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第30話 出陣 その3

「バカな……無傷だと……?」



煙が晴れ無傷の肉松が佇んでいる光景を目にしたラミューズは驚愕した。



「避けられたのか……?いや、手応えはあった。確かに手応えはあった……間違いなく手応えはあった………」



「何故奴は、無傷なんだッ!!」



ラミューズは肉松の得体のしれなさに嫌な汗が出る。

六聖天として長く活躍してきたラミューズであったがこんな事は初めての経験であった。



そんなラミューズの心情をよそに肉松は脚に力を入れ瞬時にラミューズとの距離を詰め正拳突きを放った。



ラミューズは肉松の得体のしれなさに困惑しつつも肉松から決して目を逸らさなかったお陰で肉松の攻撃に反応する事ができ肉松の腕を掴んで投げ飛ばした。



「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ」

余程勢いよく殴りかかったのかラミューズの投げ技で肉松は空中高く放り投げられた。



パァン



ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン



追い打ちとゆわんばかりにラミューズは空中の肉松に向けて撃ち弾は着弾し爆発を引き起こした。



ドッポォォォォォォォォォォォォォォォン



肉松はそのままスピタナ湖に落ち沈んだと思ったのも束の間、肉松は直ぐに湖から出てきた。



「うッ、浮いてる……だと!?否ッ、それよりも……」



「またしても奴は無傷だ……さっき撃った時、弾は確かに奴に着弾した。今回は手応えなどとゆう曖昧なものではなく確かに着弾したのをこの目で確かに見たとゆうのに何故奴は無傷なんだッ!!」



ラミューズはまたしても嫌な汗が滲み出し包帯を濡らす。

しかしそれでも肉松からは決して目を離さない。

肉松の動きを注視し戦いに集中する。



肉松が飛ばしてくる石礫の攻撃の軌道は全く見えないが指の動きを注視すれば避ける事は長年の戦闘経験を持ってすれば難しくない。

しかし石礫のソニックブームは避けきれず攻撃の度に傷を負ってゆく。



ラミューズはもう一度肉松に弾丸を撃ち込んだ。

弾には自身の魔力を最大限込めた文字通り全身全霊の一撃、しっかりと照準を定めて引き金を引いた。



パァン



ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン



肉松を中心に爆発が引き起こった。

ラミューズは爆発の範囲を絞る事により爆発の威力を極限まで上げていた。



「私の、文字通り全身全霊の一撃……もしこれでも奴が倒れなかったら……」



ラミューズの不安は的中し、煙の中から無傷の肉松が現れた。



「これでも無傷、やはり奴の能力に何かしらのカラクリがあってそれを解明しない限り攻略は不可能、とゆうことか………」

ラミューズは今の攻撃で魔力を殆ど使い果たしてしまった。



コツ……コツ……コツ……



肉松はゆっくりと接近しラミューズに殴り掛かる。



ガッ



ラミューズは肉松の腕を掴んでまたしても投げ飛ばした。



「やはりだ、先程投げ飛ばした時も感じた事だが力の割に技術がまるでなってない。体術はそこまで得意ではない私ですらこうもあっさり投げ飛ばせるのだから。例えるなら………喧嘩もまともにした事のない子供に力だけを与えたような………」

当然この程度でやられる訳もなく肉松は立ち上がった。



「何とか奴の能力を明らかにしなくては、コイツが一人いるだけでパロネア軍は滅びる!」



その後、ラミューズは魔力が底を尽きた状態で肉松相手に1時間戦った。



(これ程強力な能力、長い時間発動し続けられない筈だ……)



ラミューズのこの予想は本来であれば正しい。

速く走れば走る程疲れるように

使う魔術の威力や範囲が大きければ大きい程魔力の消耗が激しいように能力の規模が大きければ大きい程消耗する。

揺らぐ事のない絶対的法則、これを覆せる者は存在しない。してはならない。



ならば持久戦に持ち込めば付け入る隙が出来ると考え出来るだけ攻撃を受けないように戦った。



しかし20分、30分、40分と戦いが長引いても肉松は涼しい顔をしていた。

戦いが長引けば長引く程ラミューズは傷を負い消耗してゆく。



そして1時間が経つとラミューズは遂に集中力が切れ本来であれば躱せる筈の石礫をまともに喰らってしまい致命傷を負ってしまった。



腹部からは血が流れ腸まで出ていた。

急いで療術が使える医者の所に運び込まない限りは助からない怪我であった。



(私も、とうとうここまでか………)



今のラミューズは自分をこんな目に合わせた肉松に対する恨みや自分の命が終わってしまう事の口惜しさや喪失感なんてものは一切なかった。

唯パロネア軍の一軍人として戦場で死にゆける事の名誉と理不尽な能力とはゆえ最期にこれ程までに強い敵と戦えた事に対する満足感で満たされていた。



「オイラの勝ちだ。遺言があるなら聞いてやるぞ。」

肉松は死にゆくラミューズの最期の言葉を引き出した。



「冥土の土産に教えてくれ……どうして私の攻撃が一切効かないのだ……?どうして唯の石礫であれ程の威力を……?お前のその能力は一体何だ……?」



「オイラに与えられた天恵は『オーバーディメンション』自身を無敵だと思い込めれば無敵になれるし空を飛ぼうと思えば空をも舞える。」

肉松はラミューズのハンドガンを拾い上げ



パァン

パァン

パァン

パァン

パァン

パァン

パァン

カチッカチッ



弾倉が空になるまで撃ち込んだ。

ラミューズは息を引き取った。



その後肉松は最後の軍艦を沈め二度の侵攻から鎮守府を守り抜いたのであった。

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