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Lapidary 500円から億万長者!階級制ギャンブル倶楽部【Lapidary】天才2人の快進撃!  作者: 春間 来善


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第14話 ミドル・キングダム②

~ミドル・キングダム~

▶ 各ターン:1 / 2 / 3 pointを選択

▶ 被った者は0ポイント

▶ 全員にpoint加算が無いターン全員に+1

▶ 合計15point到達者が出た時点でゲーム終了

★ 2位と3位が勝者

★ 1位と4位は敗北


つまり、このゲームはいかにして他者に1位を擦り付けるかが重要になるゲームということか。


泉《いずみ》は眼鏡を掛けなおした。


問題はあの二人、翠《あきら》と硬《こう》と言ったか。どうやら二人は知り合いのようだ。となると共謀してくる可能性が高い。お互いに同じ数字を選べば合法的にポイントの加算を行わずに済む。


やっかいだな。


「みんなは何ポイント押したの~?」


翠の軽い声が響いた。


「あ、翠さん!そんなこと聞いても誰も答えてくれませんって!」


「ッチ」


泉は二人の空気感に我慢が出来なかった。


「おい、お前らここに遊びに来たのか?」


空気が凍る。しかし次の翠の一言で場はもっと凍ることになる。


「いいや、勝ちに来たんだよ。」


その宣言は泉とモモにとっては宣戦布告だった。


泉はボタンを押した。


重要なのは1位にならないこと、狙うは2位だ。


*


このゲームはいかにして最下位を避けるかのゲーム。なら、私にとっては余裕ね。


モモは自慢の金髪を撫でながらボタンを見つめていた。


このレベルのゲーム、軽くひねって終わらせよう。


そう思っていたのにその一言が癪に障った。。


「いいや、勝ちに来たんだよ。」


翠のその一言が火をつけた。


私が本気で潰す…


モモはボタンを押した。


重要なのは4位にならないこと、狙うは3位。


*


モニターが更新される。


「1ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:3point 

モモ:2point 

硬:1point


「よって現在の順位。」


1位、モモ:2point  

2位、硬:1point

4位(同率)、翠:0point  

4位(同率)、泉:0point


*


泉は顎に手を当てていた。


なるほど…最初はお互いにポイントを稼ぐ算段か。確かに硬と翠の共謀は誰かが15ポイント近くかつ、2人が2位と3位になって初めて成立する。


なら、阻止するのは簡単だ。どちらか片方を1位に固定させておけばいい。そしてその役目は初めに3ポイント選択した翠が適任。奴はきっと初めから一気にポイントを稼ぐタイプだ。


となると現状困るのは1位のモモ…。奴をこのまま1位にはしておけない。なら、この数字だ…。


泉はボタンを押した。


*


モモは相変わらず髪をいじっていた。


この調子で行けばいい。今は1位だけど、大丈夫。1ターン目の順位なんて所詮まがい物。こうしたゲームは終盤が重要。


ただ、怖いのは硬と翠の共謀…でもそれには条件がある。2人が2位と3位になること。


なら、片方を最下位に固定しておけばいい。そしてそれは、硬。こいつだ。1ポイントを選んだ弱気な感じ…最下位にピッタリじゃない。


なら、私は気にせずポイントを重ねるだけ…


モモはボタンを押した。


*


「2ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:2point 

モモ:2point 

硬:1point


「よって現在の順位。」


1位、翠:3point  

3位(同率)、硬:2point

3位(同率)、モモ:2point  

4位、泉:0point


*


ここだな。


「モモって言ったな。話がある。」


泉は隣に座るモモに話しかける。


「…何?おじさん。」


モモの目は鋭かった。


「そうカリカリするな。分かってるんだろう?翠と硬の共謀の線。」


「…そうね。だから?私たちも協力しようって?」


2人の会話は淡々としていた。そこにあるのは互いの利害だけ。


「次のターン俺は2を選ぶ。最下位から脱するためだ。」


「だから?2以外を選べってこと?そんなことして私にメリットがあるっていうの?」


「ある。」


「…」


2人の会話は静かだった。


「もう気付いていると思うが、あの二人の共謀は両方が2位と3位になって初めて成立する。なら互いを1位と最下位にすればそれは成立しない。だから、俺を2位にしろ。お前が3位だ。」


泉の眼鏡から覗く目は力強かった。


「…なるほど、あっちが共謀するならこっちも、てことね。いいわ。乗った。」


モモはボタンを押した。泉からは何のボタンを押したのか見えない。


「協力、感謝するよ。」


泉もボタンを押した。


*


「3ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:2point 

モモ:1point 

硬:1point


「よって現在の順位。」


1位、翠:6point  

4位(同率)、硬:2point

4位(同率)、モモ:2point  

4位(同率)、泉:2point


*


…妙だ。


このゲームの共謀は2位と3位になって初めて成立するもの…


なのになぜ?なぜ翠は6ポイントで1位を独走している?


泉はモニターをジッと見つめていた。


奴は共謀なんて初めから考えていなかったのか?


まぁいい。とにかく下が3人並んだ。目指すは2位。それは変わらない。


「ねぇ。」


隣に座るモモがふいに話しかける。


「次1を選んで。」


「え?」


「硬。彼は1ポイントしか選んでない。翠は3ポイントだけ。つまり、2ポイントだけしかないの、ポイントを稼げるのは。あなたが1を選んで硬を最下位に固定できれば、次のターンにあなたが2を選ぶ。そうするだけで、私たちの2位と3位は決定する。後はひたすら同じ数字を選んで全員+1すればいい。」


「なるほど、2はがら空きということか。分かった。」


泉の声を聞き、モモがボタンに手を掛ける。


「ただし、先に2を押すのは俺だ。お前は次のターンに2を押せ。」


モモの体がピタッと止まる。


「なぜ?」


「2位の方がいい。ただそれだけだ。」


「そう?私は3位の方がいいけど。まぁ分かったわ、今回は譲ってあげる。同盟を持ち出したのはあなただから。その借りを返すだけ。」


泉とモモはボタンを押した。


*



「4ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:2point 

モモ:1point 

硬:3point


「よって現在の順位。」


1位、翠:6point  

2位、泉:4point

3位、モモ:3point  

4位、硬:2point


*


「え?」


なぜ?どうして?なんで硬は3を選んだの?


モモはモニターから目を離せずにいた。


だって、ここで3を選ぶということは自ら最下位に向かうようなもの…


何を考えているの?翠と硬。二人は初めから協力関係のはずなのにお互いが1位と4位を狙うような動きをしている。


もしかして…本当に1位と4位を狙っている?何のために?


分からない。まったくと言っていいほど二人の考えが。


でも好都合。このまま終わらせる。


「ねぇ。」


「あぁ、分かってる。後はひたすら同じ数字だ。」


*


「硬ちゃん。ようやく言いつけ通り最下位になったね。」


翠はやれやれと言わんばかりの笑顔を硬に向ける。


「し、仕方ないじゃないですか!意外と難しいんですから!」


「ハハハ、硬ちゃんって考えだすと長いからね。でも大丈夫次の指示を出すよ。」


翠が硬に近づき耳打ちする。


「その順位をキープして、俺と数字が被らないように。」


「え?で、でもそれじゃあ翠さんが1位を独走する形に――」


「いいから。頼んだよ。」


そう言って翠はボタンを押した。そのボタンが何かは見えなかったが、多分3だろう。


なら、押すのはこれか?


*


「5ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:1point 

モモ:1point 

硬:1point


「よって現在の順位。」


1位、翠:9point  

2位、泉:4point

3位、モモ:3point  

4位、硬:2point


*


「どんどん行こうか。次だ。」


翠の声は楽しそうだった。


*


「6ターン目終了。選択したポイントの開示を行います。」


翠:3point 

泉:1point 

モモ:1point 

硬:1point


「よって現在の順位。」


1位、翠:12point  

2位、泉:4point

3位、モモ:3point  

4位、硬:2point


*


まずい…翠さんは何を考えているんだ?このままだと、


負ける…!


翠の不敵な笑みとは対照的に硬の額には汗が流れていた。

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