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Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


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第19話 Fifteen Steal①

「硬《こう》様、翠《あきら》様でお間違いないでしょうか。」


集合場所の路地裏には黒服のガタイのいい男が立っていた。この先の依頼を取り仕切る男だろうか。


硬「は、はい。」


緊張していた硬とは違い、翠は一瞬だけ黒服の襟元に視線を走らせる。


そして興味を失ったように軽く息を吹いた。


翠「あってまーす。」


翠の口調は軽かった。


「では、これより会場に向かいます。車での移動となりますが、ご了承ください。」


黒服はそう言って路地の出口に足を運ぶ。


2人はただ黙ってその後ろをついて行った。


*


車で移動して到着した場所は廃工場だった。黒服と車から降り廃工場の中に入る。


見た目はすたれていて、所々割れた屋根から光が差し込んでいる。


なのに埃っぽさは一切なく、掃除は行き届いているようだった。


黒服が地面に敷かれた薄汚れたカーペットを開く。そこには大きな扉があり、開けると地下に続く階段があった。


「どうぞ、ご健闘お祈りしております。」


*


『ガチャン』


2人が階段を下り始めると黒服は扉を閉めた。


薄暗い階段を降り、長い廊下を進んだ先には別の黒服が2人。


硬は不気味な空間にいる黒服を見て少し安心してしまった。


黒服に危険物の持ち込みが無いか身体検査を行われたのち、ゼッケンを渡され、着るように促された。


青色のDと青色のE。


人を名前ではなく、ゼッケンのローマ字で判断するということなのだろうか。


翠「お、同じ青色だ。やったね!硬ちゃん!」


楽しそうな翠とは裏腹に、硬は嫌な予感がした。このまま地上に戻れないのではないか。

そんな考えが頭から離れなかった。


ゼッケンを着た後はblueと書かれた紙が貼られている控え室に案内される。


『ギィ』


と鈍い音を立てて開いた先は薄暗い廊下とは違い、眩しくて思わず目を瞑ってしまった。


扉の先、控室には同じ青色のゼッケンを着た男が3人いた。


*


青B「お、きたか、これで青チームは全員だな。」


青Bのゼッケンを着た角刈りの男が硬と翠を見て話し始めた。


青D(硬)「え?ええと青チームっていうのは?」


青B「ホワイトボードに書いてあるぞ。」


硬は視線をホワイトボードに向ける。翠はもうすでにホワイトボードの前に立っていた。


青C「ルールはチーム対抗戦っぽいんですけど、正直あんまり理解しきれてないんですよね。」


青A「始まってみないと何とも言えないですよね。」


猫背で気の弱そうな青Cと真面目そうな青Aはホワイトボードを見ながら翠に話しかけていた。


~Fifteen Steal~

【ルール】

・赤、青、黄の3チーム

・各チーム5人


【ゲーム開始】

・各チームに

【1】【2】【3】【4】【5】

の5枚のカードを配布。

・チーム内で自由に分配すること。

※同じ数字カードは1チーム内に1枚のみ

※チーム内で個人のポイント数が同数になるような分配は禁止。(0pointは可)


【ターン終了時】

・各チームは代表1名を選出。

・代表は他チームのプレイヤー1人を指名し、そのプレイヤーが持つカードを全て奪う。

・奪ったカードは自チームの所有物となる。


【次ターン】

・所持カードは自由に再分配可能。ただし、個人のポイント数が同数になっていけない。

※ただし0pointで同数は可

・これを3ターン繰り返す。


【勝利条件】

・3ターン終了時、合計ポイントが最も高いチームが勝利

・さらに、最終ターン終了時に最も多くポイントを所持していた個人も勝利


青C「なんというか、運の要素が強いような気がしますね。」


青 B「1度配布されたカードは二度と配布されない。合計45pointをいかに奪い合うかのゲーム。いかにして敵の5pointを奪い、自チームの5pointを外に出ないようにするか。ということだろう。」


青Bはハキハキと喋りはじめた。


青B「安心してくれ、俺がこのチームを勝利に導いて―」


青E(翠)「そう単純じゃないと思うけどな。」


翠の声は青Bの声を遮った。


青B「…何だって?」


言葉のどこかに怒りが感じられた。


青E(翠)「ルールだけじゃあ全ては見えてこないよ。実際のフィールドに立たないとわからないこともある。協力や裏切り何かは特にね。」


青B「ほう?なかなか言うじゃないか。君名前は?」


青E(翠)「俺?翠。鈴間翠《すずまあきら》。あんたは?」


青B(小林)「俺は小林裕也《こばやしゆうや》だ、よろしく翠君。」


小林は翠に握手を求めて手を差し出した。


翠はその手を軽く握り、すぐに放しホワイドボードに体を向けなおした。


はたから見たら2人の間に火花が散っているように見えた。


青C「な、仲良くしましょうよ~。」


でも、翠さんは多分彼なんて眼中にない、そんな気がした。


*


青D(硬)「翠さん、このゲームどう思いますか?」


青E(翠)「そうだぁ、他チームとどれだけ接触が可能かによって大きく変わって来るだろうな。」


硬と翠はホワイトボードの前でルールの咀嚼を行っていた。


青C「あ、あの~?」


そんな二人を後ろから猫背の男が話しかける。


硬「どうかしました?ええと」


青C「あ、青Cでいいですよ。俺、名前覚えるの苦手なんで。むしろこうやってゼッケンで分かりやすい方が助かります。」


硬「あ、そうなんですね。ええと、どうかしましたか?青Cさん。」


青C「いや、二人は知り合いなのかなって、一緒に入ってきたし。」


青A「それ、自分も気になってました。」


青Aも会話に入ってきた。


青E(翠)「そうだよ、俺らはバディだからね。」


翠は堂々と答えた。硬はそれに同調することができなかった。


青C「そうだったんですね」


うんうんと青CとAは頷いた。


青C「じゃあ、ツいてなかったですね」


青D(硬)「え?」


青Cの言った意味が理解できなかった。


青B(小林)「そりゃそうだろう、知り合いなら別々のチームにいた方が何かと都合がいい。他チーム間のやり取りができるうえに、片方が負けても、もう片方が救い上げてくれる。」


青C「そういうことです。」


硬は思わず翠を見る。だが翠は楽しそうに笑っていた。


青E(翠)「まぁ、始まってみないと何とも言えないかな。」


自信ありげな翠のその声はもう何か考えがあるかのようにも聞こえた。


*


控室で30分ほどたち黒服が部屋に入ってくる。


「皆さんお待たせいたしました。これより会場に移動し、ゲーム開始となります。」


落ち着いたその声を聞いて改めて自分が非日常にいることを実感する。


青A「頑張りましょう!」


青B(小林)「ああ!みんなで協力してこのゲームを乗り越えるぞ!」


青C「お、おー」


青D(硬)「翠さん。」


青E(翠)「行こうか。勝つよ。みんな。」


今回から分かりやすさ優先でキャラの前に名前を入れることにしました。

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