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なんか違うって──!?  作者: ラーメン宣言
1章:ここが...異世界...!
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5話:異世界からの洗礼

受付嬢さんに見送られながらギルドを出る。

ふと空を見上げると、辺りはすっかり暗くなっていた。

(もう夜になってたのか……)

フユトは住所の書かれた依頼書と冒険者プレートを片手に

(宿どうしよう...まてよ、)

(依頼書に泊まり込み付きってことは今から行って頼み込めば、ワンチャン泊めてもらえるんじゃないか!?)

そう思いながらフユトはギルドのドアをしっかりと閉める。


ちなみにギルドは夜になったため子供連れの客が大半を占めている。

相変わらず異世界のギルド感がまるでない。


「さてと、住所はどこなんだ?」

歩きながらフユトは気づいてしまった。

(住所は書いてある。書いてあるんだけど……)

(住所だけを教えてもらっても、俺この街の地理知らないじゃん)

(それにこの広い街で地図もないのにどうしろっていうんだよ……)

またしても詰み。

身分証も、稼ぎ口も手に入れた。

それでも、この世界について何も知らないという現実は変わらない。

そんな15歳の少年は異世界の現実を容赦なく叩きつけられる。


落ち込んでどうしようかと歩いていると

「どうしたの?何か困りごと?」

振り向くと、そこには一人の女の子がいた。


緑色のワンピースの上に白衣を羽織っている。

紫色の髪に、犬のようにピンと立った耳。

そして、腰のあたりからは同じ色のふさふさとした尻尾が伸びていた。


見た目だけなら、どう見ても九歳くらいだ。

「えっとお嬢さん?こんな暗い時間に一人は危ないと思うよ?お父さんやお母さんとはぐれたの?」

引きつった笑顔でフユトは彼女に言う。

そう言うと彼女はムスッとして

「ロロは全然子供じゃないよ、ちゃんと大人だもん!もしかして君って最近ここに来たの?」

自信満々に胸を張って言うがそれを俺は苦笑いしながら

「あーえっと、そんなような感じです...。ここってわかります?」

そう言い俺は彼女の目線に合うぐらいの位置に紙を見せる。

「あ〜。あの家ね。君って見た感じ新人っぽいし...この依頼もしかしてオルガさんからもらったの?」

「あとタメ口で大丈夫だよ!なんたってロロはお姉さんだから!」

と、ロロは得意げに再び胸を張って彼女が言う。

「はい、オルガさんから紹介してもらったんですけど...もしかして俺、騙されました?」

「まぁまぁ半分半分ってことかな?連れてってあげるから着いてきて。」

小さな歩幅で前を歩いている姿は、どう見ても子供にしか見えない、本人が頑なに認めないのが謎なくらいだ。

(……いや、どう見ても子供だろ)




(……待て)

(俺、今、出会って数分しか経ってない人について行ってないか?)

ふと振り返ったがもう遅い。

人通りの多いところからはもうずいぶんと離れてしまっていた。

日本人の人を疑わないのが裏目に出てしまっている。

そんな感じで内心で慌てているのに彼女は気づいたのか

「大丈夫だよ。取って食ったりしないから。それにロロは別に今すぐにでも君を殺そうと思えば殺せるし。」彼女は笑顔のまま、こちらを向いてさらりと言った。

(俺でもわかる。これはヤバい)

(目の前の小さな女の子を前に、俺の野生本能が「逃げろ」と叫んでいる)

まるで蛇に睨まれた蛙の状態だ。

「わかってくれたなら嬉しいよ。その代わりにタメ口にしてくれると嬉しいなぁ」

ニコニコと言ってくる。

さすがの俺でもここで断ったりできることはできないのはわかる。

黙って頷くと

「じゃあそろそろ着くよぉー!」



到着したのは、大きな家だった。

(……いや、大きすぎるだろ)

家というより、もはや館だった。

幾つもの窓から光がカーテン越しに溢れてきている。

(人が住んでる……よな?)

(というかこの大きさで使用人いないとか本当か?)

「とうちゃーく!じゃあ後は頑張ってね〜」

そうロロが言って俺は絶望したような顔で彼女に手を振り、門の前で別れた。


館の扉の前まで行き恐る恐る扉を叩く。

コン、コン、コン。

やけに響いたノックに少し気が引けながら待っていると片側だけ扉を開き

「ふむ、なんのようかね?」

扉の向こうから現れたのは、俺よりも頭一つどころか二つほど大きそうな、ガタイの良い老人だった。

俺はビビりながら依頼書を前に賞状を渡すようなポーズで

「依頼を受けて来ました!新しく冒険者になったフユトと言います!明日から受けるはずの依頼なんですが今日から泊めてもらってもよろしいでしょうか!夕飯抜きでも報酬を減らされても構いませんので!」


そう言うと俺的にはめちゃくちゃ辛い沈黙が広がった。

数秒後

「ガッハッハハッハッハッハッ!!!面白いやつが来たな、良いだろう。夕食も出してやるし報酬からも引かないがその分色々とやってもらおうじゃないか。」

そう言うと手を差し伸べてきて

「はじめまして、俺はガーザル・ステユル、元ギルドマスターだ。5日間よろしくな。」

「はじめまして!俺はフユトでs、え?元ギルドマスター???」

反射で握手した後に俺はマヌケな声で心の声が漏れてしまう。


そのまま俺は館の中に引っ張って入れられた。

こうして俺の異世界生活二日目が――

……いや、まだ初日だった。

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