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【書籍化】クラちゃんとカルーさんの幸せな結婚  作者: 真弓りの


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18/18

【SS】俺の奥さんは、とんでもなくカッコいい!④

その時、バシュッという聞きなれない音がした。


ざり、という土を踏む音。


なにか、重いものが落ちる地響きのような音。



「キエエエエエエエエエエエーーーーー!!!!!」



巨鳥の凄まじい叫びがこだました。


血生臭い風が鼻腔を撫でるのに、思いのほか強い衝撃はやってこない。



不思議に思って振り返った俺の目に飛び込んできたのは、真っ赤なふわふわの髪と、威嚇するように膨らんだシッポだった。



「カルーさん……!」



俺たちを守るように巨鳥と相対していたのは、紛れもなくカルーさんだった。


いつの間に戻ってきたのか、肩にはデカいオッドノーズを俵担ぎしている。無造作にオッドノーズの巨体を手放したカルーさんは、右手の曲刀を一振り払う。


刀身の血が、勢いよく飛び散った。



「アタシの可愛いクラちゃんと子供たちを……狩ろうとしたね?」



かつて聞いたことのない、ドスのきいた声がカルーさんから聞こえてくる。


その細い背中からは、異様な圧迫感が隠しようもないほどに漲っていて、周囲の空気までがチリチリと焦げ付いてしまいそうだ。カルーさんが冒険者ギルドであれほど恐れられている、その理由を垣間見た気がした。


カルーさんが一歩前に足を踏み出せば、すでに地に落ちていた巨鳥はバタバタと翼をはためかせる。


逃げたくとも、もはや飛べないんだろう。



音もなく、カルーさんの体がふわりと宙に浮く。


次の瞬間には、あまりにもあっけなく、巨鳥の首が飛んでいた。



「ママ、すごい……」


「ママ、すっごくカッコいい……!」



ユイとレオンも尊敬の目でカルーさんを見ている。


だよな! パパも心底、全力で同意だ!


心のうちで大絶賛していたら、振り返ったカルーさんがニカッと破顔して、猛ダッシュで飛びついてきた。



「クラちゃあん! レオン、ユイ!! 遅くなってごめんね! もう大丈夫だよー」



レオンとユイを間に挟んで、ぎゅうっと抱きしめあう。


きゃっきゃと声を上げて喜ぶ二人越しにカルーさんと目を合わせれば、キラキラの期待に満ちた目で見つめられていた。



「ありがとう、カルーさん! カルーさんが来てくれなかったら今頃」


「どういたしまして! それよりクラちゃん、どうだった? アタシの狩!」



狩? そういえば、そもそも狩が見たいっていう、俺の一言が発端だった。あまりの恐怖でちょっと忘れてたけど。



「ほんっとうに凄かったですよ、瞬殺でしたし。さすがカルーさん」



カルーさんのふわふわの赤毛と犬耳のあたりを撫でると、カルーさんはうっとりと目を閉じた。シッポが嬉しげにふわりふわりと揺れている。



「アタシ、カッコ良かった?」


「カッコ良かったーーーー!!!!!」



俺が答える前に、子供たちが大合唱だ。


知ってたけど、常々そう思ってはいたけど、今日ほどこの事実を体感した日もそうないだろう。


俺の奥さんは、めちゃくちゃ可愛い。


そしてやっぱり、とんでもなくカッコ良い!!!!!

いい夫婦の日SS、これにて完結です。

カルーさんとクラちゃんはやっぱり書いてて楽しいです(^^)


お気に召したらば、『人外恋愛譚』の書籍の方もよろしくです!

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