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Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


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第50話 十層監獄④

もうそろそろ時間だ。


翠さんは無事2階に入れただろうか。


硬はあの後翠と入れ替わるように1階に残り内鍵を閉めた。


今1階には硬は1人しかいない。


孤独感で押し潰されそうだった。残り数分のはずなのにその時間は異様に長く感じた。


大丈夫だ。俺の推理は間違っていない。


そう言い聞かせるのは何度目だろうか。


そんなことを思っているとついにその時が来た。


『ピーガチャリ』


階段の内鍵から別の異様な音がした。


鍵の仕様が変わった。それはこの瞬間、制限時間が過ぎたことを表していた。


『ゴクリ』


思わず生唾を飲み干した。もし間違えていたら…


そんな不安が硬を支配した。


『キー』


入り口の扉が開く音がする。


硬は入り口に目線を向ける。そこにはスーツを着た複数人の男が立っていた。


先頭を歩く眼帯を付けた男の手には大きめのカバンが持たれていた。


男は硬の前に立つと、鞄を後ろに立っている背の高い釣り目の男に投げるように渡した。


そして、


『パチパチパチ』


??「おめでとう。」


『パチパチパチパチ』『パチパチ』『パチパチパチパチ』


眼帯の男に呼応するように他の大勢の男は拍手をつづけた。


??「おめでとうございます。」


釣り目の男の手には鞄から取り出した万札のブロックがあった。


その額1000万。


硬は胸をなでおろした。


そんな様子を見て眼帯の男は釣り目の男に耳打ちをしている。


??「ねぇ。俺ちょっとこの子と用があるから、残り9人の処理よろしく。」


??「分かりました。おい行くぞ。」


そういって釣り目の男は他の男を引き連れて階段のドアノブに向かい、何やらカードのようなものを取り出し、鍵を開けた。


硬はその姿を茫然と眺めていた。


??「凄いでしょ。このビルはこのゲームの為だけに改造されたんだ。」


硬「え?あぁ。はい。凄いと思います。」


??「君、名前は?」


硬「え?あぁ玉木硬って言います。」


簾「玉木君か。いい名前だね。俺は灰釉簾《かいゆうれん》っていうんだ。よろしく。」


灰釉はポケットに入れた右手を差し出す。その拍子にポケットから何かが転がり落ちた。


硬「よ、よろしくお願いします。」


簾「玉木君。君に折り入って相談があるんだ。」


硬「え?ええと、」


急なことでオロオロと周囲を見回すことしか硬にはできなかった。


そしてふと簾の足元に落ちた何かに目が留まった。


簾「おっといけない。」


簾は足元のそれを拾い上げる。彼が持っていたのは五角形の真ん中に「東院」と書かれた小さなバッジだった。


*


簾「…もし、その気があれば連絡してよ。いつでも歓迎するから。」


『ガチャ』


翠「硬ちゃん。」


階段の扉から翠が入って来る。その手には札束が抱えられていた。


簾「それじゃあ、考えといてね。」


簾は翠の横を通り過ぎ、階段を上った。


翠「?硬ちゃん誰?あの人?」


硬「ええと、何か今回の責任者的な人らしいです。」


翠「へー。そっか。」


翠は冷たい目で階段の扉を見つめていた。


硬「?翠さん?どうかしましたか?」


翠「ん?あぁいや、なんでもないよ。さ、帰ろうか。硬ちゃん。」


2人は廃ビルを後にした。

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