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第十一部 第十章 エピローグ

「あんたの親父がどうのはともかく、眠りたいんだけど」


 ダリアがため息をついた。


「まあ、確かに皆寝ずにあれから移動したしな」


「羊がな」


 アルバートにイエスがささやかに突っ込んだ。


「いや、それは分かってるよ」


 アルバートが苦笑した。


「思ってたより大木の中の空洞が広かったから、羊さん達も全部、中で休ませたら? 」


 俺がそうイエスに話す。


「その方が良いな」


 イエスが遠くを見て呟いた。


 俺もその姿を見て慌てて索敵したら、あからさまに軍隊みたいなのが山の中を動いてる。


 こちらには向かって無いが、どうもハリーの方に向かってるようだ。


「参ったな。入口の戸をばれないように閉めよう。周りの枝とかで自然に囲うか? 」


「こちらには来てないようだけど、用心した方が良いな」


 イエスも頷いた。


「え? 何か来てるの? 」


「マジで? 」


 ダリアとノーマが騒いだ。


「ケルト王国の兵士達だと思う。あちらの地の龍のエンシャントドラゴンとハリーの方に向かってるようだ」


「厄介だな。紋章は光ってないから、例の光の輪は発射できないと思うが……」


 セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿(コントラクトカーディナル)が考え込んだ。


「いやいや、地火風水木のエンシャントドラゴンはそれだけで十二分にたかが人間ごときの軍隊など話にならんでしょうよ」


 モヒカンのハリネズミが嘲笑するように話した。


「そんなもの、どうやって倒すんだ? 」


 イエスがため息をついた。


 なるほどな、それであの親父の夢と言う事か。


 喋ったらまずいので言うわけにはいかないが。


「方法は正直に言うと無いな。どうして良いのか分からん」


 セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿(コントラクトカーディナル)も暗い顔になった。


「とりあえず、一度仮眠して、それから考えましょう。羊さんが走ったのは間違いないけれど、私達もしがみついてた為に寝てないし」


 ジェシーがそう話す。


「俺も握力がすでに無いよ。一晩中、羊にしがみついてたしな……」


 マシューも疲れ切った笑いを浮かべた。


「その辺の乾燥芋でも蒸かして食べたら寝たら良いんじゃね。水は地下の階にちょろちょろと地下水が出てるとこがあるし」


 俺がそう言いながら、芋を蒸かして陰干ししたものが入ってる麻袋を皆に見せた。


「そうしょう。まずは疲れをとらないと」


 アルバートがそう言う風に皆の意見をまとめた。


 確かに俺も皆もクタクタだった。


「最後だけど、入り口を隠すのを手伝ってくれ」


 俺が皆に話したら、皆が顔を伏せて無言で知らん振りした。


 やっぱり、英雄になるには俺には絶望的に人望が無いんじゃなかろうかと思った。


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