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PANDORA  作者: ばさし
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第一話 森の中の少女 a

ここから本編です。

国があった。

都市は荒れ果て、半分ほど壊れた建物が立ち並んでいた。道には崩れ落ちたレンガが散乱し、時々ネズミが走り回っていた。

都市の回りの木々はほとんどが枯れていて、茶色い景色が広がっていた。


枯れた森の中を、一人の少女と一匹の馬が歩いていた。少女の歳は10代中頃で、端正な顔立ちに、長い金髪を、頭の後ろで一つに縛っていた。馬は、その体に不釣り合いなほど大きな荷台を引いていた。荷台の中は野菜で半分ほど埋まっていた。

「今日は森の中で野宿ね…。」

少女は自分に言い聞かせるようにポツリと言った。

「早く町に着かなきゃ、野菜がダメになっちゃう。」


少女は夜通し歩くことも考えたが、馬の体力も考え、やはり眠ることにした。

日が大分傾いた頃、少女は野宿に手頃な場所を探し、それが見つかると、近くの木に馬を繋ぎ、そして持っていた荷物から水と、野菜をいくつか馬に与えた。

「お疲れ様、シュネル。今日はもうお休み。」

シュネルと呼ばれたその馬は、疲れはてたように、その場に座った。

少女は小さなテントを張り、たき火を作った。そして、荷物から乾燥した携帯食料を取り出して口にいれた。

「明日は早起きしなくっちゃ。」

そう言って、少女は一人入るのがやっとの大きさのテントに潜り、そして、眠った。


たき火の炎はしばらくの間、夜の森を照らしていた。

第一話、続きます

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