↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/54

第35話 ラピダリー⑤

翠「昇格の手続き、お願いしたいんだけど」


黒服「はい、鈴間翠《すずまあきら》様ですね。宝石《Gem》クラスへの昇格おめでとうございます。」


ラピダリー本部、informationセンターで翠は先日の勝ちを精算していた。


玉木硬《たまきこう》は懲りずにルーレットでチップのやり取りを行なっていた。


黒服「おめでとうございます。まさかこのクラスまで戻ってくるなんて、正直予想外でした。」


黒服は手元の資料と翠の携帯端末を見比べながら軽い口振で話し始めた。


翠「そう?」


黒服「ええ。本当にギャンブルの天才だと実感します。」


翠「あはは、ありがとう」


黒服「次に目指すのは、空席の王石《crown》クラスですか?」


翠「へー、今王石(crown)クラスって誰もいないんだ。」


黒服「まぁ、今の宝石《gem》クラスの人は、決闘しようとしませんから…。お金を失うのを極端に恐れて勝負に出ない、保身に走っている人が増えました。」


翠「へー、今ってみんなクラスに執着ないんだね。」


黒服「まぁ、そうでしょう。1回の勝負で20億を失った、翠様のあの戦いを見られた方が多い。全員理解しているんです。終わる時は一瞬だって。」


翠「…つまり、俺のせいって事かな?」


黒服「さぁ、どうでしょうね。しかし、あなたの存在が万番柘榴《まんばんざくろ》様のようにいい刺激になることを期待しています。」


不敵な笑みを浮かべる黒服の目は翠を強く睨んでいた。


資料を整理し終え、『トントン』と音を立てて資料の底を机に叩き束にまとめる。


黒服「昇格の手続きが完了しました。こちら、端末返却いたします。」


翠「はい、ありがとう」


手渡しされた端末を受け取る。


翠「さて…と、硬ちゃんは今どうなってるかな。」


カジノ全体を見回す。ルーレットテーブルに見慣れた後ろ姿が見えた。


*


翠「どう?硬ちゃん、今日はどれくらい負けたのかな?」


翠は硬が負けている前提で話している。


硬「あ、翠さん…ふ、ふふふ。」


そんな翠に見せつけるように硬は自身の目の前に積まれたチップを見せつける。


そこには3枚の500万円チップが積まれていた。


翠「お!今日は30万から始めるって言ってたのに、腕を上げたね!硬ちゃん!!」


翠は嬉しそうに硬の肩を掴んだ。


硬「まだです…まだですよ…この1500万を赤にオールインです…」


翠「え、ちょ、ちょっと硬ちゃん!ここらが引き際だって、」


硬「いえ、ここです…きているんです、確実に流れが…!!」


硬は翠の忠告を無視して赤にチップを3枚重ねた。


翠「あ」


それを見た翠は頭を抱えた。


ボールが転がり『カラカラ』と音を立てている。


硬は祈るように手を合わせ、力強く握っている。


ボールが弾かれ、大きく動き、止まる。


硬「…っっっしゃあああ!!!」


そこは赤 32 だった。


翠「…ふぅ。硬ちゃん、良かったね。これで3000万だ。さ、行こうか」


硬「…。」


硬の燃えるような目を見て翠の顔から熱が引いていく。


翠「こ、硬ちゃん?…まさかとは思うけど…」


硬「翠さん…今、間違いなくきているんです…」


硬は増えた6枚のチップを再び赤に置く。


翠「ばか!!あーもう!付き合いきれない、俺は先に帰るからね!!!」


硬は去っていく翠の後ろ姿を視界の端にとらえながら回転するルーレットの行く末を見つめていた。


*


手、手が震える…。


30万はいつの間にか3000万に、そして6000万へと化けた。


1億だ。目指すは1億…。


だが、今までの俺とは違う。


12枚の500万チップのうち10枚を赤に置く。


勝てば5000万が1億になる。


残りの2枚の500万チップは懐に収め、保険とした。


きっとそれが良くなかった。


保険をかけたせいでギャブルの流れを掴み損ねた。


きっとそうだ。間違いない。


ボールが止まったのは0。緑 0。


歪む視界の端にはエレベーターから降りてくる女性がハッキリと見えた。


*


カジノにあるBARカウンターに硬は座り込んでいた。


保険で残していた1000万を使って次のギャンブルに挑む気にはなれなかった。


30万から始まったんだ、冷静に見れば勝っているはずなのに、1度見えてしまった1億という誘惑。手元にあった5000万。


硬の心の中にあるのは間違いなく敗北の2文字だった。


硬「はあ〜」


自分でも驚くほど大きなため息が出た。目の熱はとっくに冷めていた。


??「どうかしたんですか?」


3つほど隣に座っていた人物が硬のため息を聞き、声をかけてくる。


その人物はさっき視界の端にとらえたエレベーターから降りてきた女性だった。


??「あ、ええと急にごめんなさい。なんだか凄く大きいため息が聞こえて。」


硬「え、あ、いや。カジノでのため息ですから…もう決まってるじゃないですか…ハハ」


硬は半ば投げやりだった。


??「あれ?もしかして、この前オールイン決闘してた人ですか?あの、blind sumの。」


硬「え?あぁ、はい」


硬はようやく顔を上げ彼女の目を見た。とても綺麗で素敵な女性だった。


??「やっぱり!あの時ライブで見てました!」


硬「え、あぁ。えっとありがとうございます?」


猫芽「私、石川猫芽《いしかわねこめ》って言います。実は前の決闘を見てました。」


彼女の目はまるで宝石のように輝いていた。


良いと思ったら、感想、ブックマークお願いします。喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。