代償でスキルと魔法を一生封印させてもらいますね』
『それだけはああああ やだあああああああああああああああああ』
『知りませんよ。私のお友達を使い潰そうと計画したのあなたとエリスでしょうに 次はエリスですね。もしエリスが勝てたら解除を約束しましょう』
『え えりすぅ・・・』
『任しとけ!!』
エリスが闘技場に降り立ち大きな剣を構える。
ウキョウも相手の土俵に合わせて剣を使うようだ。
『はぁ?お前 舐めてんのか?剣であたしに挑むだと?』
『あなたに合わせて剣で勝負してあげますよ。好きにどうぞ?』
『ふ ふざけやがって!!!剣聖エリスをどれだけバカにすればいいんだ!』
『ただのビッチだと思ってますよ』
『死んだぜ?お前』
エリスの突進スキルでウキョウの目の前に一瞬で現れ 目にもとまらぬほどの剣技が繰り出される
『うらあぁあああああああ』
『おそ・・・ ダリアの足元にも及ばないじゃないですか』
エリスの剣に合わせて全てをいなす。
『な なにぃ・・・』
『はぁ・・・ こんな者が世界で一番強い剣士ですか・・・ アイネスはレベルが低いですね・・』
『どういうことだよ!お前にそんな事できるわけねぇ!』
『修行しました 2日間』
『ウキョウ様はあなた達より相当強いですよ!』
『2日だと・・・』
『こちらから行きますよ 死なないといいですね?』
ウキョウのレイピア『月光』はアサミの鍛冶スキルで作った特注品である。手元のスイッチを押せば人体を斬る 斬らないを切り替える事ができる人を傷つける事が苦手なウキョウにはちょうどいい武器である
ウキョウの一撃一撃で粉々に壊れていくエリスの装備
斬りたい物だけを斬るという特性をもっているためにエリスには無傷だが装備はそうはいかない。
大剣も斬られ 防具も斬られるがエリスは目に追えない斬撃にどこが壊れるか恐怖するしかない。
またエリスも カーヤと同じような姿になる。切り刻まれる服で見えてはいけない場所も見えてしまいそうだ。
エリスはウキョウの攻撃が終わるとへたり込み。おしっこを漏らしたようだ。
恐怖で何も言えないくらいに震えてしまっている。涙と鼻水で顔もぐちゃぐちゃだ。
『ば・・・・ばけもん・・・・』
『あなたはそうですねー。武器が持てないというスキルを使いましょうか』
『へっ へっ・・・・?』
『カーヤは魔法 スキルの封印 あなたは武器さえあればまた調子に乗るでしょう?武器を持てなくなれば平和ですよね?』
『なっ そんな事になったら・・・』
『剣士としても引退でしょうね』
『ま まて それはやめろおおおおおおおお』
ウキョウの武器解除スキルはこれから先も続く 許されたのは家庭で使う包丁くらいである。
それ以外は武器とみなし持つことも許されなくなった。
『しょうがないですからね 包丁だけは許しましょう。料理人ならなれるんじゃないですか?』
『うううう うわあああああああああああ』
『さて 陛下 次は陛下の番ですね?』
『わ 我は関係ないであろう?!』
『あなたの勅命で私からシャーリーを引き抜こうとしたではありませんか?』
『その二人が言って来ただけなのだ!我のせいではない!!』
『そうなんですか?ウソをついていたら私どうするかわかりませんよ?』
『う ウソではない!!神に誓って!!』
『ですって アサミ お願いしますね』
闘技場にアサミが転移で現れ アサミの強制召喚でクライス王も闘技場に呼び出された。
『やぁやぁ 私はミューノア星こっから一番近い星の現人神アサミ・I・ペンドラゴンだよ。よろしくね! まぁウキョウの神仲間ってとこかな?』
『ええ アサミは私のお友達の神です。人の記憶を見せるというスキルも持っていますね』
『へっ!?記憶を見せる・・・だと・・・・?』
『ふむふむ これかなー』
アサミの記憶再生術をワールドヴィジョンで流れる 各国の王も神殿も世界中の民が凝視する。
『ふむ ウキョウの新しい部下の聖女を我が国で確保し繁栄をもたらすとな?』
『そうですぅー ウキョウもついでに我が国で飼いならすのもいいですねぇ』
『あの女の癒しの力は世界で一番だからね 我がクライスもますます発展して他の国との差もまた広がるだろうね』
『なるほど ウキョウを我が妃に迎える事もできそうだな。わかった。その新聖女をお主らの部下に任命するとしよう』
『別にウキョウはいらないんですけどねぇ』
『陛下の性奴隷にでもなんでもすればいいよ あたしらはウキョウが目障りなだけだからな 苦しめばいい』
『お主らに嫌われるなどウキョウも散々だな・・・ 我が大切にしてやろうではないか。そして新たなる戦力として世界征服なども面白いではないか ウキョウも神というが名ばかりのお飾りであろう。我の妃になれるのだ 泣いて喜ぶであろうよ』
『ああ いいな!最近つまんねぇ仕事ばっかで退屈してたんだ 世界をぶっ潰すのも楽しいな』
『ふふ 私達に跪く世界 素敵ですわねぇ』
『さぁ 我が国の為にまずは聖女を手に入れようではないか。その後世界に宣戦布告である!!』
『これ ウキョウにケンカを吹っ掛ける前の三人の様子だね』
『ば・・・バカな・・・・』
『世界の皆さん 見ていますか?クライス王国は全世界に宣戦布告をするようですよ?』
『あらら これはこの国まずいんじゃないかなー』
『私はクライス所属ではないですからね。この国がどうなるかはわかりませんが頑張ってください。もちろん私はクライス国から去りますよ?シャーリーを連れて世界に関わらないように隠居しますね。私のこれからの活動は神殿に所属するのをやめ世界を回って治療が必要な方達に魔法を施すくらいです。自由に世界を旅したいですからね。』
『う ウキョウ・・・ 冗談であろ?』
『冗談も何も あなたが戦争したいのでしょう?すればいいじゃないですか』
『それが神の言葉なのか?!!』
『すみませんね お飾りの神は戦争不介入です もちろん そこの剣聖と大魔導師とかいう過去の人はもう戦力として期待できませんね これからレベルドレインでこの二人のレベルを1にします。たかだか4000程度のレベルいらないんですけどね。』
『れ・・・レベル1って・・・・』
『そんなのあんまりよぉおおおおお!』
『各国の王様の判断に任せますが 私は手助けなどは一切しませんよ?』
『これを無視したら神として許されることはないのだぞ?』
『あはは 面白い事言うねこの王様 名ばかりの神ってバカにしといてさぁ』
『まぁしょうがないですね 世界の各国の王様 現人神ウキョウ・モリナガです。今回のクライス国の宣戦布告は私は一切関与しませんが 国民の移住などが終わり次第好きにしてください。一般に危害を食らえた場合 その国には私は二度と関わる事はしないでしょう』
『まぁ クライスから逃げ出したいなら今のうちってことだね?』
『ええ もちろん 他の国に逃げる事も出来ない方もいるでしょう その方達は私の方で保護します。簡単な町程度なら作りましょう。そこに移住すればいいですよ』
『私もウキョウ様の御使いとしてその町で治癒師をしてもいいですね』
『ふふ シャーリー頑張りましょうね!』
『何でこんな目に・・・』
『その二人にそそのかされた自業自得ですよ?』
『そうだねー 悪意を持っている人はクライスから出る事が出来ないって制限もつけさせてもらう』
『悪人が移住とかしても困りますからね』
『大丈夫 私の能力でちゃんと振り分けられるからね 国の外に出れた人は善人ってことだよ』
『出れた人は保護してもらえる可能性が高いですね』
この様子を見た各国の王 そして神殿関係者はクライス国を徹底的に滅ぼす決意を決めたのだった。
移民の準備が整い次第攻撃開始をするのだろう。




