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Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


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第5話 high & low ②

正《ただし》は少し考え、すぐにカードを伏せた。


翠《あきら》さんは大丈夫だろうか。いったん冷静にルールをまとめてみよう。


~high & low~

ルール

・お互い1~10の数字が書かれた計10枚の手札で行い、一度使用したカードは2度と使えない。

・今回はチャレンジャーの翠とディーラーの正で分かれて行う。

・翠が出したカードが、正の伏せたカードに対して大きい数字なら「High」小さい数字なら「Low」と宣言。それが正しければ翠の勝ち、間違っていれば負け。同数のカードでも負け。

・勝てば賭け金が倍になり、最終的に51万になる。


このゲーム一見運ゲーのようでそうじゃない。1と10は同数負け以外ありえない、言うならほぼ最強カード。逆に中央の5は同数、high、lowすべての負け筋が均等にある最弱カード。ここは早めにそれを消費したいところ。でも、正はそれを読んでいる可能性もある。深く潜れば潜るほど心理戦としての顔を見せてくる。


翠がカードに手を掛ける。そのカードは[1]。


え?いきなり最強カード?いや、きっと何か考えがあるんだ。


…


…!


そうか、このゲームで1と10が最強なのは序盤だけ、終盤に残せば同数で被る可能性が高くなる。つまり、使うなら今。ということか?


「low」


翠は宣言し[1]を場に伏せた。


「オープン」


1ターン目:正[5] 翠[1]

賭け金500→1,000円


よし、まず初戦は勝利。正の出したカードは5。俺の考えで戦っていたら、負けていた。流石翠さんだ。


『パサッ』


「さ、早くカードを決めてくれよ。」


早い。正は迷いなくカードを決めている。このゲームを何度も行っているようだし、定石が分かっているのだろうか。


さっきの翠さんを見る限り次に出すのは10か?それとも低い数字が強い現状で2も消費する?それか、被りでの負けを確定で回避できる5か?


翠が持ったカードは[10]。


やはり最強のうちに使うのか。正がどういった定石を持っているのか知らないが、翠さんだってちゃんと考えている。大丈夫。きっと勝てる。


「high」


翠は宣言し[10]を伏せた。


「オープン」


2ターン目:正[1] 翠[10]

賭け金1,000→2,000円


く、勝ったはいいが、1に対して10で勝つのは勿体ない。できるなら中間の数字を出して処理したかった。しかし、贅沢は言っていられない。とりあえず2勝だ。


「…」


翠の目は手札ではなく、正を見ていた。


「そんなに見んでもすぐに出してやる。そら。」


正はカードを伏せる。


次に出すのは何が正解だ?場にもう[1]はない。つまり現状最強のlowカードは[2]になったはず。だが、それをもう出すのか?今回はたまたま1を両者が出したから――


「low」


翠はそう宣言し[2]を場に伏せた。


早い、しかも[2]のカード。さっきと同じで最強のうちに使用するという考え方か?


「オープン」


3ターン目:正[10] 翠[2] 

賭け金2,000→4,000円


勝った。だが、またしても勿体ない使い方だ。


「なるほど…なら次は……そうすれば……」


翠は自分のカードを見つめブツブツと呟きだした。


そんな翠の思考を邪魔するかのように正はカードを伏せる。


「お前の番だ。早くしろ。」


分からない、翠さんは何を出すつもりなんだ?そもそも正は何を出したんだ?現状極端なカードばかりが場に出ている。なら、今は中央の数字を消費できるチャンス?だとすると、[567]あたりを出すのが正解か?問題はhighとlowどちらで宣言するか…


「high」


翠は[5]のカードを伏せた。


high。これは賭けだな。頼む、小さい数字であってくれ…。


「オープン」


4ターン目:正[2] 翠[5] 

賭け金4,000→8,000円


正の顔が少し歪んだ。


良し!勝った!勝ったぞ!中央の数字を減らせたのも大きい。


この調子で…あれ?


今のお互いの手札は


正:346789

翠:346789


全て同じカード…。そして枚数が減っているから、同一負けの可能性が…高くなってる!


硬は思わず息を吸い込んだ。


「フ、硬君も気が付いた。でも大丈夫。俺は勝てるよ。」


翠のその言葉は、まるですべてを見据えているかのようだった。


正が伏せ終わると翠はすぐに手札に指を置く。


「low」


置かれたカードは現状最も小さい[3]のカードだった


「オープン」


5ターン目:正[6] 翠[3] 賭け金8,000→16,000円


「ハハハ、いや~面白い。翠君と言ったかな?今ようやく折り返しだ。どうだい?1万を超えた感想は。」


「負けが続いているのにずいぶん余裕そうだね。」


「何、わしは若者が頑張っているのを見るのが好きなんだ。そして最後の最後に全てを失い絶望する様を見るのもね。」


正はカードを伏せる。


「なるほど、いい性格をしていらっしゃる老人だこと。そんな老人にアドバイス。」


翠はカードを伏せる。


「俺にその作戦は通用しないよ?highだ。」


正の眉間がピクッと動いた。翠はニヤッと笑いカードを開く。


「オープン」

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