第16話 鎮守府 その2
「やぃはやはっはっはぃ呼ぼもぅ駆けなりゃ小生こそがこの鎮守府ば提督、たんびえん少将ばい!なるへそへそへそ、おみゃーが王様がゆうちゅった勇者様できろのんて、あっちゅじゃもうめんつ!」
「……………」
「おろうろろ返事がなくりゃたんさたんびえん悲しみ膨れたぶうて勇者様も自己紹介してくんなぁれ。」
「はッ、はじめまして……こッ、小林です。」
「おぅ!コバヤシ、よかよか名前ばってんたんびえんもそか思うちょりそ。」
あの後直ぐに提督を連れて戻って来たのだが、その提督とゆうのが軍服を着ておらずまるで清掃員のような格好をして鎮守府の掃除をしていたとゆうではないか。
そして口を開けばこの世界の言語を体得した肉松ですら半分程しか聞き取れない訛りなのか方言なのかよく分からない言葉で喋りだす。
「ハァ……提督、勇者様が困惑しておられます。普通に話して下さい。」
「あれ…?緊張してるかと思ってラタルシア弁で話してみたんだけど……」
「伝わらなければ意味ありませんよ。ラタルシア弁って訛りが強すぎてここの兵士達誰一人として聞き取れなかったんですから。」
「………申し訳ない。見苦しい所を見せてしまった。改めて自己紹介しよう。私がこの鎮守府の提督、タンビエン少将だ。よろしく勇者コバヤシ。」
タンビエンと肉松は固い握手を交わした。
「それで、議会の決定でオイラはこの鎮守府にやって来たのですがオイラは何をすればいいのですか?」
タンビエンは胸のポケットからタバコとライターを取り出した。
タバコを吸って一息ついた所でタンビエンは口を開いた。
「………勇者殿にしてもらいたい事はただ一つ。パロネア海軍の殲滅だ。」
そうゆうとタンビエンは司令室を出て正面の窓を開けた先の景色を指差した。
タンビエンが指差した先に見える景色こそがテルバニヤとジアプスに跨る巨大な湖、スピタナ湖が見える。
コォォォォォォォォォォォォ
心地のよい湖風が鎮守府に入ってくる。
バッサァァァァァァァァァァァァァァァ
「ア゙ッ、書類が!」
湖風を受けて司令室の机に山積みになっていた書類が司令室に舞い散った。
タンビエンは急いで窓を閉め床に散乱した書類をかき集める。
「ハァ……早いこと書類を片付けないからそうなるのですよ提督。」
「う、うるさんぬっちゃんめ!そんな事よりザイノ中尉、君は勇者殿をこの鎮守府の皆に紹介してきなさい。こっちは何とかしておくから。」
「了解しました。では勇者様、ついてきてください。」
肉松はザイノに連れられ鎮守府裏の訓練所へと向かった。
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