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PANDORA  作者: ばさし
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第一話 森の中の少女 c

第1話、完結です。

やっと主人公が登場しました。

ズドン!

夜の森に、鈍い爆発音が響いた。

恐怖のあまり目を瞑っていた少女は、その音に驚いて目を開けた。


「……え?」

少女の目に最初に映ったのは、右腕があるはずの部分からだらだらと血を流す、自分を殺そうとしていたオークの姿だった。

オークの血は回りの土や木々、そして少女の艶やかな金髪を、どす黒く染め上げていた。


「おーい、大丈夫か?」

少女の頭上から、声がした。高いが落ち着きのある、少年の声だった。オークの右腕をオノごと吹き飛ばしたのは、この声の主だった。

「待ってろ、今行く。」

遥か頭上の木の枝から、少年が飛び降りてきた。

短く切り揃えた金髪に青い瞳をしていて、どことなく高貴な雰囲気を兼ね備えた少年だった。歳は10代後半に見えた。

「あなたは、いったい…?」

「悪いけど、話は後だ。今はあいつを片付ける。」


少女の問いをあしらって、少年がオークの方を見た。オークは血だらけの体で少年を睨んだ。どうやら、自身の右腕を吹き飛ばしたのが少年だと察したらしかった。

「オオオオオオオオオ!」

オークが吠え、少年の元へと突っこんだ。すると、少年は腰に縛り付けてあったホルスターから、銃を取り出した。32口径の、自動式拳銃であった。少年は安全装置を外し、引き金に手かけた。そして、

「闇に、帰れ。」

少年が呟くと同時に、銃口の先に魔方陣が出現した。赤く光り、獅子の柄が描かれている魔方陣だった。そして少年が拳銃の引き金を引くと、

ズドン!

鈍い発砲音が森に響き、オークの腰から上が消えた。


「きゃああああああああ!」

どす黒い血で染まった木々の中で叫ぶ少女の悲鳴の中、これまたどす黒い血に染まった少年は、自身にしか聞こえないような小さな声で

「ごめんなさい。」

と呟いた。

次回、第2話です

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