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Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


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第16話 ミドル・キングダム④

「9ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠《あきら》:3point 

泉《いずみ》:2point 

モモ:1point 

硬《こう》:3point


「よって現在の順位。」


1位、翠:12point  

2位、泉:9point

3位、モモ:7point  

4位、硬:2point


*


「翠さん!」


硬の顔は焦りでいっぱいだった。


「硬ちゃん、大丈夫。3だ。まだ動かない。」


「どうして?」


「俺の予想が正しければここが重要。ここで動くよ。盤面が。」


「は?」


硬には翠の目に何が見えているのか分からなかった。でも信じるしかなかった。これまでの翠を知っているから、そして、3以外を選ぶことが出来ないから。


*


「10ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:1point 

モモ:1point 

硬:3point


「pointの加算無し、よって全員に+1ポイント。現在の順位。」


1位、翠:13point  

2位、泉:10point

3位、モモ:8point  

4位、硬:3point


*


よし、終わりだ。後はこのまま被りを続ければゲームが終わる。1以外選ぶ必要はない。


泉は眼鏡を掛けなおし、ボタンをすぐ押した。


*


これでいい。私は3位。ポイント差は5ポイント。これは簡単には覆らない。


2位は1位との差が3ポイント、やっぱり、3位維持が正解だった。


モモは髪をいじり、ボタンを押した。それは泉とほぼ同時だった。


2人は思考を放棄していた。


*


「よし来た。後は硬ちゃんの独壇場だよ。好きにしな。俺はもう、3は押さないからさ。」


翠のその声は子供のように無邪気だった。


「え?わ、分かりました。」


好きにしなって、どうすれば。3を翠さんは選ばないって言っても、2を選べば?


今の翠さんは2を押しても15に到達…


なら、俺の選択肢は1つしかないじゃないか。


硬は2ポイントのボタンを押した。


*


「11ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:1point 

泉:1point 

モモ:1point 

硬:2point


「よって現在の順位。」


1位、翠:13point  

2位、泉:10point

3位、モモ:8point  

4位、硬:5point


*


何?翠が1だと?


泉は口元を手で押さえた。


いや、確かに焦ったが、関係ない。むしろ好都合。1ポイント連打で構わない。


俺は2位だ。最下位争いに巻き込まれることは無い。


泉は1ポイントのボタンを押した。


*


まずい。この状況は非常にまずい。


モモは髪を執拗にいじっている。


硬だけポイント獲得?今まで安全だったはずの最下位とのポイント差が一気に縮まった…


いや、なら次に選ぶのはこれ。


もし硬がこれを選ぶなら止められるし、そうじゃなくても私は最下位争いから脱せられる。どうせあいつが選ぶのは1なのだから。


モモはボタンを押した。


*


「ほら?どう硬ちゃん?楽しいね!独壇場だよ!」


翠さんは何を言っているんだ。今現状の順位は誰がどう見てもピンチそのもの。


これで本当にいいんだよな…


1位、翠:13point  

2位、泉:10point

3位、モモ:8point  

4位、硬:5point


本当に、翠さんを信じていいんだよな…


目の前に置かれた3つのボタン。そして、この絶望的な点数差。

誰の目から見ても、俺らは完全に追い詰められていた。


「おい、いつまで悩んでいるんだ、早く押してくれ。いまさら悪あがきをするな。」


泉が硬を急かす。


「心理戦だか何だか知らないけど、選択するのが遅すぎ。そんな優柔不断なギャンブラー…いらない。」


モモが、確かに芯のある声で硬を急かす。


「いや~、硬ちゃん言われちゃってるね~。」


翠はまるで悪びれる様子もなくニコニコ笑っている。置かれている状況は非常に悪いことは翠もわかっているはずなのに…


「ねぇ。硬ちゃん。さっきも言ったでしょ?中間層を操るのがこのゲームだって。硬ちゃんならわかるはずだよ、彼らの気持ちが。彼らのポイントが示す、その心理が。」


ポイントが示すその心理?


…あ。


「そう言うことか…」


「やっと気が付いたみたいだね。」


3位と4位の差は3ポイント。ここで俺が3ポイントを選べば最下位は並ぶ…。


3位はそれを阻止したい。なら、他人と被る1ポイントは選択できない。

選ぶポイントは2か3…


でも、2を選んでも、俺が3なら状況は変わらない、むしろポイント差は2まで縮まり状況は悪化。


だから、選ぶしかないんだ。


彼女は3を選ぶしか、いや選ばされたんだ。


彼の、王の手によって。


*


「12ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:1point 

泉:1point 

モモ:3point 

硬:2point


「よって現在の順位。」


1位、翠:13point  

2位、モモ:11point

3位、泉:10point  

4位、硬:7point


*


「は?」


泉はモニターを見て数秒脳が停止した。そして、すぐに自分の犯したミスに気が付いた。


しまった!どうして3位が2位に浮上する可能性を考えなかった。


まずい…最下位争いに、だめ。それだけは、ダメ。


最下位との差は3。


1は翠に停められる。2を押して奴が3だったら、最下位との点差は2。2位に浮上できても、そこは最下位争いの射程圏内。

じゃあ3は?だめ、もし通ってしまったら、それは13ポイント1位と並ぶ。それだけは、ダメ。


じゃあ、現状は何を押しても危険…


でも、最下位争いから脱するためには、もう押すしか…


泉はボタンを押した。


*


分かる…


それも簡単に…


硬は驚愕していた。


泉は3を選ぶしかない。これまで合理的に動いていた彼だ、とにかく最下位争いから脱するのに必死。


モモは1を選ぶ。彼女は1以外を選べば1位に急接近、もしかしたら浮上する可能性もある。これまでの動きからして彼女はそれを良しとしない。


中間層の考えが手に取るようにわかる。


「このゲームにおいて、最も共謀されると厄介なのは2位と3位だ。でも今回は何故か、仲間割れを起こしている。」


「その理由は翠さんが作ったくせに、良く言いますよ」


2人の顔には笑みが浮かんでいた。


「次に厄介なのは1位と4位の共謀だ。それも1位と2位、3位と4位の点差が狭い時、その効果は跳ね上がる。まさに今がその状況だね。」


翠はそう言ってボタンを押した。硬もつられるようにボタンを押した。


*


「13ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:1point 

泉:3point 

モモ:1point 

硬:2point


「よって現在の順位。」


1位、(同率)翠:13point  

1位、(同率)泉:13point

3位、モモ:11point  

4位、硬:9point

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