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聖女に救われた少年は誓いを立てる  作者: たてみん
第2章 小さな少年は無理をする
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第24話 そして少年は森を抜け……

カッ!!


最後までとっておいた閃光石が光を放ち、前に回り込んでいた黒犬たちの目を焼いた。

その間に僕は彼らの脇を急ぎ走り抜けていく。


……もうどれくらい走っただろうか。

そろそろ黒犬たちのテリトリーを抜けると思うんだけど。

東の空を見れば朝陽が昇ってきていた。

辺りもだいぶ明るくなってきたお陰で黒犬たちの足並みも遅くなってきた気もする。


「ゴブ?」


それを裏付けるように、ゴブリンを見つけた。

魔物でも寝るのか、寝ぼけたような顔をしたゴブリンと目が合う。


「ごめん、身代わりよろしく」

「ゴブ?……ガフッ」


寝ぼけゴブリンの腕をつかんで立ち位置を入れ替えた。

僕は前へと進み、代わりにゴブリンが黒犬たちの餌食になる。

その一瞬、黒犬たちが僕から意識を外したのを見計らって、残り少なくなっていた魔物避けの薬を頭からかぶった。


「ぐぅ、しみる~」


全身傷だらけなので薬が傷口に染みる。

でもお陰で朦朧とし始めていた意識が覚醒できた。

あーでもマズいな。血を流し過ぎたらしい。

手足が重いし気を抜くと倒れそうだ。

早く街に戻って傷の手当して造血薬を飲まないと。

でもその前にシェリスさんに秘薬を届けるのが最優先か。

その為にもまずは森を抜けて、街に帰らないと。


『急げ』『進め』


そう自分に言い聞かせながらとにかく前へ前へと足を動かし続ける。


『進め』『進め』


そういえば昔同じような事があったっけなぁ。

あの時は確かバーラさんと森ではぐれて3日彷徨い歩いてたんだっけ……。

その時も確か途中で魔物に襲われた気がする。

どうやって逃げ切ったんだったかな。


ひょいっ。はむっ。もぐもぐもぐもぐ……


無意識の内に掴んだ何かを口に含むと少しだけ元気になった気がした。

大丈夫、まだ動く。

それなら一歩でも多く前へ。


ひょいっ。はむっ。もぐもぐもぐもぐ……


もう何を食べてるのか、何で食べてるのか自分でも分かってない。

でもいいや。お陰で前に進めるし。

そういえばギルドのおっちゃんも昔は何でも食べたって言ってたっけなぁ。

芋虫って苦いんだよね~


ひょいっ。はむっ。もぐもぐもぐもぐ……にがい。


頭の中を色んなことが通り過ぎていく気がする。

そこに出てきた人たちに励まされながら、とにかく森を抜けるために足を動かし続け、そして。

僕はついに森を抜けたのだった。




……あたたかい。


春の陽だまりのようなものに包まれた気がする。

これは夢?僕は寝ているの?なら早く起きないと。

そう思った僕の頭に誰かが優しく手を置いた。

その人は僕に「もう大丈夫」って言ってくれたように感じた。

その優しい声に、僕の意識はゆっくりと沈んでいった。

そして第0話へと繋がります。


自分事ながらまさかちゃんと繋がるとは奇跡ですね。

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