第十一部 第九章 親父
「恐らく、紋章魔術も古代魔法の一つですから、神聖帝国に察知されないようにしてるんでしょうね」
モヒカンのハリネズミが驚くことを言い出した。
「え? どういう事? 」
「ここは古代魔法の神殿の遺跡でしょうよ。それを小屋として取り込んで、神聖帝国と何かあった時の隠れ家にしてたんだと思います」
「は? 」
俺の衝撃が半端ない。
「つまり、神聖帝国と対抗するグループだったと……」
セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿がモヒカンのハリネズミに驚いて聞いた。
「いやいや、それは無いでしょう。古代魔術は神聖帝国がすべて独占してましたから。ただ、内紛が凄かったようなので、それに対抗するために、かっての古代魔術の神殿の力を残したまま隠れ家にしたようで。だから、先ほど私が主の父上は曲者と申しました」
「マジかぁ……」
「これを考えうるのに枢機卿の地位でも無かったんですよね」
モヒカンのハリネズミがセシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿に聞いた。
「ああ、前任の教皇様からもその話は聞いていない」
「では、ますますおかしな話ですね。一体、主の父上は何者なのか。古代魔術の神殿をここまで力が生きたままで利用すると言うのは相当なものですよ」
モヒカンのハリネズミがあちこちを見て話す。
「それは言えてると思う。大魔術師だと言われても不思議ではないレベルだよ」
ケイシーが興奮して話す。
「な、何で、そんなに興奮してんの? 」
ダリアが不思議そうに聞いた。
「いや、僕は古代魔術を研究したくって、その資金稼ぎで冒険者を始めたから」
ケイシーの目がキラキラしている。
「しかし、私の前で魔術を使ったことは無いがなぁ」
セシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿が困惑したように話した。
「でも、私も子供の時に数度しかあった事はありませんが、冒険者って雰囲気よりは師匠みたいに賢者に近い雰囲気はありましたよ」
セシリアちゃんがそう話す。
「俺は親父がいない間に母さんが死んだから、子供のころは文句ばかり言ってたからな。そういう視点で見たことが無い」
俺がため息をついた。
『ただ、ただ母さんが一番苦しい時に居なかった。それだけをずっと恨んでたからな。その後もわずかにお金を置いていくだけで、それじゃあ生活できなかったし』
「なかなか、シビアな子供時代だったんだな」
「大変だよね。一人で生きていくって……」
「頑張ったんだね」
俺が喋ってたらしくて、アルバートやジェシーやマシューが同情したような顔で俺を見た。
いやいや、こういう雰囲気苦手だ。




