女子高生の体から出た聖水
――最初の宿に到着した――
宿と書いたのは、文字通り、宿だけだったからだ。
町ではなく、宿だけが、ポツンと建っている。
中に入ると、何か普通の食堂って感じになってて、
奥に扉がない開けっ放しのトイレと、
上に上がる階段が見える。
「1泊したいんだけど、部屋空いてるかな?」
「あぁ、空いとるよ。1部屋かい?、3部屋かい?」
宿屋のおばさんが、そう聞いてくると……
俺が確認を取る前に……
「1部屋でお願いします!」
……と、香穂 (カホ)。
え?、一緒の部屋でええの?
それは、何しても許してくれる?
……なんて考えが、一瞬、頭をよぎった。
……けど、そんな事ない……よな!?
たぶん、看破で、俺が「童貞」だと知ってたからやろな……。
俺には、そういう勇気ないやろ……って事やな……。
ちくしょう、その通りだよ……。
「わたしらと一緒のものでも良ければ、
今日の夕食と、明日の朝食も出せるけど、どうするかい?」
「はい、お願いします」
「あぁ、わかったよ。それじゃ、全部で90リンだ」
どの貨幣を、どれだけ使えばいいか、わからかなかったので、
お金の袋を、香穂 (カホ)に渡して、払ってもらった。
「食事は、ここに来てくれたら出すけど、
そこで、食べてっておくれ……」
……と、誰もいない食堂のテーブル群を指さした。
……そして、
「そこの階段から、上に上がって、一番手前の部屋だよ」
カギを受け取った。
早速、部屋に向かってみる。
幅の広いベッドが1つあるが、布団はない。
あとは、椅子が2つ、テーブルが1つ。
当然、部屋の中には、
トイレも、シャワーも、風呂もない。
もちろん、エアコンや、テレビなんかもない。
今日は、椅子で寝るつもりだったのだけど……
「今日は、真音 (マオ)がいなければ、
あたしたちは、ここにいなかったので、
ベッドで寝るのは、真音 (マオ)ね。
あたしらは、椅子で寝るから……」
……と、香穂 (カホ)。
「ええの?」
……と、愛水 (ヨシミ)に、確認すると……
「うん、そうして欲しい」
……と、愛水 (ヨシミ)にも言われたので、俺がベッドで寝る事にした。
「一緒に寝るか?」
……と、冗談で、2人に言ってみた。……いや、ホントに冗談やで……。
「何言ってんの、バカ!」
……と、香穂 (カホ)に、頭をポンと軽い力で叩かれた。
「さて、初めての異世界ごはんだな…」
下に降りて、夕ご飯をお願いした。
――今日の夕ご飯――
インドのナンのような形のパン?と思われる主食。
何かの肉を使ったステーキ。
しっかり中まで火が通ってるが、若干焦げ気味。
味付けは塩だけ。
レタスっぽい見た目の野菜のサラダ。
箸やスプーンはない。
たぶん、ナンを使って肉を掴んで、
そこに野菜を挟んで食べるという感じなのだろう。
中世の世界だと、生水は危険な事が多い。
酒類か、果物を絞ったヤツ以外は、頼みたくないが、
どっちもないらしいので、コップだけ借りた。
コップに、愛水 (ヨシミ)が、手を当てる。
手から「聖水」スキルというヤツで、
水が出てきて、コップを一杯にした。
早速、飲んでみると、水なのだけど、とても美味しい。
温度も、丁度いい温度だ。
俺は、今……
「女子高生」の「体」から出た「聖水」を飲んでいる。
……なんて考えてしまう。ウソではない。
……だけど、なんだか、別な意味を連想してしまう。
なんだか、ちょっと興奮してしまうものがある。
股間のビッグマグナムが、
巨大化しないか、ちょっと心配だ。
「食べないの?」
そう言って、香穂 (カホ)が食べ始める。
実は、俺、
最初に、香穂 (カホ)が食べるのを待っていた。
看破持ちだし、
食べれないものか見分けてくれそうだから……
とりあえず、問題なさそうなので、俺も手をつける。
レタスっぽい野菜も、ナンも見た目通りの普通の味だった。
ステーキは、ナンで掴むだけで、カンタンに千切れる。
とても、やわらかい。
牛肉を塩漬けで保存しつつ熟成させた感じの味。
ちょっと、塩が効きすぎているが、うまい。
異世界料理も悪くないと思った。
塩気が強いので……
出来るだけ多く、野菜を食べた。
愛水 (ヨシミ)に、「聖水」スキルで、
「水」を、何度も出してもらい、おかわりした。
そのたびに「女子高生の体から出た聖水」
……というワードを、何度も連想してしまった。




