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なんか違うって──!?  作者: ラーメン宣言
2章:ステユル家
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7話:不安

食事を終え、片付けを手伝ったあとシースーさんがお湯で温められ、しっかりと水気を絞ったタオルと、籠を渡された。

「部屋でタオルで体を拭いて着替えて今日は寝なさい、着ていた服はその籠に入れておいて明日の朝、降りてくるときに持ってきておくれ」

と言われ、俺は部屋へ戻った。


部屋に戻って早速パンイチになって身体を拭きベッドの上にあった服に着替える。

少しブカブカだが、袖や裾をまくれば問題なく着られそうだ。


ベッドの上に寝っ転がった

(本当に長い一日だった、というより初日から色んな事がありすぎた。)

池に浮かんで、馬に乗せられて、知らない世界のポーションを飲まされて、門番に連行されて、ステイタスまで刻まれて……

(というか身分証つくることしか頭になかったけど、俺これどうやって帰るんだ???)

俺はベッドからガバっと起き上がり頭を抱える

(待て待て待て!ここ、ゲームじゃないんだぞ!?何を普通に異世界生活満喫しようとしてるんだ俺!)

と思っていたのも束の間、急な眠気が襲ってくる。

(……まだ夢って可能性もあるし朝になったら全部元通りになってるかもしれない...)

(だから今は……寝ても問題ない……だろう……)

フユトはこうして眠ってしまった。


その頃――フユトが眠りにつこうとしている一方、彼を異世界へ送り込んだ原因は、別の場所で思わぬ騒ぎを起こしていた。


〜天界〜


「あれ?なんか人間一人現世から消えてない?」

「そうなんだよ、なんか1つの命が急に消えてる。」

「まじかよ!これで11人目だぞ!? また人間が消えたのか!?」

「誰か知らないの?」

「さ、流石に見て見ぬふりできないね〜...」

そんな噂を話している中で一人の女神が顔を真っ青にしながら話に乗る。

(ヤバイヤバイヤバイ.......)

(なんか酔っ払ってフラフラ帰ったら、プライベート全開の家に人間がいて.....)

(そのまま酔っ払った勢いで何かしちゃった気がするんだけど~~~!?)


そう――この女神こそ、冬目剛が異世界へ落ちることになった原因である。

彼女はあの後そのままふて寝し、数時間後起きて何かやってしまったようなことを思い出しながら家の書類の整理をしていると自分の担当でもない、しかもまだ生きているはずの人間の「地獄行き」と書かれた書類が出てきて見て見ぬふりをして紙束の中に隠したのだ。


(で、でも他の10人は本当に知らないしこっちに来ること自体の原因が謎だから流石に...でも本当になんでこっちの神界に来れたんだろう...)

そんなことを考えつつ家に戻ってその人間の生涯記録を確認する。

「……死亡方法、不明?」

女神の顔から笑みが消える。

「そんな記録、存在するはずが……」

「待って。これ……文字化けしてる?」

神界では、人間の生涯記録を確認できる。

生まれてから死ぬまでのすべてが記された、人間一人につき一冊の記録。

何万もの世界が存在し、その中のたった一人の人間の人生であろうとも、それを書き換えることは

――神々の間でも禁忌だった。

(……おかしい)

(死亡方法が不明なんてありえない)

(それに、この文字化け……)

(まさか――誰かが、生涯記録に干渉した?)

女神は冷や汗をかき立ち上がって一つの分厚い本を取り出す。

そして彼女は、全神の名前が載った分厚い電話帳を開いた。






まだ空が白み始める前、フユトは目を覚ました。

(やっぱり夢じゃないのか...異世界に行ってみたいなんて、昔は思ってたけどまさか本当に来るとはな、こんな形で。)

昔なら胸を躍らせていたはずの異世界。

けれど今、フユトの胸にあるのは――恐怖だった。


なにより、俺は現世で死んだわけじゃない。

それに、なんだかんだであの生活に満足していた。

(帰りたい。でも、少しだけこの世界を知ってみたい。)

そのとき、どこからか良い匂いが漂ってきた。

(なんだ、この匂い....めちゃくちゃ腹減ってきた)


「あら、もう目が覚めたの?」

「ハッハッハッハッ!そんなに今日からの勉強が楽しみで眠れなかったのか!!」

シースーさんとガーザルさんが朝ごはんの準備をしながら元気に話しかけてくる。

「はい!おはようございます!ガーザルさん、シースーさん。」

俺の挨拶を聞いて一瞬2人の動きが止まったがすぐ動き出す

少し違和感を覚えながら俺は朝ごはんの手伝いをする。

(ベーコンエッグ!!しかも肉ぶ厚!!)

フユトの異世界への恐怖は食事で全てかき消された。

食欲。

それは、異世界への恐怖すら一時的にねじ伏せる。

そう――人間なのだから。

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