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田舎者の初ルシフェル

「あ・・・あ・・・あのっ!」

「なんだ兄ちゃん うちの国は初めてか?」 

「オレ田舎から出て来たばっかで!し・仕事さがしている・・・!」

「そうか 身分証明とか持ってるのか?さすがに身分証明無しで通すわけにはいかねぇし 入国費もあるのはわかるだろう?」

「こ これは・・・ オレの全財産だ・・・ 歩いてやっとここまで来れたんだ!」


と銀貨30枚ほどを手のひらに乗せ入国の門番に見せつけた


「ふっ 安心しな 入国費は銅貨1枚だ」

「え・・・ や・・・安くないか・・・?」

「まぁ 入場料が安いだけだ 国の中の店や身分証明書の発行で結構な金かかるぜ」

「身分証の発行はど・・・どこですれば・・・?オレわかんないから・・・」

「とりあえず 仮発行の入国書を渡してやる ただその入国書の期限は3日だ 移住するなり観光して帰るなり勝手にすればいいが その期限超えて身分証明書を持っていなかったら不法滞在で強制送還だ。お前の田舎がどこかわからねぇがな」

「はは・・・ どこなんだろうな・・・ オレにもわかんねぇ・・・」

「なんかワケアリなのか?城にいけばそういう相談窓口もあるぜ?そこで身分証明書も作れるからあよ 行って見な」

「あ ありがとうな・・・!」

「ああ ルシフェルへようこそだ」


オレは2年前以降の記憶を持っていない 年は14歳らしいが どーやって生きて来たのかもよくわからない。親もいなかった 家族もいなかった。気づいたら 森の中にいた。そっからふらふら歩いてやっと見つけたのがカンガルーって国の中にある 獣人領だった・・

何もわからねぇガキのオレを拾ってくれたのがオヤジだった。日雇いのバイトなんかを紹介してくれてある程度は生活出来る環境なんかも整えてくれたけど オレは一体誰なのか・・・こんな得体のしれねぇガキ拾って育ててくれてもどう恩返しすればいいのかわかんねぇ

そんな 獣人のオヤジも今年に出来た新大陸に行って名を上げてぇとかで旅に出ちまった。

またオレは一人ボッチになった。

村の知り合いは オヤジが世話してたからって理由だったからオレに仕事紹介してくれてたみてぇで

やっぱり 記憶喪失の身元不明のオレなんか怪しくて雇えねぇんだろうな

この村にいるよりルシフェルに行った方が稼げるって言われて 穏便にだが追い出されちまったってわけだ。

この世界では国と国との移動は一瞬で移動できる だけど通行料は金貨1枚 

俺の生活費の3か月分だ。そのルシフェルに行くのはわかったが さすがにそんな金はもったいなくて使えねぇ。

だから 歩くしかねぇって思った。腹減ったら水と食えそうな草見っけて食べたりでようやく1か月かけてここまで来た。

水浴びとか洗濯しなかったら そこらの貧民街の乞食みたいなかっこだったろうな

そして 入国の警備兵のおっさんに金払ってやっとルシフェルに入国出来たってわけだな


国中からただよう うめぇ匂い オレの家にはテレビとかなかったからルシフェルの都会の凄さはオヤジからしか聞いたこと無かったが 半端ねぇうまそうなニオイがして腹がとんでもない悲鳴をあげてしまった。

周りからは クスクスとオレを笑う声がしやがる 見せもんじゃない!

屋台通りを歩くと クソうまそうな肉の櫛が銅貨2枚 うう・・・ちょっとたけぇんじゃねぇか?


まぁ 少しだけなら使ってもいいか ただ3日で身分証明作らなきゃいけねぇし・・・

とりあえず 腹ごしらえだ

と どこでもいい メシが食いてぇ・・・


「いらっしゃ~い ざこのお客様~」

「はっ・・・!?何でいきなりそんな事言われねぇといけねぇんだよ」

「ふふ~ 疲れ果ててますね~ よわよわですか~?」

「そ そりゃ 歩いてルシフェルまできたからな!疲れてんだ!」

「ふぅ~ん お金ないんですか~? このお店たかいでちゅよ~?払えまちゅかね~?」

「な・・・マジか・・・」

「あら~ やっぱりざこだったんですねぇ~ ざぁ~こ❤」

「なぁ オレに何か仕事紹介してくれねぇか?」

「ここは メスガキッサ 職安じゃないですよぉ~ 場所間違えてますね~ そんなのもわかんないんですか~?」

「し 仕方ねぇじゃねぇか!初めてのルシフェルで腹減ってどの店がうまいかとかわかんないんだ」

「そうですね~ そんなざこのお客様には~ 色々レクチャーしないといけませんねぇ~」

「お おう 頼むわ」

「まずぅ~ お客様のようなざこの方は冒険者ギルドの雑用専門でもしとけばいいんじゃないですか~?」

「冒険者ギルドか 聞いた事あるな・・・ルシフェルにもあるのか?」

「ざこな仕事しかないですけどね~ お客様にはお似合いじゃないかなぁ~ くすくす」

「オレ なにができるかわかんないけど ルシフェルの方が田舎より稼げるんだろ?そー言われて村から送り出されたんだ」

「なるほど~ 故郷の期待の星ですか~?よっわそーですけどね~」

「くっ この店員口悪すぎねぇか?!」

「へへ~ これがデフォなんで~」

「大丈夫かよこの店 潰れるんじゃねぇか?」

「お客様がざこすぎるだけで 大繁盛で~す おあいにく様~」

「くっ 腹立つな・・・」

「今大人気なんですよ~ さすがオーナーがアサミ様なだけありますね~ ほんと感謝ですぅ~」

「えっと 偉い人なのか?オレそういうの詳しくなくてさ」

「え~ そんなこともしらないの~~~?それでなんでルシフェルきたのか理解不能~」

「はっ?お前も雇ってもらってるだけのざこなんだろ?ざぁ~こ❤ざぁ~こ❤」

「あらあら 生意気に挑発~?そんな子にはオシオキしないとだねぇ~」

「な なにする気だ!」

「まずは 水でも飲んでもらいましょうかね~ ほーら ざこのお客様 たっぷりどうぞ~」

「お おう 喉乾いてたんだ さんきゅーな」

「お水も一人で飲めないよわよわさんだったんですねぇ~」

「し 仕方ねぇだろ!ずっと歩き旅だったんだから!」

「じゃぁ なんか食べ物でも食べた方がいいんじゃないかなぁ~?今にもよろよろと倒れそうだしぃ~ はいメニューどうぞ~」

「聞いた事ねぇ料理ばっかだな」

「え~ どんなざこな田舎からきたんですか~?」

「何もない田舎だったけど そこまで言う事ねぇだろ・・・ ん ザコライス?どんなのだこれ」

「え~ ザコライスしらないの~?」

「なんかすっげぇ腹立つが とりあえずそれ」


「ザコライス ざこのお客さんからはいりまーす」

すると周りの店員が ざぁーこ ざぁーことはやし立てる オレ メニュー頼んだだけなんだけど!

くっそ みじめだ・・・ なんでこんな目に・・・


「はぁーい ざこのお客様 ざこらいすだよぉ~」

出て来た料理は 米を炒めた トマトソースや肉や野菜の上にチーズがかかったうまそうなものだった。これがザコライス・・・ うまそうだ・・・


「お客さんざこだからねぇ 一人で食べれるかなぁ~?あ~んしてあげよっか~?」

くそ バカにしやがって・・・!

「あ その顔 期待しちゃってる~?ウケるぅ!するわけないじゃ~ん」

「くっそ なんなんだこの店・・・そんなにいじめるなよ・・・ひっく・・・」

「あらら~ お客さん 泣いちゃった~? ざぁ~こ❤ざぁ~こ❤」

「ひっく ひっく・・・ うまい・・・」

「えへへ・・・そんなにおいしいのぉ~?舌ざこすぎぃー」

「あんたの事は嫌いだけど!これはうめぇよ!」

「もう よわよわだなぁ~」


ちりんちりん


「やっほー ちょうしどう?日本のお土産いっぱい持ってきたよ~」

「わぁ アサミ様 いらっしゃいませ~。お土産ですか~ うれしいぃ~ いただきまぁす」

「ひっく ひっく・・・」

「ちょ えっ 泣いてんじゃん!?そこまでしちゃったの?」

「ん~ ちがうんですよぉ~ このお客さん ざこだから~よわよわなんですよぉ~」

「えっ!?そうなの?」

「あ あんた誰だ!」

「あー 私はアサミ この店のオーナーだよ!傷ついたらごめんね!」

「アサミ様~ この子 田舎から出て来たばっかで仕事探してるんだってー」

「ふーん そうなの?」

「ま まぁ・・・ 3日で身分証明つくんないと追い出されるみたいだな・・・」

「マジか 少し見させてね 栄養もあんまり取れてないみたいだし」

「1か月歩いてきたんだ・・・でも ちゃんと川とかで洗濯したり水浴びしたから・・・そこまで不潔にしてたわけじゃないんだ!」

「お客さんたいへーん!ザコ過ぎたんだね~」

「どこから来たのかな?私ルシフェルの身分証明を発行出来るからね 今手続きすれば城にいかなくていいよ」

「ほっほんとか!オレの故郷はカンガルーの獣人区だけど 本当のとこはわかんねぇ! いつのまにか森に立ってたんだけど その前の事は何も覚えてないんだ 獣人区の村までやっとついて 親代わりのオヤジに育てられたんだ」

「少し調べさせてもらうよ 鑑定」


名前アイ・カワシマ 14歳

出身 日本 女性

スキル 異世界言語理解 


「えーっと あなた女だったんだね なんか男の子っぽいかっこだったから勘違いしちゃった んで あなたはこの世界の人間じゃない 地球人だね」

「えっ!?どういう事だ!?オレはミューノアの生まれじゃないってことか?!」

「あれ~ お客さん 地球人だったんだ~」

「オヤジに拾われてから男の振りしろって育てられたんだ 女ってだけでえろい目にあう可能性が高いって言われたからな!」

「なるほどね だから オレとか男っぽい言い方してたんだね」

「えーっと アサミ様だったか?オレ 独り立ちしろって言われて村からでて仕事探しにきたんだ!なんかねぇかな オヤジは好きに生きろって旅に出ちまった」

「まず 私達ルシフェルは あなたみたいにこの世界に迷い込んだ子供を保護して 住む場所を提供したり 仕事をしてもらったりしてるんだけど あなたも保護対象なんだけどどうしたい?」

「お オレは・・・人の役に立てる仕事がしてぇ!」

「そうだねー・・・ 今14歳か」

「そうみたいだ!ある程度の読み書きと数字の計算はわかる!あとは雑用とかだけど」

「ん- まずアイ あなたはまだ未成年だからね」

「え オレはアイじゃねぇ!」

「え アイって名前じゃないの?」

「拾ってくれたオヤジはゴンタって名前つけてくれた!」

「アサミ様~ それ男の子の名前じゃな~い?」

「そ そうなのか!?オヤジ・・・」

「まぁ あなたの本当の名前はアイ 日本人だよ まぁ引き続きゴンタって名乗るなら別にいいけどね」

「マジかよ・・・ ゴンタよりアイの方がかわいいじゃん・・・」

「私もそう思う!」



「アサミ様 このアイはど~なるの~?」

「ん- とりあえず アイ あなた来年から学校に通うことにしようか」

「え!学校!?オレで出来るのか?」

「来年に学校が出来るからね それまでは私達の国で保護する そして学校に通って立派な仕事につけばいいよ」

「アサミ様 この子記憶喪失みたいだよぉ~」

「その 日本・・・?のことは全然覚えてねぇけど 計算とかは教えられなくてもわかったな」

「なるほど もうすでに日常で使っている事は問題なく理解できたけど 思い出関係が全滅したのかな 確かに完全に記憶失うと 赤ん坊ってことで歩くこともわからないだろうしね」

「ばぶちゃんになっちゃうね~」

「とりあえず そーだねー どっかの養子になる?」

「オレなんか・・・いいのか・・・?アサミ様が偉いんだったらそこの知り合いも偉い人なんだろ」

「そうだねー 少しまってね」


『日本人の記憶喪失の14歳の女の子 養子にしてもいいって人いないかな?』

『ペンドラゴン家じゃダメなんです?』

『うちはちょっと引き取った子多すぎじゃない?!他にもいそうだし。とりあえずメルティさん 開校はどのくらいだっけ?まだ14歳だから学園に入ってもらいたい』

『そうねー 寮も校舎ももう出来てしまったし 形だけは出来たから 来年の4月には開校を目指したいわね』

『んじゃ それまで基礎的な学力を身に付けさせよう』

『アサミさん サワキ家で養子にしてもいいだろうか?』

『えっパパさんいいの?』

『ふふ 娘の扱いなら俺とママにお任せだよ』

『ええっ うちに妹ができるの!?うれしい!』

『いいかもしれないわね ユイも下の子が出来て嬉しそうだしね アサミ姉さん 私の妹にするわ』

『マイも伯爵位をもらったし 貴族のお嬢様に絡まれても大丈夫じゃないかな?』

『では 教育の方は私がバカにされないようなレベルまで上げましょうか』

『エマが仕事増えてもいいなら サワキ家で家庭教師してほしい』

『かしこまりました 期間が期間なので少し厳しい授業になりますが』

『日本人転移者なんだけど 完全に記憶喪失 ただ計算何かは出来るみたい 拾われたみたいでその親が旅に出ちゃって独り立ちしろって感じらしい 男みたいに育てられたから少し男の口調使うくらいかな』

『名前はなんていうのかな?』

『アイだね サワキ家っぽいね?』

『アイか・・・ マイ ユイ アイ ムイ へへ うちにぴったりだね!』

『とりあえず ケンジ王 養子縁組の手続きとかお願いね』

『ええ わかりました』

『アサミ姉さん 今どこにいるの?』

『メスガキッサだよ 1か月かけてルシフェルまで歩いてきたみたいだ お風呂とか服とかの準備おねがいするよ もう貴族令嬢になるからね』

『えーっと ルシフェルにきていきなりメスガキッサですか ハードな店選びましたね』

『私が旅行のお土産渡しにいかなかったらそのままスルーして 地球人見捨てることになってたね』

『アサミさん 私たちサワキ家はアイちゃんを大事な家族として迎えるわー』

『妹うれしいな!』

『じゃぁ 迎えにきてくれるかな?』

『はーい』


5分ほどして マイとユイ パパママが迎えに来た


「じゃぁ~ お客さん バイトでもいいからまた来てねぇ~」

「あ・・・ああ・・・」

「さすがにメスガキッサは難易度高かったかな・・・・」


場所を変え サワキ家の家までやってきた。今のサワキ家は伯爵家になったのでメイドなども雇い貴族って感じの豪邸になっていた。もちろん ボーナス一括払いだ

アイの身をお風呂で綺麗にし 可愛い服に着替えさせると どこかのお嬢様みたいなかわいい子ができた。

応接室に案内され アサミ アイ サワキ家とのお茶会が始まった


「すっ すげぇ・・ 何だよこの家 どこもぴかぴかしてるよ」

「じゃぁ 改めて紹介するよ この人達がアイの新しい家族 サワキさん 伯爵位をもってるねあなたを養子にする事にきまった」

「長女のマイよ アサミ姉さんの勇者をしているの かわいい妹が出来てうれしいわ」

「次女のユイだよー うちもアサミ姉の勇者 アイはうちの妹になるの よろしくね!」

「ママのムイよ あなたはもう私の娘よ ママって呼んでね」

「パパのカズヒコだ アイみたいな子を家族に出来てうれしいよ 本当の家族だと思って接していくつもりだからね 何でも遠慮しないで相談に乗ってほしい パパと呼んでくれ」

「お オレ いや ワタシなんかでいいのかな」

「アイ もうムリして男のような喋り方しなくていいんだ 女の子なんだからね」

「ひっく ひっく 今までろくに何も知らないで生きて来たけど・・・ワタシもみんなと仲良くいきていきたいよおおおおお」

「ふふ 来年には学校も出来るわ ちゃんとお勉強して将来好きな仕事をしていいんだからね」

「アサミ様 マイちゃん ユイちゃん パパ ママ ありがとう・・・」

「もう家族だ 好きな事もいっぱいさせてあげよう 興味ある事を探したらいいぞ!」

「ワタシ・・・ルシフェルにきてよがっだあああああ」

「ふふ うちの妹はかわいいね!」

「ええ 守らなくてはいけないわね!」


新しい家族 アイを迎え 新たな気持ちでルシフェルで生きていこうというサワキ家だった

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