12話:親睦会
家の中に入ると昨日聞いたようなセリフが家の中で響く
「シースーさーん!夕飯の準備を今日からは三人分から六人分にしてくれ! またまた客人が三人、今日から一週間ぐらい泊まることになる!!!」
「ガーザルったら冒険者は子犬や子猫で拾ってくるものじゃないですよ。」
シースーさんが小さく溜息をつく。
「フユト、こいつら3人を適当にお前の隣の部屋いくつか空いてるから案内しとけ他にも家の間取りをな!頼んだぞ!!」
そんなガーザルさんの物凄いプレッシャーも抱えて3人と階段で上の階に行く
「ところで、ラーゴさんとキュウさんは一緒の部屋にします? それとも別々で?」
「私は一人でいいよー!」
「……イオラさんには聞いてませんけど」
思わずそう返してしまう。
「えっ?」
「フユトさんキュウのことはご心配なく一人部屋にしてやってください。なるべく離れた部屋に。」
「は、はぁ。」
ものすごく丁寧に言われ少し戸惑いつつ話しながら俺の部屋の隣にある、一つ目の部屋案内する。
最初の部屋にイオラが入ると、なぜかキュウまで一緒について行った。
「キュウはこう見えて僕と同じ15歳なんです。そろそろ甘やかされた生活から、とっととおさらばするべきです」
「私は16〜!フユトはー?」
「フユトは〜〜?」
イオラとキュウが一緒に部屋から廊下にひょこっと顔を出して聞いてくる
「俺も...15だな。」
「じゃあ私が皆のお姉さんだ!」
「僕この部屋がいいです。」
イオラが胸を張って言うがどうもお姉さんと思えない、ラーゴに至ってはスルーだ。
ラーゴが部屋を決めたのを見て、キュウが
「じゃあとなr」
「イオラさん、この部屋なんていかがです?」
キュウが部屋を決めようとした所をすかさずラーゴがカットする
しかしイオラは
「ラーゴの決めた部屋が良かった...」
明らかに落ち込んでいた。耳も尻尾もタランとなっている
この落ち込みは誰にもお姉さんを肯定されなかったからかそれとも本当にこの部屋が良かったからなのか
ラーゴと俺の目が合った。恐らく、同じことを考えているだろう。
((これのどこがお姉さんだ?))
そうこうしているとガーザルさんがしびれを切らしてやってきて勝手に部屋を決められた
キュウ→フユト→イオラ→ラーゴ
実は俺の隣の部屋も空き部屋だったらしい
尚、イオラはこの部屋割りを聞いて耳も尻尾も元気になった
そしてガーザルさんに
「食事の用意ができたから下に来い」
と言われ5人で下の階に行きテーブルに着く。
今日の昼には考えられなかったほど、料理も人もいっぱいになっている。
ガーザルさんが食べながら
「それじゃあお前ら、明日からビシバシ行くぞ!それと今日のうちに仲良くなっとけよ〜。せっかく同じ屋根の下で数日間過ごすんだからな!」
ガーザルさんの言葉にラーゴとイオラが少しビビる。
キュウはシースーさんとすっかり打ち解けていた。
夕食を食べ終わり皆で片付けをし、洗濯物を入れる男子用と女子用の籠をそれぞれ渡され、人で上の階に上がりなぜか俺の部屋に集合することになった。
「なんで俺の部屋なんだ?」
「まぁまぁ良いじゃん!私たちよりも早くここに居たらしいし!」
「まぁ仲良くなるかは置いといて同居人としてそれなりに自己紹介は必要ですしね。」
「眠い...」
そうして俺の部屋なのになぜか俺が地面に座りイオラとラーゴが椅子、キュウはベッドに座る
(この部屋で寝るのだけは勘弁してくれ、キュウさん!!)
そう思いながらイオラから自己紹介が始まる
「本日2度目の自己紹介だけど、私はイオラ・ラン!東から来たラン家の一人!主な攻撃手段はナイフの二刀流!!刺激を求めて’中央’に来た!皆タメ口でいつでもこの’’お姉さん’’を頼ってね!!」(ドヤ)
恐らくラーゴと俺が一緒に心の中で((最後はないだろ))といった。
「僕はラーゴ・リスタル。西の学園から来た。『希望の剣』と同じように『真裏』に対処し、世界を救う。そのための第一歩として『中央』に来た。以上だ」
「ん〜〜、私はキュウ・アコロジア、ラーゴについてきた。お姉ちゃんを探して連れて変えるために来た〜!」
キュウが眠そうに欠伸をする
「あ、俺はフユトです。以上でs」
「逃さないよ?」
イオラに笑顔の圧をかけられる。
「流石にそれはないんじゃないですか? フユトさん?」
ラーゴにも逃げ道を塞がれる。
「本当にフユトって何者? なんか魔力っていうか......雰囲気っていうか。今まで会った人と、なんか違うんだよねぇ~」
イオラが鼻をスンスンしながら言う
(まずいまずいまずい、俺実は異世界人なんです!なんて言えるか!!言ったとこでどうせ信じてくれないだろうし一体どうすれば....)
その時──
「フユト!お前何シースーさんにカナリアサーカス団のちらし渡してんだコラアァァアアァア」
決して下の階には響かないが魂に響くような声でガーザルさんが突っ込んでくる
「おまえあのサーカス団に関わったらロクでもないことになるっていうのに何も知らないシースーさんはサーカス見てみたいとか言ってきたしなんでかチラシに付いてた招待券見て行くこと決めちまったじゃねぇかぁあぁあぁぁ!!!!」
「「「「!?」」」」
突如の大きい声とイオラの耳と尻尾はピーンと立ち、寝かかっていたキュウの目は開かれる。
「フユト!お前はシースーさんに念の為着いて行け。それとイオラだったか、お前も興味あるなら着いて行ってこい。このバカはどうせ孤児とかそこらの人間で、最近冒険者になったばっかりだ。まだまともに戦えるわけじゃねぇから念の為行ってきてくれ。」
ガーザルさんが俺の頭を掴んでゆすりながらイオラに指を指して指名する。
「え、ガーザルさんは行かないんですか!?」
「あんな奴らと何分間一緒なんて溜まるかっ!シースーさんには俺は適当にギルドに用事ができたって言う。」
「え!サーカス見れるの!?やったーーー!」
そんな驚いた俺の質問をガーザルさんがバッサリ切る。イオラははしゃいでいる
「で、でもラーゴさんたちは行かないんですか?」
「敬語は良い、同じ年齢だしな。僕はここで留守番をしつつ本を漁らせてもらう。それでいいだろうかガーザルさん。あとフユト、こいつは連れて行ってくれ。邪魔だ。」
そう言いラーゴがキュウを指さす
「あぁ、それで頼む。フユト、明後日の午前中にサーカスへ行くまで、ビシバシ特訓してやるから覚悟しとけよ」
(あ、これ終わったかも)
そんなこんなで明日の朝ごはんまでの気力を養うために解散後ベッドに飛び込んだ。




