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Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


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第29話 Blind Sum③

現在のチップ

硬《こう》:105枚

小林:95枚


【公開】


硬「2」46

小林 「 4」??


目は悪くない。


小林「レイズ 15枚」


小林の目もよさそうだ。


硬「受けてレイズです。20枚」


小林「コール。」


サイコロを投げる。出目は4。


悪くない。流れは取り戻せてきている。


硬は箱の中で小林に見えないようにガッツポーズをした。


【公開】


硬「2」「4」46

小林「4」「5」??


小林の目も大きそうだ。ならきっとこちらのレイズに乗ってくれる。


硬「レイズです。25枚。」


小林の目を強く見つめる。


小林「コール。」


よし、勝てる。ここでチップを回収し、終わらせる。


最後のサイコロを手に取り投げる。


頼む、高い数字…出てくれ…


サイコロから目が離せなかった。


嫌な予感がした。サイコロの動きが落ち着いていく。


硬の視界の中心には赤い丸が1つハッキリと映った。


【公開】


硬「2」「4」「6」41

小林「4」「5」「6」??


小林「玉木。どうしたんだ?ずいぶんと目が泳いでいるぞ。」


ニヤッと笑いながら小林はチップに触れる。


硬「…そういう小林さんは楽しそうですね。よっぽど目が良かったんですか?」


カチカチと音を立ててチップを持ち上げた小林とは違い、硬はチップを強く握りこんでいた。


小林「あぁ、とても良かったよ。」


そう言って小林は大量のチップを投げる。大きな音を立てて積み重なったそれは小林の目の強さを物語っているかのようだった。


小林「レイズ 40。」


硬「ッう…」


どうする。もう場に25枚出しているんだ。ここで引けば逆転される。


だが、40枚は出せない。


硬「………ドロップ」


握りこんだ爪が手のひらに突き刺さり鋭い痛みに変わる。


強く噛み締め顎の筋肉が強張る。


小林「良し!逆転だ!悪いな、玉木!翠さんの隣は俺がもらう!」


~第3ゲーム終了~

硬:80枚

小林:120枚


硬は天を仰いだ。全てを失う。その感覚で地面は歪んでいた。


小林「さぁ、次のゲームだ。玉木!」


楽しそうに笑いながらサイコロを持つ小林の目は力がこもっていた。


*


翠《あきら》「逆転されちゃった…」


翠は頭を抱えていた。


亮《りょう》「だが、まぁ仕方がないだろう。手は明らかに硬君の方が悪かった。それに小林目線では、勝ちが確定していた。ドロップしただけ賢い選択ができた方だろう。」


そう、さっきのターン小林の手は公開した「4」「5」「6」と伏せていた4,6。

合計は25。


硬が公開していたのは「2」「4」「6」。


小林からすれば、残りの伏せた目は高くても6,6の12。


つまり合計は最大で24。小林からすればこれは絶対に負けることが無い盤面だった。


翠「硬ちゃんはずっとあえて小さい数字を見せて相手のレイズを促している。やりたいことは分かる。でもそれをするには硬ちゃんにはまだ能力が足りてなかった。引き際の判断がまだできていない。」


亮「どういうことだ?」


翠「硬ちゃんが今まで経験してきたゲームは運の要素が少なかった。だが、このゲームは運の比重が大きい。故に勝ち続けるのは100%無理。さっきみたいにどう頑張っても勝てない状況が起こっちゃう。そうなれば引くタイミングが重要。最も少ない被害で降りないとダメだ。でも、その嗅覚は実戦でしか身につかない。」


そう言って翠は頭を掻いた。


翠「でも、これは俺の責任でもあるんだよな…俺自身、運の比重が大きいゲームが好きじゃなくて避けて来ちゃったから…」


亮「なるほど、となると今硬君は結構ピンチってことか。」


翠「ああ。それもだいぶね。次の場代が7以下だったら、硬ちゃんの負けが確定する。」


亮「え?負けが確定?な、なに言ってるんだ。まだあと2ゲーム残ってるじゃないか。」


翠「残り2ゲーム。場代は高くても6,6の12が2回。つまり、24枚。今硬ちゃんと小林の差は40枚。つまり、場代が7以下なら、残り2ゲームの場代の合計は19になり、小林がドロップして逃げ切りだ。」


亮「な…」


画面の先でサイコロを振る2人。第4ゲームの場代は7。

先攻は5を出した小林だった。


翠は下唇を噛んでいた。亮も無言のまま画面を見つめることしかできなかった。


*


~第4ゲーム~


サイコロをボックスに投げ入れる。


流れは俺に向いている。小林の顔はニヤケていた。


勝ったのだ。残り2回のドロップ。それで決着。


勝ち確定。小林の頭の中は今、高揚感でいっぱいだった。


翠の横に立ち、いくつものゲームで無双する。そんな妄想を楽しんでいた。


止まったサイコロの目は6 5 6。


運も完全に小林の味方をしていた。


ドロップするのにこんなに高い目である必要はない。勿体ないがまぁ仕方ないか。


【公開】

硬 「1」??

小林 「6」56


玉木の公開した目は「1」。奴の顔は生気が無かった。

ただ死を待つ獣のようだった。それなのに目の奥に何かがあった。


小林はニヤリと笑った。奴の残りが全て6だったとしても合計は25。そして俺は現時点で合計が17。つまり残り2回で合計8が出れば勝ち。流れは俺にある、今の俺がたったの8を外すわけがない。


翠さんはきっとこの勝負を見ているはずだ。


見せつけるんだ、俺が玉木より優れているということを。


新バディの誕生だ。玉木はふさわしくなかったということを知らしめてやろう。


小林「喜べ玉木。レイズ20枚だ。」


玉木の体がピクリと動く。


数秒下を向いて黙り込み、顔を上げた。目の奥にあった何かが硬の体を支配した。


それは硬が感じることのできるあの熱だった。


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