第二話 ケスタ a
第二話です。
やっと馬以外の名前が分かります。
月明かりに照らされた枯れた森の中、少年と少女が話をしていた。
少年の方の歳は10代後半ほどで、短く切り揃えられた金髪に青い瞳をして、高貴な雰囲気を纏っていた。
少女の方の歳は10代中頃で、端正な顔立ちに青い瞳をし、長い金髪を頭の後ろで一つに縛っていた。
二人とも、からだのあちこちがどす黒い血で汚れていた。
「もう、大丈夫か?」
少女の背中を撫でながら、少年が言った。訪ねられた少女は体を小刻みに震わせながら答えた。
「なんとか、大丈夫…。それで、あなたは、いったい……?」
「俺は、レオ。訳あってこの先の町に用があって森を歩いていたところだ。それで、なんで君みたいな子供が、こんな夜遅くに森に?」
レオと名乗った少年が、少女の震えを納めながら言った。少女は震える口で、たどたどしく答えた。
「ありがとうございます、レオ、さん。私は、シャルルです。この森の近くで農業をしている家の一人娘です。今は収穫した野菜を町まで運んでいる途中でした。父と母は体の具合が良くなくて馬に乗れないので、作物の運搬は私がやっています。」
「大変、なんだな。女の子がリボルバーまで持って。」
「リボルバー……。」
そして、シャルルと名乗った少女は、はっと名にかに気づいたように、体をレオの方に向き直した。
「レオさん、さっきの銃撃って、何ですか?私のリボルバーと全然違いました!」
レオは、うつむいて、そして答えた。
「俺の銃、ちょっと特別製なんだ。」
レオの声はどこか悲しげだった。シャルルは、何か触れてはいけないものに触れてしまったように思い、それ以上追及するのをやめた。
「よかったら、次の町まで一緒に行こうか?」
ふと、レオが言った。襲われたばかりのシャルルにとっては、またとない提案だった。
「いいんですか!是非お願いします!」
シャルルは快諾した。
「じゃあ、明日の朝までにやることを済ませたら出発しよう。」
「やること?」
「ああ。」
レオがちらりと横を見る。そこには、頭の無い馬と、その馬を殺した、上半身の無いオークの死体があった。
「シュネル……。」
シャルルは、今はもう死んでしまった馬の名前を呟いた。
そんな彼女の様子を見てレオが言った。
「とりあえず彼らを埋葬して、仮眠を取ろう。朝になったら……。」
「なったら?」
「体を洗おうか。」
シャルルは血まみれの自分の体を見て、
「是非、そうしましょう!」
と強い口調で答えた。
次で町に到着です




