第十二部 第七章 同質
「ちょっと、強引過ぎない? 」
セシリアちゃんがぐっと手を握った。
戦闘態勢に入ったようだ。
「ま、待ってください。私は平和主義者なんです。貴方みたいな特別製の人とやったら死んでしまう」
プルプルと蜘蛛の身体をした蚊の頭のキメラが首を振った。
「へ、平和主義者……」
「いやいや、容姿がねぇ」
アルバートとダリアが突っ込んだ。
「いやいや、私は直接脳を触るので身体が繊細なのですよ」
蜘蛛の身体をした蚊の頭のキメラが必死だ。
「そりゃ、まあ脳をいじるんだからな」
「確かに」
俺とイエスが同意した。
「だとしても、モヒカンのハリネズミちゃんをこんな目に合わせるなんて」
セシリアちゃんがマジでキレてる。
ハリネズミが可愛いのもいい加減にしてほしい。
「魔法少女ハッピネスにとってハリネズミのナビゲーターは特別な存在だからな」
セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿がそう呟いた。
「ああ、そう言えば、そういう描写がありましたね。だましだまされはあったけど戦友だと」
イエスが横で頷いた。
「戦友なの? 良くある魔法少女ものにあるマスコットキャラクターでしょ? 」
「いやいや、確か、ともに仲間を殺された者同士になるんじゃなかったかな」
「どんな日曜日朝の子供向け番組なんだよ」
「いや、俺に突っ込まれても」
イエスが困惑した顔をした。
「ちょっと、止めてください。単体で最強に近い個体なんかと戦えませんよ」
蜘蛛の身体をした蚊の頭のキメラが俺に必死に話しかける。
「最強に近いのか? 」
「私が聞く限りでは、徐々に最強になっていくはずです」
セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿の質問に蜘蛛の身体をした蚊の頭のキメラが話す。
「じゃあ、強化魔法の話は生きてんのか? 」
「マジか」
イエスの顔が歪んだ。
そして、それ以上に俺の顔も歪んだ。
つまり、セシリアちゃんはこれから強く強くなっていくとともに壊れていくのだ。
『ふざけやがって……なめた設定をそのままにしてやがるのか……』
俺が憎悪とともに喋っていたのか、アルバート達までおびえた。
「いやいや、主の息子さんまでキレないでくださいよ。貴方も同じ最強の個体なんですから」
「はぁぁぁああああああああああ? 」
蜘蛛の身体をした蚊の頭のキメラが信じがたい事を喋ったので俺が驚いた。
「ど、どういう事なんだ? 」
セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿が動揺したように聞いた。
「あれ? あなたは主と組んでいたヘンリー契約枢機卿ですよね。え? この話をご存じなかった? しまったな……」
蜘蛛の身体をした蚊の頭のキメラが動揺している。
喋ってはいけないことだったようだ。
それは俺にとっても衝撃的な話だった。
だが、ある意味、当たり前なのか。
でないと福音枢機卿の紋章を受け入れれるはずがないし。




