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第28話 出陣

翌日



約一ヶ月間鎮守府の修繕に当たった兵士達を労い今日一日休暇を与え羽根を伸ばすよう指示を出した。

見張りも丸一日タンビエンが務める事となり今日は兵士達にとってよい休日となる筈であった。



皆が昼食を食べ終えた昼下がり

お腹も膨れてウトウトする者がいる程に平和な時間が過ぎゆく中、突如として警報音が鳴り響いた。



緊急事態発生

緊急事態発生

ウーウーウーウーウー

緊急事態発生

緊急事態発生

ウーウーウーウーウー



『こちら展望台こちら展望台、突如軍艦が3隻現れた繰り返す突如軍艦が3隻現れた。至急準備を整え迎撃せよ!』



兵士達の休暇中ではあったもののタンビエンは直ぐに非常ベルを押し兵士達に連絡を入れた。



とはゆえ今回来た船は僅か3隻、前回の26隻に比べると小規模であるがタンビエンはこれを決して楽観視しない。



(前回ばあんとな数で攻めてきちゃうて今回はこげな数ばいなこったら考えちゅうば………間違えなか六聖天ば乗り込んじゅうがや!)



タンビエンは直ぐに展望台を降りて指揮を執るべく戦線へ向かった。





____________________





「勇聖天殿、鎮守府が見えて参りました!」



「………いよいよ、か……」

ラミューズは甲板に立ち双眼鏡を覗き込んだ。



「………確か生還した兵士からの報告によるとこちらの艦隊全てが沈められはしたが鎮守府もかなりの被害を受けた。と書いてあった筈だが……」

ラミューズはもう一度双眼鏡を覗き込むもやはりそこには無傷の鎮守府があった。



(これは一体どうゆう事だ?前回の侵攻から一ヶ月も経ってない筈……それ程までに艦隊が与えた被害が少なかったのか……あるいは……)



ラミューズは考えを巡らせるが答えなど出よう筈もないので考えるのを止めた。



戦艦の主砲が射程に入った所で艦長が砲撃指令を出し鎮守府に向けて撃ち込んだ。



ドン!ドン!ドン!



ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ



ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン



戦艦の砲撃が鎮守府に命中したが鎮守府は無傷であった。

ラミューズは双眼鏡を覗き込んだ。



(なる程、魔力結界か。見れば分かるこの結界を張った術者は相当の使い手だ。たった3隻の軍艦の砲撃だけでは破るだけで日が暮れるな。しかし)



ラミューズはハンドガンを構え引き金を引いた。



パァン



あくまで戦艦の主砲の射程であってハンドガンの射程ではないのだがラミューズが撃ち込んだ弾は通常のハンドガンの射程を越えて飛んでゆく。



ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン



ラミューズが発射した弾は鎮守府の結界まで飛んでゆき着弾と同時に爆発し鎮守府の結界を一撃で破壊した。



「結界は破った。後はドンドン撃ち込め。」

ラミューズは双眼鏡で敵の動きを観察する。

ラミューズが攻撃に加わればもっと早く鎮守府を落とせるのだが前回の侵攻で26隻もの艦隊を沈めた敵戦力の詳細が分かっていない。



攻撃に加わるよりも敵戦力の詳細を明らかにする事が重要と考え観察に徹する。



結界が破壊されてすぐ鎮守府の海兵達は反撃態勢を整え反撃してきた。



ドン!ドン!ドン!



ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ



ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン



固定砲を放ち軍艦を攻撃するが当然女神の涙で塗装された軍艦には傷一つ付けられず唯船体を揺らすだけに留まった。



前回の侵攻で負傷した海兵達の大半はまだ復帰していない。

軍艦や潜水艦も修繕が終わっておらず使える兵器も限られている。

人数や兵器は少ないがそれでも海兵達は絶望していない。



肉松が沢山の小石を掴んで敵船目掛けて投げつける。



ドドゴゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ



小石の雨は敵船に飛んでゆき女神の涙で塗装された軍艦を貫いた。



小石の雨を浴びた軍艦は船内に水が入り込み乗組員は排水作業に追われる。



(何だ!?今の攻撃はッ!!小さなナニカを沢山飛ばしたぞッ!!)



投げる瞬間は見逃したものの隣の軍艦の被害を見てラミューズは再び鎮守府に視線を移す。



(何処だ……?誰が何をした……?)



ラミューズが鎮守府の海兵一人一人を観察していると一人の兵士が目に留まった。



(何だ……?あの兵士………ライフルはおろか軍刀すら装備していない………)



隊を纏めて指揮を執るのが務めの指揮官であれば装備をしていないのは納得できるがその兵士は指揮官にしては若すぎた。



そしてもっとよく観察するとその若い兵士は小脇にポーチを下げていた。

するとその兵士はポーチから何かを鷲掴みにし投球のフォームで鷲掴みにした何かを投げた。



ドドゴゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ



隣の軍艦が大きく損傷しエンジンに被害が及んだのか火の手が上がる。



兵士が投げてきたモノをラミューズはしっかりと目撃した。



(小石だと!?石礫で女神の涙で塗装した軍艦を沈めたってのか!?)



ラミューズは直ぐに軍艦に備え付けられた脱出用の小型ボートに乗り込み鎮守府を目指して進んでいった。

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