第12話 日常
おまけ的な奴です。
硬の死闘から1日、バーのカウンターにて。
硬「そういえば、翠さんって普段の生活はどんな感じなんですか?」
亮「さぁ。翠は謎が多いからな。というか、なんで俺にそんなことを聞くんだ?」
硬「え?亮さんのところに居候してるんじゃないんですか?」
亮「いいや。むしろ硬君の家に居候していると思っていたが…」
硬「いやいや、翠さんは俺の家すら知らないですよ?」
亮「じゃあどこかのホテルにでも泊まってるんじゃないか?フッあいつらしいな…」
硬「いや、翠さんは全財産を失ったって言ってたんで、多分ホテルではないと思います。あの後も結局『これは硬ちゃんの500円から始まって硬ちゃんが勝って手に入れたお金だ。硬ちゃんが好きに使いな。試験費用の50万は亮ちゃんに預けといてよ。』って言ってお金も受け取らなかったんで、無一文なのは変わらないと思います。」
亮「ああ、二人分の試験費用、合計100万は俺がラピダリーに渡したからな…」
硬「…」
亮「…な、なぁ。硬君。今、翠はどうやって生活してるんだ?」
硬「え?い、いや、俺は知りませんよ…でも今日翠さん…来るの遅いですね…」
亮「…急いで捜索を開始するぞ。どこかで奴は飢え死んでいる可能性がある。いいか、硬君こういう時はいったん落ち着いてだな、あれだ、電話だ。警察に電話だ。」
硬「ちょ、ちょっと待ってください。警察に電話したらギャンブルもバレちゃうじゃないですか!」
亮「翠の命に比べれば俺らが捕まるのなんて安いもんだろ!!!急いで電話しないと!!」
硬「ちょ、亮さんそれ携帯じゃなくてキッチンタイマーです!何してるんですか!」
『ガチャ』
翠「お~っす。二人とも楽しそうだね~何してんの~。」
亮、硬「「翠!!!」」
翠「え?なになに?そんなに俺変だった?」
亮「良かった…生きてて良かった…」
翠「ちょっと亮ちゃんそんな、ラピダリー最終日と同じくらいの熱量だけど、どうしたの?」
硬「本当に、翠さんが生きていて良かったです…!」
翠「いや、硬ちゃんは何で泣いてんの?え?何この状況?俺って死んだと思われてたの?」
亮「あぁ。てっきり飢え死にしてるもんかと。」
翠「あ~。そういうことか、それなら安心してよ。」
硬「良かった。食事をとれる場所を見つけたんですか?」
翠「え?うん。というか、ここだけど。」
硬、亮「え?」
翠「だって亮ちゃんタダでつまみくれるじゃん。」
硬「いや、翠さん、そんな豆4粒で足りるわけないと思うんですけど…」
翠「あ~いやいや、十分でしょ。極限状態でギャンブルやることもあったから飢えには耐性があるんだ。流石にこの前の丸2日半断食はやばかったけど、今は亮ちゃんとこでお酒とつまみの豆が食えるし。」
亮「…お前、家は?」
翠「?別に無いけど?」
硬、亮「…」
翠「ちょ、ちょっと亮ちゃん無言のままどこ行くの?そっち亮ちゃんが生活しているバックヤードでしょ?って硬ちゃんは無言で万札を押し付けないで!大丈夫だから!生きていけるから!」
硬、亮「…」
翠「ちょっと!!やめて、硬ちゃん無言でポケットに1万円札を突っ込まないで!!大丈夫だから!グェッ!!ちょっと、亮ちゃん襟引っ張らないで!どこ連れてくの!?そっちバックヤードでしょ!?俺は豆があればいいから!大丈夫だから!!」
硬、亮「うるさい!!受け取れ!!」
その日から、バーのバックヤードに一人分の布団が増えた。
豆は相変わらず主食だったが、それでも翠はどこか満足そうだった。
翠 総資産:豆4粒→豆食べ放題。お金14万円、バー『琥珀』の部屋貸し出し(出世払い)。




